破壊し紡ぐ異世界物語
それはたったひとつの出逢いから始まった。
オレは写真を撮るのが趣味な事もあり、いつもながら撮影スポットを探しながら街ゆく人や景色をカメラに収めていた。撮った写真を確認する為にカメラの小さい画面に眼を落とす。15分位経ったであろう。眼が疲れてきたので、気分転換にふと、遠くの建物に目をやると風変わりな格好をした女性が背中をピンッとして立っている
「キレイだな、1枚撮らせてくれないかな」
面識の無い人間に被写体になってもらえないか、と言われると困ると思うが女性のあまりの綺麗さについ声をかけてしまう
「おい、チョットいいか?」
「はい、アナタを待ってましたもの。」
「…え、オレを?」
「はい、貴方に私のいる世界を破壊もらえおうと思って」
「その…世界を破壊ってなんだよ、そンなモンは神にでも頼んだらどうだ」
「その私が神なのですよ。フフ、名を申してませんでしたね、名はラヴァクト、女神ラヴァクト。貴方はこの私に選ばれました」
女神からそう告げられるとオレはコンクリートジャングルや油を燃やして走る鉄塊の世界から何もない暗黒の空間に立たされていた。足元には魔法陣に似た何かがある
恐らくここからその女神ラヴァクトが言っていた世界に飛ばされるのであろう、と
「この足元の奴から女神様が言ってた破壊ほしいって世界に飛ばされンのか」
「察しが良くて助かります。選ばれたからには貴方にコレを受け取ってもらいたいのです。……任せましたよ」
そう言うとバックルとネックレスをオレに託した
「これはマスクドチェンジ、貴方の武器となり防具になります。使い方は「マスクドチェンジ」と念じるだけで使用許可が下ります…」
その言葉を最後にオレは右も左も分からない世界に堕とされた。