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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
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料理

このような所に訓練所があるとは思わなかったらしく、皆驚いていた。

奥深い森の中だけに驚くのも無理はない。

重傷者の所に団長を案内し、命が助かったことを確認してもらった。

しかしすぐに意識は回復しない、体力の回復も時間が必要と伝えたら

怪我人の体力が回復するまでの間、ここに全員留まれる様に計らって欲しいと

お願いされ、受け入れた。

皆から深い感謝の意を述べられたのは言うまでもない。


数人を王都に向わせ(むかえ)を来させようとの団長の意見を俺は退けた。

あまり人に来て欲しくないし、この場所は知られたくもない。

また途中で盗賊に襲われる可能性もあるし、魔物とも遭遇するかもしれないと

危険性を訴えた。

折角助けた命を無駄にして欲しくないし、怪我もして欲しくない。

欲しくない事ばかりだ。

それに全員子供に見える。

子供に無理はして欲しくない。

団長にしてもよく見れば美人だが、中学生くらいにしか見えない。

子供の国の騎士団かと思う。本当、歳は幾つだよ。


重傷だった少女は俺のベッドに寝かせてある。

傷の具合はもう良い筈だが、体力が回復するまで結構時間はかかる。

暫くは寝たきりかもしれない。

布団が臭くないか心配になった。

気がつけば臭い布団の中で寝ていた・・・

って、女の子にはトラウマに成り兼ねない。

まぁ死ぬよりはましだろうが・・


日も傾いて来る頃合いなので、食事の準備しようとマジックバッグから

全員分の食材を取り出すと、それを見ていた数人から(ざわ)めきが起こった。

団長が命令を下した。

「今見たものを含め今後見るであろう事も一切の口外を禁ず。」

・・・・え?・・・何かやってはいけない事をやってしまったのか?


もっと考えて行動するように団長から注意を受けた。

俺のマジックバックの容量が異常であるらしい。

魔力量が多いほどバッグの容量が大きくなる。

つまり容量から使用者の魔力量が分かる。

そもそもマジックバッグを使える男は稀であるし、男性の持つ魔力量にしては

大き過ぎで場合によっては身柄が拘束されることがある。

ハチから注意をされていたが、忘れていた。


まあ拘束されそうなら速攻で逃げるけど。


彼女たちは団長の指示に従い、用意した食材を分担して料理し始めた。

疲れているはずなのに、結構楽しんで取り組んでいる。

ナイフを包丁代わりに手際良く使い(こな)している。

慣れているのだろう。

剣の扱いより包丁の方が上手い。

調味料みたいな物も使っている。

何故に持っている?

婦人の(たしな)みってやつかな。

焼肉に肉鍋、肉から取った出汁で野菜スープ。

俺の料理は、焼く、焦げる。煮る、煮詰まって固くなる。

近衛師団って料理人の集まりだったんだ、と一瞬思った


女性の手料理なんて初めて食したが、兎に角美味しかった。

元の世界を含めて女性の手料理なんて初めてだ。

しかも少女たちがこんなにも美味しい料理を作れるなんてすごい。

肉から出汁を取り、それに合うように野菜を選んでスープを作るとか

元の世界の小・中学生でも、そうはいないだろう・・・

この世界では幼い頃から家事教育が行き届いているのかもしれない。

料理をしている少女たちを見ていると、何だか(なご)む。

将来、この様な素敵な少女が成長し、良い奥さんになって

生活が豊かに感じ良い家庭を築いて行くのだろうと思った。

「教育の賜物(たまもの)か、教育って大切だな」とか思いながら一緒に食べた。


上手い料理は最高だ!!


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