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【感謝150万PV】1年後に断罪される悪役令嬢ですが、記憶を取り戻したら全て濡れ衣だったと分かったので、逆に断罪しようと思います  作者: ゆうか
ミアの留学編

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33/124

33話 アルバートとの対談

祝20,000pv越え、ということで、明日も2話更新します!

いつも読んでくださっている皆様、本当に、本当にありがとうございます!!!

♦︎♦︎♦︎

放課後、私はサロンの前に来ていた。

だが、扉を開けることができない。この1歩を踏み出すことができないでいた。


やっぱり、今日は帰ろう。後日、改めて聞き出せば良いや、と思い、来た道を帰ろうとしたその時だった。

「ミア嬢、そこにいるのは分かっているよ。早く入っておいでよ」

部屋の中から、アルバート王子の声が聞こえる。


ゾクっと背筋が凍る。一体いつから気付いて…


恐々サロンの扉を開け、いつでも逃げられるように、ドアを薄く開けたまま、立ったままでいる。

だが、彼は笑ったまま、私を見つめている。本当に怖いんだけど…


「まあ、とにかく座りなよ。ドアを開けたままでも良いからさ」

「申し訳ありません。殿下と2人というのは、外聞が良くないため、私の従者を呼びました」

入ってきなさい、そう言って、エミリアとヒューゴを呼ぶ。


彼は少し、吃驚したようだが、特に2人が入ってくるのを止めようとしなかったので、そのまま押し通させてもらう。


2人が入ってきたのを確認した後、彼はガバッと頭を下げた。

「殿下!」

「まず、申し訳なかった」

突然の謝罪に戸惑ってしまう。だが、そんな私を彼は気にせず、謝罪を続けた。


「君に恐怖を与えてしまったこと、婚約者がいるにも関わらず、エスコートをお願いしたこと、本当に申し訳なかった」

頭を下げたまま、彼はまだ話を続ける。

「実は君に、聞きたいことがあったんだ。だが、このような形でしか、君に接触する方法が思い付かなかった」

「謝罪は受け取りました。それで、私に聞きたいこととは一体何でしょう」


彼は少し戸惑ったような仕草を見せるも、意を決したように私と目を合わせた。

「君は、この国に何を調べに来たのかを教えてほしい」


この言葉に、ヒューゴとエミリアから殺気が放たれた。

「そこまで殺気立たないでくれ。心配しなくても、ここで聞いた事は決して口外しない」

若干顔を青くしたアルバートが私に約束してくれた。


「…っ!」

王族が、貴族に約束する事の重さが分からない彼ではないだろう。


はっきり言って、この国の王子がバックについてくれる以上に心強い事はない。

けど、孤児の売り飛ばしにこの国の貴族が関わっている事を伝えた後、彼はどうするだろう。

協力してくれるか、それとも隠蔽を試みるか。

「分かりました。私が何を調べに来たのか。今、何を知っているかを全てお話しします」

たっぷり沈黙し、思案した後、私はこう答えた。

エミリアとヒューゴが吃驚し、息を呑んだのが分かる。


だが、私の意志はもう固まっていた。


♢♢♢

「つまり、我が国の貴族の誰かが、そちらの孤児院から孤児を買っている、と」

私の話を聞いたアルバートは、頭を押さえ、何を言うべきか悩んでいるようだった。

「はい、まだ推測の域は出ませんが」


「…分かった。私も出来る限り、調査に協力しよう」

2、3分ほど何かを思案した後、彼は強い意志を持った目で私に言った。

「よろしくお願いします」

私は頭を下げてお願いするしかない。


「頭を上げてくれ。この国は、長年に渡って、孤児を買っていた事実に気付きすらしなかったのだ。僕は王族として、これに鉄槌を下さねばならない。むしろ、その事実を知らせてくれた君に感謝するよ」

そう言って、彼は手を差し出してくれる。

…これは握手だろうか。この国には、握手という文化がある事をその時、はじめて知った。

私は一抹の不安を覚えながらも、握手に応じた。


部屋の外側で、僅かにカタッという音がしたが、この時誰も気付く事はなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 20,000pv超え!おめでとうございます♪(´∀`人) [一言] ハラハラドキドキな展開に(*´艸`*)♪ 明日の2話更新☆楽しみにしてます(*^ω^*)
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