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【感謝150万PV】1年後に断罪される悪役令嬢ですが、記憶を取り戻したら全て濡れ衣だったと分かったので、逆に断罪しようと思います  作者: ゆうか
ミアの留学編

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23話 失敗した歓迎パーティー

♦︎♦︎♦︎

翌日。国王が言っていた通り、私達の歓迎パーティーが開かれた。


ただ、親世代の貴族は一切おらず、子供達だけが集められた親睦会のようだ。

かっちりとしたパーティーを想像していた私は少し驚いてしまった。


けど、皆が家格の上下なんて関係なく話しているなんて…

前世ではそんなこと当たり前だったはずなのに、この世界で生きてきた15年間の常識が染み付いてしまっている。なんか、少し切なくなってしまった。


いつか、我が国もこんなパーティーがなされるようになったら良いな、そう思いながら、ジュースを手に取った。


立食式パーティーだから、食べ物を取るには困らない。けど、喋る相手には困ってしまった。

この国には、婚約者がまだいない侯爵令嬢や伯爵令嬢が何人もいる、というのは事前に聞いていた。


だからこそ、家柄良し、顔良しの3人が注目されるとは思っていたけど…


まさか、空気のような扱いを受けるとは思わなかった。私の婚約者は隣国の王子だと既に知っているのか、話しかけてくる人は皆、どこか線を引いているように感じる。やっぱり少し寂しい。


あの3人はすぐに女の子に囲まれ、ここからは見えない。

はあ、公爵家の嫡男、ジャスパーはどこかしら。全然見当たらないんですけど。


少し憂鬱な気分でチビチビジュースを飲んでいると急に後ろから話しかけられた。

「楽しんでいますか」

銀の目と銀の髪。この方は…


「お初にお目にかかります。王太子殿下」

コップを置き、カーテシーをしようとすると、途中で制される。

「ここは、子供だけの無礼講の場だから、そんなに畏まらなくて良いよ」


そういうことならと、王太子と対等に向き合った。

「ありがとうございます。王太子殿下」

「王太子殿下、じゃなくてアルバートで構わないよ。流石に公式の場では無理だろうけど、このような場では、アルバートって呼んでくれ。その呼ばれ方は嫌いなんだ」


何か、嫌な思い出でもあるのだろうか。別に構わないけど。

「それでは、アルバート様、とお呼びしますね」

「ああ、ありがとう」


その後、アルバートから、この国での魔石の扱いなどの興味深い話を聞くことができた。


魔石とは、文字通り魔物から取れる石のことであり、専用の魔法陣を用いれば、光を灯したり、何かを動かしたりする事ができる。

だが、デメリットとして魔石を用いれば、有毒ガスが発生するのだ。余程のことがない限り、魔石は用いられることはない。


しかし、この国のシンボル、時計塔には魔石が用いられているのだそうだ。換気さえしていれば、問題ないからと。


ちなみに、この世界全般に魔法というものは存在しない。

この事を知った時に、どうして魔物はいるのに、魔法はないんだ!と叫んだのは内緒である。


あまりにもこの話に盛り上がりすぎて、ジャスパーのことは頭から消え去ってしまった。

♢♢♢

「それで、公爵家の嫡男と話すのを忘れてしまったと」

「うぅ…ごめん」


王城に用意された自室に戻り、エミリアに聞かれたことで、ようやくジャスパーのことを思い出した。

やってしまったわ…これでは本当に何にも分からない…


「まあ、2ヶ月ありますから、ゆっくり調べていきましょう」

「エミリアー!!」

「ただし、学園に入学されてからは、ちゃんと誰が怪しいか探ってもらわないと。いくら私達でも2ヶ月の間で全ての貴族の家を探すのは不可能ですからね」

「ええ、分かっているわ」


これからはちゃんと頑張っていこう!

そう心に決めたのだった。

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