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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア州
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報告

ご覧頂きありがとうございます。

本日投稿分の2話目になります。

戦いは終わった。

果たしてこれが戦いと言えるのか・・

この結果だけを見れば一方的な暴力と言うべきかもしれない。

一つの救いはアザリア自治州の被害は全く無かったと言えることだろう。

いや、全く無いとは言いきれない・・精神的被害はあったと思う。

奥様連中及び自治州の領民に多少なりとも心配をかけた。

争いごとなど最初から無ければ、しなくてもいい心配だ。

これは俺の責任だ、統治責任者として申し訳なく思う。



帝国兵は怪我人を含めすべて引き上げていった。

戦争を引き起こした理由は被害妄想とも言うべき

過度の俺への警戒心が引き起こしたものだった。

俺がプトレ国を離れ半独立したことに警戒心を抱き、

そのうち帝国へと侵略を開始する可能性に(おび)え、

力を蓄える前に(たた)こうと思い至ったのが開戦の原因だった。

これは一部俺にも責任はあるのかもしれない。

自治州統治の挨拶だけでもやっておけば、

相手の印象も少しは良くなったかもしれないし、

挨拶したことで相手も話し合いの機会を得ていたかもしれない。

その様な事を思うとやはり、俺は統治者として失格だと言えるだろう。

州の領民に不安を抱かせただけでも失格かもしれないが・・今更だ。


元の世界でよく国際会議を開いていたが、

やはり相手国への警戒心などの緩和の役割も担っていたのかもしれない。

政治家や官僚が会議上手くいきましたアピールをしていたが、

あれは自分が無能じゃなく有能ですよ、のアピールを兼ねていたのかもしれない。

税金無駄使いじゃないですよ、アピールともとれるだろう。

会議が上手くいかないとは出席者の能力技能が

覚束なかった結果だったのかもしれない。

税金の無駄遣いしていたわけではなかったのかもしれないが・・・

当時の政治家の行動でおかしな部分が良く報道されていたが、

その影響を受け国際会議を無駄なことだと

思い込んだ俺の無知が良くなかった。

元の世界で学んだことを生かせないのも俺の無能が原因だろう。

反省ばかりだ・・・次に活かそう。



帝国とは後日また改めて会談を行うことを約束させ、俺も州都に引き上げた。

周辺国の軍勢はまだアザリア州を取り囲んだ状態を保持しているので、

自治州内の各方面には兵を配置したままだ。

大福たち、もう少しよろしく!


アイラたちと州庁舎に戻り、監禁状態にしていたブラウたちを迎えに行くと

そこにはケイしかいなかった。

ブラウは侍女たちが王都へ連れて行ったようだ。

・・・どうやってこの部屋の扉を開けたんだ?

厳重にしようと思い幾重にも結果を張り

ケイの魔力でも開けられないほどの状態にしていたのに・・

どうやって結界を破ったんだ?・・・


ケイに話を聞くと、

国王が呼んでいるという事だったので侍女が迎えに来たと言った。

俺に何の相談もなく勝手に連れ去ったってことだ。

国家元首とはこうも勝手に物事を進めるのかと少し苛立(いらだ)ちも覚える。

陛下の事だからブラウを無下に扱うことは無い。

後で迎えに行けば良い、今はこの戦争に参加してくれた領民を(ねぎら)うのが先だ。

それと合わせ周辺国に戦争終結の書状も忘れず送ることにした。



戦争終結報告書


こんちは、アザリア自治州のノーヴ・ロンヒルです。

この度の帝国との戦争は終了しました。

周辺他国のみなさんに心配、ご迷惑をおかけして御免なさい。

二度とこの様なことが起こらないことを祈り、ここに報告します。

 

    アザリア自治州総督 ノーヴ・ロンヒル


報告は簡潔を以て好とする、まさにそのような文章だ。



・・・・・軽いとも言う。


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