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蛙殺し

        1

 大理石の床で埋まった部屋に通される。

 アリーサザナ家の奥方は、クリステルと名乗った。

 足下まで隠れる長衣をまとい、頭には薄手の絹で織られた外套を被っている。り、しとやかな人妻であると示している。

「先生のお年は、いくつ? 大神殿では、どんな仕事をされているの?」

 椅子に掛けたまま、優雅な口調で訊いてきた。

「十三歳、学生です」

 ナスティは、大神殿内部では仕事がない。無職、と正直に伝えては、印象を悪くする懸念けねんがあった。外部的には、学生で通じると思った。

 不思議な感覚である。

 密室の大神殿では、全員が、知っている顔である。自己紹介をする機会は、ない。

 王女だった頃に自己紹介をした経験はあるが、王女だった頃の記憶は、薄らいでいる。そもそも、自分は大神殿で生まれ育ったような気分でいる。

「十三歳なの? こんなに若くて、何を教えるの? 最近は物価ばかり上がって……。家庭教師ってどこもこんなに高いのかしら?」

 クリステルが、笑顔で、皮肉を並べている。嘆くかのように声を出した。

(あの奴隷商人、いや派遣業者ドロームめ。ピンハネをしている! 高い値段をアリーサザナ家にふっかけて、大神殿には安く支払うつもりなんだね……)

 ナスティは、腹が立ってきた。

 クリステルに、娘のリゼルを紹介された。

「よろしく、リゼルさん」

 ナスティは腰をかがめて、挨拶をした。

「お姉さん先生、よろしくお願いします」

 リゼルは口調が元気で、表情が明るかった。

(別に変な子じゃない。素直そう)

 ナスティは内心、安堵した。

 ドロームの説明から、ベルザみたいな不良を想定していたのである。

(これなら、簡単に仕事ができそう)

 リゼルが、直属の客となる。派遣業務では、派遣先との関係が大事なのである。

 リゼルを椅子に座らせ、算術の教科書を見せる。

 リゼルは紙面を一瞥いちべつして、すぐにナスティの顔を見た。

「お姉さん先生、どうして空は青いの?」

 リゼルは、あっけらかんとした声を出した。

 簡単な加算のぺーじを前にして、予想外の質問である。

 ナスティは、一瞬、時間が止まった。

 情報を処理できないでいる。

 クリステルを見た。クリステルは笑顔で、鼻歌を歌っている。

 ナスティは咳払いをした。

「まず、この簡単な足し算からやってみましょうね」

「興味ない!」

 リゼルが、紙面に手を叩きつけた。笑顔だが、怒りを感じる。

「それよりも、どうして水は溜まるの?」

 杯に入った水を見た。

「どうして、あたしたちは生きているの?」

 質問攻めに、ナスティが黙った。

(知らねえよ)

とは、答えられない。

 なぜなら、リゼルは、ナスティにとっての雇い主だからだ。なによりも、教師役として、知らないとは伝えられなかった。

「ねえ、どうして?」

 質問攻めが来る。

 ナスティが黙っていても、次から次へと質問をしてくる。

(こんな子、初めて)

 卒業試験の勉強を、先輩の巫女に教えていた時期がある。

 年上なのに、本当に出来の悪い巫女もいた。

 一桁の足し算すらままならないのである。

 それでも、問題に向き合い、成績を少しでも上げていった。

 悪態をつく者もいた。悪態をつく者は、すぐに来なくなる。

 リゼルが悪態をついているわけではないが、ナスティが悪態をついてアリーサザナ家から出て行くわけには行かない。

「お茶にしましょう」

 クリステルが、奴隷たちを呼んだ。

 皿に砂糖をまぶされたクッキーが盛られている。

「美味しい……」

 ナスティは涙で視界が緩んだ。大神殿では味わえない、糖質がナスティの頭頂部からつま先まで優しい波のように走り通った

「ねえ、先生」

 クリステルが、ナスティに向き直った。

「うちには池があるの、気づいたかしら? 池には蛙が住み着いていて、夜になると、うるさいの。何匹か処理していただけないかしら?」

 蛙を殺せ、と指示してきたのである。

「え? でも、お嬢様にお勉強を教えなきゃ」

「うちの子、夜になると、眠れないの。それだったら、勉強に集中できなくなるから」

 意味が分からない理由で、棒とバケツを渡される。

        2

 訳も分からず、庭を歩き、池を見つけた。

 一匹の蛙が、葉っぱの上で、喉を鳴らしている。

 視線に気づき、ナスティを見た。

「この子を殺すの……?」

 ナスティは躊躇った。

 だが、やらねば、家庭教師の仕事ができない。

「ごめんなさい!」

 目を閉じて、棒を振り回す。棒は空を切り、ナスティが目を開くと、葉っぱの上には影がなく、水面に波を立てて飛び込んだ、蛙の尻が見えた。

「あれ、逃げられちゃった」

 他にも蛙がいる。

 石の上に、蛙が休憩している。

 ナスティは恐る恐る近づいた。

 掛け声とともに、蛙に棒を振り回す。

 だが、蛙は跳んで、棒を飛び越し、ナスティの鼻にしがみついた。

 ナスティの顔に、蛙の両手が食い込む。

 意外と力が強い。

「わーわー! オータニサーン!」

 大恐慌である。

 ナスティが大騒ぎしていると、蛙は放れていった。

(棒で殴り殺すとか、そんな残酷な行為はできないよ……)

