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第13話 初キャンプ料理

短いです。


※誤字を訂正しました。

 翌朝、お世話になったダニオ一家に別れを告げる。

玄関先でベルナとダリアに抱きしめられた。ベルナにはウチの子になれば良いのにと泣かれた。


「名残り惜しいですな。本当にお送りしなくても良いので?」


 ありがたい申し出だが静かに首をふる。まだダリアは本調子ではないはずだ。

 本当にダニオ一家にはお世話になった。ダニオもすぐに商売にもどれそうで準備をはじめていることをジンは知っていた。

 エッツィオもゴブリン集落掃討依頼が出ており、それに志願したらしい。冒険者として再出発をきった。

 ジンも旅立たねばならない。助けを待っている人がいる、かもしれないから。




 ルーメの町の西門をくぐると、バックパックからバスタオルを取り出しかぶる。これで銀河の果てでもヒッチハイクが可能だ。ガイド本に載ってた。

 コルテアまでは石畳の街道が整備されている。これに沿って行けばたどり着けるらしい。


 太陽が中天に差し掛かる頃、昼食の準備をはじめる。石でかまどを組み、落ちていた枝から水分を抜くとサバイバルキットのライターで火をつける……火をつける……火を……つかないので近くの樹木から油分を少しだけ取り出すと強制着火である。

 ほどなくして煙の量が落ち着くと鍋をかける。スプーンをクラフターで作ってかき混ぜる。

 具は塩タラと干し肉である。一度沸騰させると堅パンを大きく砕いて投入。堅パンがほどよくふやけたところで一匙掬って口に運ぶ。


「うん、不味い」


 干し肉も塩タラもそれなりに食べられた、両方から出汁もそれなりに出ていたが、ただの塩汁の評価しか出せない。

 水の量などを適当にやり過ぎたのが敗因だが、ジンは敗因は野菜不足、せめてタマネギぐらい欲しいところだ、などと考えていた。

 もったいないので我慢して流しこむ。鍋とスプーンは汚れを分離し収納。クラフター先生は今日も偉大だ。

 干しリンゴで後味をごまかしながら旅を再開。ヒッチハイクを狙うも馬車は一台も通らない。


 幼児の足をなめていた。日が傾くも街の影形すら見えない。今日は野宿と洒落こむことにする。

 晩ごはんは昼と同じメニューに干しリンゴを入れてみる。奮闘むなしくドロドロのなにかを錬成する。

 我慢して流し込み、片付けをしてその場にごろりと横になる。

 冷暖房完備のスーツは快適であり、シールドに守られていれば安全対策もバッチリである。それに何か近づけばイルが教えてくれる。

 バックパックを全面に抱え直すとバスタオルを折りたたんで枕代わりにする。

 ヘルメット越しに見る星空は吸い込まれそうに美しかった。



 翌朝、目が覚めると水で顔を洗う。体表面の汚れは分離できるがサッパリ感がない。そろそろお風呂が恋しいところだ。

 今日は小走りで街道を駆け抜ける。今日中には街に着きたい。それと自分自身の肉体のスペックも試しておきたかった。ゴブリンと戦った折、完全な奇襲であったとは言え、幼児とは思えない動きができた。肉体のスペックもかなり高いように感じる。


 一時間ほどでバテた。幼児は電池が切れるまで走り続けられると思っていたジンだが、さすがにそれはなかったようだ。しかし、一時間も走り続けられたのはジン的には驚異の肉体性能である。生前の肉体なら五分が限界であっただろう。想像以上の成果である。

 異常なほどの記憶能力と三歳児とは思えぬ身体能力。もう少し検証が必要な気がしていた。


 とりあえず休憩しようと、バックパックを背に街道脇に寝転がる。さながらひっくり返った亀のようである。そこへ一台の馬車が止まった。残念ながら逆方向行きの馬車のようだ。


「大丈夫かい?」


 子どもが行き倒れているように見えたのだろう。御者のおじさんが声をかけてきた。


「だいじょぶー はしった つかれたぁ」


「おや、妖精さんかな。それなら大丈夫か。余り無理はしなさんなよ」


「こるてあ あるますか きょり」


「いやぁ、すぐそこさ。歩いてもすぐに着けるさ」


 立ち上がると礼を言って歩き出す。あと少しらしい。疲れた体に鞭打って先を急ぐ。

馬車と別れて一〇分ほどすると街が見えてきた。


 コルテアはルーメと違い、五メートルほどの高い壁に囲まれた大きな街だった。領都と言われるだけあってここ一体を治める貴族が住んでいるらしい。

 そう言えばまだ国の名前も知らない。この街では情報収集ができたらいいなと思いながら門に近づく。


「う……」


 入門税が小銀貨二枚、二〇〇スーである。いま、手元にあるのは金貨五枚、小銀貨一枚、大銅貨一枚、小銅貨五枚である。小銀貨より大きな金は金貨しかないが金貨がいくらの価値か知らない。

 ルーメの町ではダニオが出してくれたのでいくらか知らなかったが意外に高い。ダニオに感謝である。


 恐る恐る金貨を一枚取り出す。お釣りなんてないよと言われたらどうしようと考えていた。


「細かいのないの? 仕方ないな……」


 衛兵は一度、事務所のような所に引っ込むとお釣りを持って帰ってきた。

 お釣りは大銀貨三枚、中銀貨一枚、小銀貨三枚であった。大銀貨と金貨が何スーなのか気になったが後がつかえているので聞くことができず、そそくさと門をくぐった。空気を読むのは日本人のサガか……。



 街の中は大都会であった。三~四階建ての建物がひしめき、通りは人でごった返している。

 日本生まれのジンにとってみればそんなに高い建物ではないはずだが、通りが狭いのだ。そこに人混みが合わさると繁華街の裏通りを思わせる圧迫感がある。建物と建物の間にはロープが張られ、洗濯物がはためいている。その洗濯物の隙間から青空がのぞいていた。



 ジンはこの世界に来て初めて空が狭いと感じた。




 実際に作ってみました。塩タラ無かったので塩鮭でしたが(;´・ω・)

本当にまずいですねw結局その後ニンジン、タマネギ、コンソメ入れて味を調えました。

 コンソメは偉大だと実感しましたw

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