末席
ご覧頂きありがとうございます。
本日更新分の2話目になります。
州都に戻り、妻たちを集め事の次第を説明した。
何故か皆喜んでいるような・・
ストレス発散にちょうど良い・・遊んでやる・・後悔させてやる・・
えっと・・落ち着きましょう。
今回の戦は俺一人で十分だ、俺自身の怨恨によるものとも言える戦だ。
「旦那様、紫電を使うのかい?
ほどほどにしてやりなよ、相手が可哀そうだからさ。」
アグラットにはお見通しの様だ。
今回は紫電に頑張ってもらい、ハチも念のため控えてもらう。
もう奥様方を戦禍には巻き込みたくはない。
前回は俺自身何もせず戦を終わらせた。
今回は帝国兵にはもっと痛い思いをしてもらい
二度と戦意を持たないようにしてもらわなくては
また戦だとかなったら面倒だ。
攻めて来る帝国兵は可哀そうだが
二度と戦いに赴くことの出来ないようになってもらう。
妻たちは今回の戦に参加できない不満はあるようだが、
戦い自体は心配していないようだ。
置いて行かれる分、夜のご奉仕を頑張るので期待してくれと皆笑顔だ。
できれば夜は労わってくれると助かると思ったことは秘密だ。
宣戦布告の書簡が届いた。
以前見た書簡とは若干異なるが問題は無い。
三日後、国境付近での開戦・・・以前とほぼ同じ内容だ。
さて、どれくらいの兵力でやってくるのやら、帝国兵全軍二十万で来るか・・
前回と同数か・・幾人で襲って来ようが関係無い、総て殲滅だ。
前回の戦の際に作った城壁はそのままだ。
その前に俺一人で待ち受ければ良い。
「私は戦に巻き込んでも宜しいのですか?」
えっ?・・・頭の中で声が・・・ハチか?
「私は妻ではないのですか?
すでに妻に加えて頂いたとばかり・・
もし妻で無いのなら、それは余りにも寂しゅうございます。
是非妻の末席にお加えくださいまし。
お情けを賜りとうございます。」
紫電の魔女さんだ、永遠の処女アイアンメーデンと言われているが・・
アグラットやメルテを俺の中から眺めていて
羨ましく思い俺に気持ちを伝えてきた。
実体がないので気持ちの問題らしいが、少し驚いた。
実態があったらどうなったんだろうと想像すると何だか怖い。
俺の気持ちは妻に加えることにするが、
奥様方の意見を尊重するとも伝えた。
返事は無いが喜んでいるように思うことにした。
開戦当日だ、俺は城壁の前で一人襲来を待ち受けた。
前回の戦で帝国軍は朝早くから布陣を敷いていたが、今回は違うようだ。
流石に自治州との戦になるので手を抜いているのだろう。
一気に押し寄せ勢いのまま攻め込んで州都を制圧するか、
国境の砦を落とすかの作戦と見た。
迂回して獣人族の領地から攻め込んでくることはあり得ないし、
南方にまで迂回する事も考えにくい。
南方まで迂回すればプトレ王国の領地を進軍せねばならず、
いくら同盟国とは言えそれをプトラ王国が許すとは思えない。
それを許せば、プトレ王国が俺に対し宣戦布告するのと同じことになる。
早く終わらせたいので早く来て欲しいのだが・・
やっと土埃が見えてきた。
俺は紫電の魔女を呼び出し、魔女の配下の魔法師を城壁前に展開させ
「紫電、相手に大怪我させても良いが、殺さないように頼むよ。」
不殺の戦いをお願いすると俺に微笑みを向けてくれた。
・・・・・あれ?
襲ってきた敵兵の数が20人程度?
伏兵がいるかもと思い周辺を探索するも何も引っかからない。
これなら俺一人で十分だと思い、紫電に俺の中に戻るよう指示を出し
敵を単独で待ち受けた。
「ロンヒル殿、戦いを御止め下され!」
俺まだ誰とも戦っていないんですけど・・
「私は皇帝陛下より書簡を預かりお持ちした者です。
どうかご披見下さるようお願い申し上げる。」
書簡を受け取り読んでみると詫び状だ。
すべて手違いで無かったことにしろと・・・
・・・イラっとした。
「分かりました、今回は手を引きます。
しかし次、同じことがあったら、こちらから先制攻撃をしかけますので
その点を皇帝陛下にお伝えください。
あっ、それと陛下はご存じですが、俺は魔法が使えます。
魔法で帝国の主な都市を一斉攻撃しますともお伝えください。
そして二度とこの様な事態が無いことを祈りますともね。」
陛下への伝言は虚言ではない。
実際、ハチからもこのような事態を回避するために
実力を分からせる必要があると戦略級ミサイルの使用許可を求めてきている。
皇帝陛下に家臣の不始末が国家的危機に陥ることもあると
理解させる必要があると判断しての提言だ。
国家元首の愚かさが国を窮地に陥れる・・・俺への諫言でもある。
肝に銘じよう・・・・ハチ、怖い!!