 ナスティはその場でへたり込み、肩で息をしていた。

「ねえ、どうして蛙は鳴くの?」

 隣から、リゼルが話しかけてきた。

 ナスティはリゼルを無視した。今は蛙に向き合う時間なのである。

「蛙さん、素敵」

 ナスティは、背中に棒を隠し、蛙に近づいた。

「オータニサン!」

 目をつぶって、棒を叩きつけた。

 柔らかい手応えがあった。目を開くと、蛙は、上空に吹き飛ばされていた。

 蛙の死骸を、バケツで受け止める。

「ごめんなさい、ごめんなさい! ボクだって、戦いたくないんだ! オータニサーン! ……オータニサーン!」

 意味不明の言い訳を振りまきながら、蛙に棒を振り下ろした。

 ナスティは、その場で崩れ落ちた。

 バケツの中身を見ると、二匹ほど蛙の死体が見える。

「これじゃあ、家庭教師がすぐ辞めるに決まっているはずだぁ」

 ナスティは、全身から、疲れが出てきた。

 家庭教師をしに来たのに、知識の継承といった高尚な目的のために来たのに、実際の業務形態は、蛙の撲殺である。

 無実の罪で殺された蛙を思うと、気の毒になってきた。

 疲労感の正体は、罪悪感だった。

(家庭教師とはいえ、派遣社員、いや、借りてきた奴隷だからね、与えられる仕事も、この程度なんだよね。子どもで値段も安いから、より甘く見られている……)

 ナスティは、自分が何をしに来たのか分からなくなってきた。

「お姉さん先生、ねえねえ」

 リゼルがまとわりついてくる。

 ナスティは返答できなかった。相手にする体力がないのだ。

「お姉さん先生、お姉さん先生ってば……」

 リゼルの声が、遠ざかるようだ。

 慣れない業務で、しかも久しぶりの肉体労働である。ナスティは、意識を失い掛けた。

 クリステルが顔をのぞき込んできた。

「先生、お昼ご飯を一緒にいかが……?」

「え、本当ですか?」

 ナスティは脊髄反射的に起き上がった。食事が出るとなると、話が違う。

 奴隷たちが草の上に敷物を敷き、籠からパンを取り出した。

 小麦粉の焼けた匂いに、ナスティの腹が鳴った。

 先ほどまで蛙を殺した手で、パンを頂戴する。

 パンを噛むと、柔らかい。

(むふっふわあ。パンって、こんなに美味しかったんだ……)

 噛んだ後に、パン独特の甘みが広がった。

 ナスティは、シグレナスの本気に、驚いた。

 子どもの頃、伝え聞いた話では、シグレナスのパンは最高に美味い、と聞いていた。

 シグレナスに連れてこられてから、パンを食べる経験が大幅に増えた。だが、大神殿で出てくるパンは、どれも堅く味気なくて、ナスティの口に合わなかった。

(なんちうもん食わせてくれたんや……。ここのパンと比べたら、大神殿のパンなんて、堅すぎて、ただの“凶器ウェポン”や)

 ナスティの頬に涙が伝う。

 女の奴隷が、湯気の出た杯を差し出した。

 赤い色のついたお茶である。

「良い匂い……」

 ナスティは、香りを楽しんだ。

 お茶が、ナスティの喉を通る。

 苦かった。だが、後味がすっきりとしている。また飲みたくなる。苦みと爽やかさが交互に、だが、結局は、爽快さが勝った。

(お茶なんて、生まれて初めて飲んだよ……。シグレナスでも、ヴェルザンディでも、お金持ちしか飲めないのに)

 小鳥のさえずりが聞こえる。木々がざわめき、巨大な公園のような庭に、日差しが優しく差し込んでくる。まるで楽園に来たようだ。神に近い位置にあるはずの大神殿よりも、楽園感が強い。

 ナスティは、紅茶の残りを飲み干した瞬間、稲妻に撃たれたかのように閃いた。

(待って……! ボクの実家って、アジュリー家って、めちゃくちゃ貧乏だったのでは?)

