相談
無事にプトレ王国の出入国管理責任者とも挨拶を交わし、
街や駅・街道の着工にも取り掛かり順風満帆・・のわけがない。
面倒事とは常に隣り合わせだ。
マルカジーリさんから悩みごとの相談を受けた。
夜間における奥様との接し方だ・・知るかと言いたいのは秘密だ。
この人、変態だが根は真面目らしい・・・人の事は言えないが。
妻を交換したいと言っていたが、
思わず口をついて出てしまった言葉で本気ではなかったようだが
メルテはそれだけの価値があるとだけ言いたかっただけらしい。
彼の奥様連中からは夜のお勤めがなされない不満があるとは聞いていた。
その理由が、奥様が多すぎて誰を選んでいいのか分からず、
分からないからお勤めを放棄しているようだ。
確かに妻が500名以上いるのなら一晩で全員相手などはできない。
誰かを選ばなければならないが、選ばれなかった奥さんの事を思うと
選ぶ気になれないらしい。
同時に愛せないならば均等に愛すれば良い、
と提案をしたがその均等とはどうゆうものなのかが分からない。
このおっさん、深く考え過ぎているようだ。
平等に分け隔てなく愛してやればいい、
一人ひとり愛し方は異なるかもしれないが
同じような思いで接すれば良いのだと説明すると、少し分かってくれたようだ。
しかし夜のお勤めに関しては解決策が見いだせずにいる。
おっさんが選ぶのではなく、
奥様方に一日のお勤めの人数や順番を決めてもらって、
後ほど奥様方と話し合い擦り合わせれば良いと提案した。
そう言ったら、おっさんは奥様にそう伝える勇気がないので
俺に代わりに伝えるよう頼むのだが、それはそれでどうかと思うが仕方がない。
メルテを伴いマルカジーリさんの奥様方を訪れ、先の件を話したら
奥様方は喜んで賛同してくれた。
何もしない主人よりこうして人頼みでも奥様の為に考えてくれたことが嬉しいようだ。
基本的には夜のお勤め以外、奥様方には主人に対し不平不満は無い。
奥様方は後継ぎがいないこと、これを一番心配していた。
貴族の妻としての立場とでもいうべきモノもあるのかもしれない。
奥様方は俺の提案を喜び受け入れてくれ、
そのお礼にと言ってもし俺の奥様方に不満や不安があるとしたら
いつでも相談に乗ると約束してくれた。
これだけの人数の女性が真剣に相談に乗ると言われると、
俺の妻に何も心配事などはないのだが安心する。
基本的に俺の奥様たちに不平不満など無い、素晴らしい奥様連中だ。
不平不満など言ったら罰が当たる。
国境の砦について幾つかの問題はあるものの、今の所大したことはない。
俺が出る幕はないのでそう言う事にする。
しかし俺の奥様連中をはじめ騎士団員たちは大忙しだ。
休日を取るように勧めてはいるが、それどころではなくなって来た。
王都からロンヒル街への移住希望者、自治州への移住希望者が多く
その整理にも現在苦慮している。
街道予定地付近の魔物討伐にも人員を割き、
人手が足りないとディアナが嘆いている。
適性がある者であればどんどん増やして構わないのだが、
今まで賄い中心だったお姉さま方が名乗りを上げてくれたので
何とかなりそうだ。
・・・今では魔法より素手で戦う方が得意。
・・・今度相手をして欲しい。
・・・ヒィヒィ言わせる。
・・・眠れると思うな。
・・・期待しろ。
・・・楽しませてやる。
何か違う方向に力が入っている気がしたが、気にしないことにする。
騎士団員たちの朝は早い。
日が完全に昇るころにはもう格闘訓練を終え朝食を取り、
それぞれの持ち場へ行ってしまっている。
ケイも街造りの手伝いしていて休暇など取ったこともない。
休息になるかもと思い、今日一日俺の側にいるように言うと
仕事に従事すると拒否されるかと思ったら、喜んで俺に付いてきた。
どうやら俺が声をかけるのを待っていたようだ。
あれ?少し身長が伸びたような・・・
気になって聞いてみたらやはり伸びている。
体形は相変わらずのツルペタだが、成長しているのだろう。
俺もケイの成長を喜んだら照れて耳元で囁く。
「今晩、ご主人様の女にして下さい・・・」
ブラウとの会話を聞いていたようだ。
ブラウには俺が彼女の成長を認めたら、褥を共にする約束をした。
ケイはそれを聞いていて、自分もそうだと思い込んでいる。
ケイの年齢は11歳が見た目だけは十分大人の女性だ。
胸やお尻はアレだが、ノアルより年上に見える。
しかし・・・ブラウが先と言うと納得はしてくれた。
聞き分けが良くて助かる。
・・・ケイは俺の妻じゃないんだけど!!




