第三話「戦い方(後編)」
「じゃあ、俺に魔法を教えてくれるかい?」
「…!!はいっ!」
──────
それから俺は三つの初級魔法を覚えた
どうやら初級魔法は詠唱は必要なく、
技名を言うことにより発動出来るらしい。
便利なもんだな。
覚えた魔法はファイヤーボール、ウォーターボール、そしてライトニングだ。
少年は火と水の適性があったためファイヤーボールとウォーターボールは教えてもらってすぐ出来た。
ライトニングはどうやら半分の確率で失敗することがあるみたいで、最初は技名言っても出なくて少々焦った。
こっそりガイドブックを見て失敗する確率があると知った時は少しキレそうだった。
強いから仕方ないか…
よし、戦い方、魔法の使い方をほぼマスターした
これなら案外楽勝なんじゃないか?
…いや、油断はしちゃダメだな。
ここの塔はゲームの世界のようだが
実際には現実で、死んだら本当に死ぬ。
油断をしていたらいつ死ぬかわからない。
気を引き締めていこう。
──────
「ちなみに、そいつらはいつくるかわかるか?」
「た、たぶんもうくる!」
うーーん確定でくるみたいだけど時間は多少ズレはあるだろうし…とりあえず今日はこの小屋で寝ずに見張りかな…
その日は時間だけがすぎ、暗くなっていた。
「─────ッハハ!面白いだろう?」
今日はもう来ないのだろうかと思っていたら
いきなり光と共に男たちが3人ほど現れた。
「おーい!坊主ぅ?出てこいよ!また遊んでやるからよ!」
「今日はヒーローごっこでもしてやろうかぁ?俺らがヒーローで、お前が悪役なぁ?」
笑いながら無駄話を話している。
「おい、少年…あいつらか?」
少年の方を見ると酷く怯えた顔をして肩を振るわせていた。
どうやらあいつらみたいだな…
「待ってろ…俺が倒してくる。」
「で…でもっ!」
不安はある…俺だって死ぬのが怖いわけじゃない
痛いのだって本当は嫌だ。
ただ、あいつなら、あいつなら多分
少年を見捨てることなく、自分の命を捨ててでも戦いに行くはずだ。
あいつは優しいし、誰よりも人に優しかった。
俺は優柔不断だけど、あいつは物事をよく理解していてすぐに決めていた。
あいつにはなれないけど、あいつみたいに、人に優しくして生きていたい。
だからこそ悪いことをする奴らは許せない。
「心配すんな、絶対に生きて戻る。隠れてろ」
ToWです。
特に書くことがなくなってきました()
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