プリンdeトラブル
寝たいのに寝れない今日この頃。どうも若苗きぃです。
いやぁ、ひな祭りどうでしたか?うちは特に何もするこのなく終わりました(笑)
スイッチ?知らない子ですね。さて、今回はどこまで進めようか楽しみながら書いていきます!
それでは第二話、どうぞお楽しみください!
(うわぁ…大きい…)
「ちょっとさぁ、ちゃんと聞いてるのかな…」
蕨と名乗る警察官に夜のひと時を邪魔された少年、茶ノ木香駿は彼女の胸元に目をやりながらこまごまとした説明を適当に聞き流していた。
(こんなに大きくて奇麗な人がよくこんな時間に外に出歩くよなぁ…おまけに可愛いし…)
「ねぇってば!」
「え、あっ、あいっ!」
ぼーっとしていた香駿はみっとない返事をしたことを恥ずかしがりながらもしっかりとした口調で言った。
「あの、お姉さん…すみません、日本語でお願いしますっ!」
「私は最初から日本語で喋っています!…あれ、でもお姉さんって…あ、悪くないかもお姉さんって呼ばれるの…」
少しずつ声が小さくなっていく警官を横目に香駿はプリンを頬張る。
「これ、おいしいなぁ…いつも食べてるのは子供向けな味でどこにでもあるようなプリンに感じちゃうけどこのプリンは甘味に品があって弾力もちょうどいい…おまけにこの大きさだし…今度からこれを食べるようにしようかな…」
1人でプリンの感想を淡々と並べていく姿は誰が見ようと少し可哀そうに見える。そんな中、我を取り戻した蕨は補導の続きではなく、プリンに目が行ってしまった。
「そのプリン!ちょっと高いやつじゃないの⁉どんな感じ?よかったら一口…はむっ」
「え…ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ⁉」
香駿は叫んだ。それもそのはず。自分が食べようとスプーンに乗せたプリンを出会って三十分も経ってない女性が横取りしてきたのだ。それも絵面はそのまんま、あーんだ。
「んん!甘くておいしい!カラメルにはちょっとだけ苦みもあるし、甘さもちょうどいい!まさに私好みのプリンというやつだわ!」
そんなに叫ばなくてもとツッコみたくなるほど大声で本当においしかったという余韻に浸ってる蕨に香駿は心拍数が上がった心臓のあたりを抑えながら言った。
「あの、プリンを、食べるのは、いいん、ですけど!スプーン、に口、付けちゃって、るし、恥ずかしいんですけど!」
香駿もさすがに異性に対して、羞恥を思う歳にはとっくになっているため女性との間接キスなどもってのほかだ。
「あ、ああああ、ついやっちゃったよ!ごめんなさい!私甘いものに目がなくて、そのプリンを買いに行こうと思ってた時にあなたを見つけて、警察としての立場もあるからとか考えてて、結局、そのえっと、ごめんなさい!」
「い、いえいえいえいえ、気にしないで下さいよ!ぼ、ぼぼぼ僕はだ、大丈夫なので!むしろいい体験ができたというか、いや、下心とかはないんですよ!でも、ほほほ、ほらお姉さん奇麗だし!」
「き、奇麗⁉そ、そそそそんなことないわよ!私が奇麗だったら世界が滅ぶというかなんというか!」
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お互い噛みながらもなんとか会話が終了し、やっとのことでそれなりの落ち着きを取り戻したころに蕨が口を開く。
「あ、補導…職務質問の途中だった…ごめんね!迷惑かけてばかりだけど、もう少しだけ付き合ってね。」
「はい。わかりました。お気になさらず。」
香駿はまだ少し鼓動のテンポが早かったが落ち着かせながら答えた。この職務質問に裏があると知らずに。
いやぁ…難しいものですね…焦っている表現って…おっと、甘党男子と女性警官、第二話を読んでいただきありがとうございました。ストーリーはどんどん頭に浮かぶんですけど表現というかなんというか…一番そこに悩まされました(笑)
ところで、作中で初めて主人公の名前を出しました。本当は職務質問の時に初めて出すようにしたかったのですが…主人公の名前は【茶ノ木香駿】というのですが、目に見てわかる通りお茶がモチーフになっています。茶ノ木は基本的なお茶の原料で[チャノキ]と書くのですが、なんせ私がカッコつけマンですので(笑)それで、香駿なんですが元は静岡県の茶園があるお茶です。こちらに関しては響きがよかったのでそのまま採用しちゃいました!安直な私ですがこれからもよろしくお願いします!では第三話でお会いしましょう!