 アリーサザナの奥様、クリステルは、一国の女王であるかのような振る舞いだ。

 指先を見ると、爪の先まで手入れをされていた。

 リゼルも、泥一つ汚れていない、上等な絹を着ている。

 ナスティの母親は厳しかったが、常に働いていた。奴隷たちと一緒に仕事をしていた。ナスティも、花嫁修業と称して、料理や掃除を手伝っていた。毎日、着ている同じ服は、よれていた。

 アリーサザナ家の奴隷たちも、クリステルやリゼルのお下がりとはいえ、ふかふかの美味しいパンを分け合って食べている。

 アジュリー家では、女王も王女も奴隷たちも、皆でふかした芋を分け合って食べていた。ときどき、米が手に入れば、水で薄めて食べた。

 アリーサザナ家の奴隷たちの服は、それぞれ各人に与えられていた。クリステルやリゼルのお下がりになった服など、一切、着ていない。

 アジュリー家では、お下がりどころか、主従問わず、破れた服をつぎはぎにして、身につけていた。

 アリーサザナ家の奴隷が、王家のナスティたちよりも良い服を着て、より良い食事もしているのだ。

 ナスティは、食事を済ませ、蛙殺しの仕事を再開した。

 ナスティは、怒りで両肩が盛り上がっていた。

「ムッギャー!」

 ナスティは怒った。その怒りを蛙に棒にぶつけた。

 自分は王家の人間だったのに、実際は、シグレナスの奴隷たちよりも生活水準を下回っていたのだ。

 大神殿の中でも、王家としての自負があった。自分は他の誰とも違う、そんな自尊心があった。

 ナスティは、棒で蛙を叩き潰していった。自分の潰された自尊心を取り返すかのように。

 割と殺せる。

 数匹を殺していくうちに、コツをつかんだ。

(戦闘系のスキルが上がった気がする……!)

 死骸で山盛りとなったバケツを前に、ナスティは清々(すがすが)しい確信を得たのであった。

        3

 次の日になった。

「痛い……」

 ナスティは、目覚めた。寝台から出られない。起き上がる。

 全身が筋肉痛である。

 肩と腕を回した。

 ナスティの気は重たかった。

 目を閉じると、蛙の死骸、リゼルの質問攻め、クリステルの業務外業務……が、頭に横切った。

「行きたくね! オラ行きたくねえだ!」

 ナスティは、寝台の上で毛布にくるまり、暴れ回った。

(蛙殺しなんて、家庭教師の仕事じゃないよ)

 だが、ナスティには初の職場であり、唯一の会話相手である。

 この人たちを逃しては、また自分の居場所がなくなる。仕事がないときや、無視されていたときと比べると、遙かに状況は改善されている。

「大神殿で、一人ぼっちで寂しく過ごすよりかはマシかぁ……」

 ナスティはふらつく足取りで、アリーサザナ家に向かった。

 クリステルから、棒を渡される。無言で、しかも笑顔である。

 娘リゼルの個人授業よりも、蛙殺しが優先なのだ。

 指導力を武力に置き換え、知性を殺意で上塗りして、ナスティは、殺戮機械キラーマシーンのように、庭にある池や水たまりを巡回した。

 憂鬱な職場だが、来れば、やればやるほど、やる気が湧いてくる。

「アットホームで、やる気の出る職場です」

 ナスティは自分を説得し、池の蛙たちを殺していく。

 意外と性に合っている、とナスティは自分を説得、いや騙した。

 昼食に呼ばれる。

(業務内容はめちゃくちゃだけど、めしは美味い。飯は)

 砕いた豆を成形したものにチーズを挟み込み、トマトと切り刻んだ生タマネギのソースをかかけた料理が最高だった。

 チーズ、豆、タマネギ、大神殿と同じ具材をつかった料理なのに、素材の味も、料理人の腕前も水準レベルが違う。

 大神殿の薄味よりも、王族貴族が好む派手な味付けに、ナスティは皿の裏まで舐めたくなった。

 食事が終われば、また殺戮の時間が始まる。

 蛮族の英雄にでもなったようだ。

 肌の黒い奴隷たちは、誰もが逞しい身体つきであった。花壇に、繊細な手つきで、花の手入れをしている。

(お花仕事って、楽しそう。ボクもやってみたいな。羨ましいな……)

