表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/124

2話 状況を整理しよう

♦︎♦︎♦︎

もう一度目を覚ますと、目の前は真っ暗だった。

一体何時間寝てしまっていたのだろう。


でも、いっぱい寝たおかげか、ごちゃごちゃだった頭の中を整理できた。

今までミア・トスルーズとして生きてきた記憶はある。前世の記憶もある。別にそれで良いのだろう。


ふぅ、と息を吐く。

私の記憶が確かならば、もうすぐ学園の入学式。ゲームスタートの直前だ。

今の私は15歳、そして、断罪される卒業式の時の私は16歳だから…

「あと、1年、か…」


でも、今の私は誰かを虐めてたり、残酷な行為を行ったりなんて事はない。

数ヶ月でそんなに性格が変わってしまうとは思えないし…


「一体、私に何があったのかしら…」

私の独り言は、真っ暗な私の部屋に溶けていった。


♢♢♢

今、ここで悶々と考え続けても何も出ないわね。とにかく、一度状況を知るべきだわ。

そう考えると同時にグゥーとお腹の虫が鳴いた。


…まずは何か用意してもらいましょう。腹が減っては戦はできぬと言うし。


チリン、とハンドベルを鳴らすと、なんとメイドではなく、兄がやってきた。

「ミア、目が覚めたのかい。具合はどうかな?悪い夢も見なかったかい?」


周りに花が咲いたようなキラキラの笑顔の兄が部屋に入ってくる。


今までのミアとしてはいつも通りの面倒な兄ね、と思っているけど、イケメンの耐性が全くない私としては心臓がバクバク言ってる。なんだか、すごく変な気分だ。


「…ええ、お兄様。体調は特に問題ありません。夢も見ませんでしたわ」

「それは良かった。夜ご飯はもう用意してあるよ。さあ、服を着替えておいで」


そう言い終わると同時に、何人かのメイドが入ってくる。

誰も見たことがないわ。兄は、本当に全員クビにしてしまったのね…


そう考えているうちに着替えは終わっている。

「皆すごく仕事が早いのね、ありがとう」


普通にお礼を言っただけなのに、メイドの皆はすごいびっくりしていた。

何か私、変なこと言ったかしら…



♢♢♢

食堂に入ると、既に兄は席についていた。

「ミア、早かったね」


「ええ、メイドの方々がとても優秀でしたから。お兄様、メイドの誰も見覚えがないのですが…しかも、お礼を言ったら驚かれてしまったのですが…」

「新しく雇ったメイドだから、ミアが知らなくて当たり前だよ。前の主人から酷い扱いを受けていたみたいだから、ミアの対応に驚いたんじゃないかな」


どうやってこの短時間で、あんな優秀なメイドの娘達を引き抜いてきたのだろう。

じとりとした視線を向けても、兄はにこにこしているだけ。


ポーカーフェイスが上手い兄が、私に何かを読みとらせてくれるわけもなかった。


「あと、元々の私のメイドを誰も見ていないのですけど…」

「ああ、皆、気分が悪いと言ってたから、今日のところは帰らせたよ」


寝起きにみた王子様のような笑顔と違い、今は黒いものが混じっているような気がする。

これ以上は何も何も聞くべきじゃないような気がして、私は黙って料理に手をつけた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