18話(裏話)いつの時代も友達は必要です
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昼休みの時間は、私にとって、地獄の時間の始まりだ。
時は入学式の日まで遡る…
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馬車が学園の前で止まった。いよいよね…
「やっぱり緊張する。しかも、学園に行く直前に、新入生代表をしないといけないって言われるなんて…」
ゲームではミアが務めていたとはいえ、ここは現実。それはもうとっくに回避したと思っていた。
馬車から降り、1歩目を踏み出した、その時だった。
「あれは、トスルーズ公爵家のミア様じゃないか?」
誰かがそう言ったのをきっかけに皆がバッとこちらを向く。
ええ、忘れてました。私は筆頭公爵家の長女で、未来の王太子妃であることを。
ええ、忘れてました。私に覚えてもらいたい、と思う子息子女はこの学園には多いのだということを。
この学園では、身分は関係なく自由に、を謳っている。
そのため、身分が低い者が高い者に話しかけたとしても、原則、不敬罪になることはない。
お陰で私は、入学式が始まるギリギリまで、色々な人に囲まれ、自分をアピールされ続けたのだった…
♢♢♢
事前に渡されていたクラスメイト名簿を見て、仲良くなっておきたい、と思った人物が何人かいる。
1人目は、辺境伯の御令嬢、ディアナ。
彼女は私以外で唯一の上級貴族出身だ。彼女は、弓が強いことで有名で、誰にでも分け隔てなく接する事ができる度量の持ち主だ。現在、我が家ではない公爵家の嫡男が婚約者であるため、仲良くしておいて損はない筈だ。
2人目は、男爵家の御令嬢、フェリシア。
子爵家の御令嬢も何人かいるけど、彼女の家は、商業を営んでいることが有名で、沢山のパイプを持っているだろう。彼女自体も何度か事業に携わった経験があるらしく、今後のために仲良くなっておきたい。
3人目は、平民のアイリーン。
特待生でこの学園に入学しており、国語では、学園創設以来初めて満点を叩き出した人物でもある。今後、この国の文官を目指す予定と聞いたので、神童と言われる彼女と、今のうちに接点を持っておくべきだろう。
そう思い、昼休みの間、3人に話しかけにいった。
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すぐに仲良くなれるとは思ってなかったけど、3人と仲良くなるのは、めちゃくちゃ苦労した。
ディアナは、少々ガサツな性格だったため、私が何度かフォローしているうちに仲良くなれた。上級貴族ということもあり、ディアナが1番、仲良くなるのが早かった。
フェリシアは、恐れ多いです!!って逃げられてばかりだったけど、毎日根気よく話しかけ続けると、仲良くなってくれた。
1番友達になるのに時間がかかったのは、アイリーンだ。
最初はめっちゃ煙たがられた。「これはこれは、公爵家の御令嬢サマ。平民の私に、一体何の用で?」と嫌味ばかり言われた。
でも、毎日、学校の図書室で、勉強している彼女の隣で、一緒に勉強し続けたら、そのうち仲良くなった。
入学してから1カ月、私達はいつも4人で一緒に過ごすようになっていた。




