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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
王都
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帰還

ご覧頂きありがとうございます。

本日更新分の2話目になります。

最初に動いたのは第1軍司令だった。

案の定ロンヒル州を襲ってきた。

余計な仕事を増やしてくれた罰はいずれ与えなくてはならないが、

今はその時ではない。

まさにハチが言うところの烏合の衆だ。

一瞬で撃退したが、だれも殺してはいない。

死体の処理が面倒だし、中には司令官の命令で止む無く

今回参加せざるを得なかった者もいるだろう。

ただ、襲ったと言う事実は否定できないので怪我くらいはしてもらう。

襲ってきた1万数千のうち1万以上は怪我を負い撤退していった。

戦争を控えているので、もう襲ってはこないだろうが、あの司令官だ。

一応備えはしておくに越したことは無い。

100名ほどの騎士団を伴いロンヒル州に出向き、周辺の警戒を行ったが

やはり総て引き揚げていた。

用心の為、率いてきた騎士団をここに留め置くことにしたが

思った以上に不平が多く辟易(へきえき)した。


「国の一大事という時に

こんなところで暇を持て余すのは嫌です!!」


事が片付いたら何でもできる限り言う事を聞くと言う約束で納得してくれたが

少し早まったかもしれない・・と思ったのは秘密だ。


先日の会議では、近いうちに戦争が始まる可能性についてのみ言及し

皆にそのつもりでいるように準備だけでもしてもらうつもりだったが

皆さま、血気盛んでいらっしゃる。

作戦の立案及び詳細な内容の取り決めのための会議の開催要求が激しい。

作戦に関しての青写真は既に出来上がっているのだが

ノアルの報告次第でそれも変わる。

しかし、いつ戻るとも分からないノアルを待ち続ける訳にもいかないので

作戦会議を行う目安を儲けなければならない。


現在動きが明確なのは第一軍の軍司令官だけだ。

奴は今、兵の増員に躍起(やっき)になっている。

軍警察や衛兵の厳しい取り締まりから逃れるために王都から

逃げ出した軍兵なのどの(あぶ)れ者を領兵として雇い入れたり

自領の領民を徴兵したりしている。

かなりの兵数を(そろ)え、王都に向って来るはずだ。

従って師団会議開催の最終期限を第1軍の行動開始日にすることに決めた。



ノアルに授けた策が失敗していた場合に備え

新たな策を講じなければならないのが面倒だと思っていたら

ノアルが無事に戻ってきた。

早速労(ろう)(ねぎら)い事の成否を問うと、万事うまくいったようだ。

さすがノアル、密偵の仕事は彼女の天性に寄るところが大きいようだ。


「時間が掛かり申し訳ございません。

 魔鉱石の仕込みの際、途中でこのような物を見つけました。

 新種の魔鉱石ではないかと多方面で確認したので

時間が掛かってしまいました。

 残念ながら魔鉱石ではありません。

 良く燃えてかなり強い火力が出る石ですが

見た目もとても綺麗で光にあてると輝きます。

つい気になったので・・・

 半分以上は調理の際使ったのですが、まだたくさん残っています。

 ですが、とても硬くて燃やす以外に使い道は無いかと・・」


よく燃える?・・高火力?・・綺麗?・・輝く?・・硬い?

俺の知り得る石でそのような鉱石はダイヤしかないが・・石炭か?

その石の入った袋をノアルから受け取るとかなりの重量だ。

ノアルにお礼を言い、暫く休んだ後で会議に参加するように頼んだ。


ノアルを休憩させている間に、石の鑑定をハチに頼むと紛れもなくダイヤだった。

それも相当量あるので、石を加工し装飾品として皆にプレゼントしたいが

俺には加工技術がない。

魔法により砕く、割るは可能だが、装飾となると削るなど

高い加工技術が要求されることは俺でも分かる。

ここは一つハチ様の手をお借りしようとお願いしてみたら、すぐに出来ると!

そこでまた問題だ・・

どのような装飾にするべきか、俺には分からない。

自慢じゃないが女性にプレゼントなど一度もしたことがないし、

装飾品など元の世界の広告でしか見たことがない・・・それもチラ見だ。

・・・興味ないし・・

困った・・困った時のハチ頼み!

候補は、指輪、イヤリング、ネックレス、髪留め・・・分からん!

製造コストを考えれば指輪が良いらしい。

最も高くつくのはネックレス・・・じゃ、それで!

ダイヤは1カラットサイズでチェーンは18金・・プラチナは?

・・・切れやすい・・・じゃあ金でお願いします。

あっ・・・アイラ、ディアナ、大福4人は特別製でお願いね!

差別じゃないよ、区別だよ・・

あっ・・

魔女2人とノアルの分はこれもまた一風変わったものでお願いします。

・・ごめん・・面倒掛けます・・まあ、記念品的な何かでね!

ハチは俺の意図するところを汲んでくれた。



・・・感謝です!!


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