 向こう側で、奴隷たちが、花の葉っぱや茎をバケツに入れている。一生懸命だが、幸せそうだ。

 ナスティも、なるべく幸せな表情を作って、蛙の死骸をバケツに詰め込んでいった。汚いとか怖いとか、躊躇う感情など消え失せていた。

 死体処理のコツは、個人的感情を殺して、ただ片付けるのみだ。 

「ボクが、この家の奴隷に生まれれば、お花の御世話係になれたのに。そうしたら、あの人たちは、今頃、蛙殺しの仕事をしていたのかなぁ?」

 あの屈強な肉体を持った奴隷たちを、羨ましく思った。あれほどの体格であれば、簡単に蛙を殺せる。

「ねえねえ、オータニサーンって何? お姉さんが絶叫している言葉だけど」

 ナスティの逡巡を打ち破るかのように、リゼルお嬢さんが腕にしがみついてくる。

 ナスティもよく知らない。

 ジョニーがよく唱えていた呪文、いや、掛け声である。

 古代神聖文字でも出てこない言葉である。

「オー・タニス・アーンかなあ」

 ナスティは、青空を眺めて答えた。

 流れる雲の隙間から、煌めきを感じた。

「タニスって、誰?」

 リゼルが目を輝かせて訊いてきた。

「タニスという男の子が、シグレナス神話に出てきたの。アーンがなんなのかは分からないけど……」

「神話に出てくるって……! じゃあ、タニスって神様なの?」

 リゼルが身を乗り出してくる。質問攻めしかしてこない。本来であれば、質問に答える立場は、生徒のリゼルである。

「神様ではなくて、普通の男の子。ただ、鹿に変身できるから、普通の子じゃないけどね。ある日、森の中で、漁師が矢を放ったら、牝鹿めじかに当たった」

「その牝鹿がタニスなの?」

「ちがう。タニスは、狩人から牝鹿をかくまって、家で怪我を治してあげるの。牝鹿は、美しい少女に変わった」

 ナスティの物語に、リゼルは無言で聞き入っている。

「すごい、その少女は誰?」

「……セレスティアだよ」

「セレスティア、知っている。シグレナスで一番偉い女神様」

「セレスティアが、人間の世界に降りたとき、一番賢い生き物を鹿と勘違いしたの。でも、タニスを見て、自分によく似た生き物……人間がいるって、知ったの。でも、自分が女で、男と初めて会った」

「男を知らなかったのね」

「その表現は誤解を受ける、と思う。……二人は恋に落ちて、セレスティアの魔法でタニスは鹿になった。二人は、鹿になって、森の中を駆け巡ったの」

「そうだったんだ、素敵な話!」

 リゼルが足をばたつかせて、はしゃいだ。

 初めてリゼルと、まっとうな会話をした気がする。

 ナスティは嬉しく感じた。

(算術の問題を解いてもらうよりも、神話を教えて、勉強に興味をもってもらおうかな?)

 リゼルの興味本位を引き出す、指導方針が垣間見えた気がする。

「ねえ、シグレナスって、バリバリの男社会なのに、どうして至高神が女なの?」

「むぐぐう」

 リゼルの難問に、ナスティは答えられず、顔を歪めた。

 気にはなっていたが、分からない。

(うえーん、作者ですら分からない質問をしてくるよぉ)

 自分の不勉強がここに来るとは。

 リゼルが、ナスティの真似をして、棒を振り回す仕草をし始めた。

「オー、タニス、アーン! オータニサーン! オータニサーン! タニスとセレスティアは恋人……!」

 リゼルの後ろ姿を見て、ナスティは疑問が出てきた。

「あれれ、でもなんでヴェルザンディに生まれて育ったジョニーがタニスを知っているんだろう? しかも、大神殿の人間すらシグレナス神話をよく知らないのに……。いや、ジョニーの師匠ティーンが“すべてを知る者(オムニシェント)”だから、知っているんだと思う。いやいや、そもそも、オータニサーンとタニスは、まったくの無関係だったりして?」

 間違いを教えた可能性がある。

 だが、今さら間違いを訂正するわけにもいかない。

 アリーサザナ家で、蛙殺しを始めてから、一ヶ月近くが経った。

 フィディから呼び出しを受けていた。

「アリーサザナ家の件だが、値段の割には、成績が全然上がっていない、という報告を受けたぞ?」

「それが、まったく勉強の時間が確保できないからです」

 ナスティは目を伏せた。

「……普段、何をしている?」

 蛙を根絶やしにしたおかげで、蛙殺しの業務はほぼ終わった。草むしり、奥様の肩もみと、業務内容が拡大している。

 ナスティが業務内容を正確に伝える。

「まったく教えていないのだな? 蛙殺しがなんなのか意味が分からんが」

 フィディの表情が曇った。

「……そうなります」

 だが、ナスティは、毎日が充実していると感じていた。風呂で湯を浴びる瞬間、毎日の食事が美味しい。少しだけ身体が引き締まった気がする。

 どれも活発な肉体労働から来た恩恵なのだ。

「……契約解除の話が出てきているぞ?」

「そこまで話が深刻なんですか?」

 ナスティにとっては一大事である。

「なんとか、お嬢様の成績を上げろ。そうしなければ、他の家庭教師に、仕事を取られるぞ? 大神殿以外にも、家庭教師はいる、とドロームが啖呵を切ってきた」

 ナスティは、愕然とした。

 美味いメシが食えなくなる……!

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