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雪の繋がり  作者: 神命紫月
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後編

次の日、彼女は塔から出てきた。

多くの妖精を連れて……。

彼女は国王やチェリィたちに謝った。

彼らはスノゥの気持ち、誰かを守りたかったことを知ったことで彼女のことを許したが、あとで、国王やチェリィ、サニィ、フルゥはスノゥを叱った。

特に、サニィは怖かった。

元々が根暗だから、ボソボソという声が恐ろしい。

大袈裟だが、首がボトリと落ちてしまうような怖さだった。

また、共にいてくれたユキにも悲しい想いをさせてごめんなさいという意を込めて謝る。

ユキはその時、彼女の笑顔が再び見ることができて良かったとホッとし、安心したようだ。

そして、バカなことを考えていたとも思った。

スノゥ様に会えたことをことを後悔した自分を恥ずかしい。

会ったことを後悔することは、スノゥ様との出会いを否定することになりかねないから。

ユキは彼女のことを自分の力で笑顔にできなかったことを改めて悔しく思った。

だが、スノゥ様の笑顔が戻ったことで次に進むことを選んだ彼女に、ユキは冬の妖精としての役目は心を照らすことになった。

元々はスノゥ様に実際近づくことはできなかった身。

もう、暖かな温もりが感じることができないことを寂しく思うが、次の冬に、自身の気持ちを引き継いでくれる冬の妖精が生まれるだろうと心中を整理をする。

しかし、ユキは……。




冬の女王様のスノゥが塔を出た。

その後には、春の女王様のチェリィが入った。

次の冬の時期に塔に来ることも許された。

厳重注意を受けたが、理由を知った国王様は最後に私を安心させるように笑ってくれた。


人の優しさに触れ、自分の大切な誰か悲しませるようなことを故意的にはしてはならないと思った。

守るためには人の力を借りることも大事で、理由を告げて誰かに助けを求めることも大切だと知った。

今はもう、孤独だと思っていた冬の女王様、スノゥは存在していない。

冬の妖精たちの暖かさを知り、意図を理解したから。

それに、何と言ってもユキが傍に居てくれるから。

1人じゃないと気づいた時から孤独なんてことはなくなったの。



ユキについては、冬の妖精たちに力をもらったことで他の季節になっても消えることがなくなった。

体温調節ができる力の強い妖精になったからだ。

冬の妖精たちがユキに託した願いは、私の傍に居て、幸せにしてあげることだった。

なんとも、嬉しいプレゼントだろう。

孤独な女王だと思っていた私はこんなにも愛されていたのだから。



現在は、ユキに幸せをもらい、私がユキに幸せをあげながら、幸せを噛み締めています。

季節の女王たちは私とユキの幸せなところを見て羨ましがっている表情は過去の私と逆の状態でほんのりと笑いが込み上げました。

チェリィ、サニィ、フルゥとも本心をさらけ出せる関係になったと思います。

サニィとは相性が何故か最悪です。

やっぱり、性格なのでしょうか?

そして、各女王の集まりを年に一度設けることとなりました。

私が塔に篭った事件からもうこんなことが起きないようにと、暴露大会のようなものが開かれるようになり、羞恥から国の悪口まで種々雑多な話がされています。

相談事も悩みも、なんでも許される場です。

なんだかんだいって私を含めた各女王たちは楽しんでいます。

とにかく、私はもう1人ぼっちではありません。

たくさんの妖精が見守り、傍にいてくれるのですから。

姿が見えずとも……。



私とユキがどうなっているのかは想像にお任せします。

ですが、強い妖精になったユキは人間の姿をとれるようになり、よく人間の姿になります。

その時のユキは、真っ白な雪のように白い肌とアイスブルーの瞳をもち、体格も筋肉がつき過ぎず、細過ぎずでした。

一度だけ、他の女性に囲まれている姿を見たことがあります。

それはそれは、ユキの人間の容姿が美しく、かっこいいということです。

女の私が負けている気がしますが、ユキは毎日楽しく過ごしていると思われます。

なんだかんだいって、大切なものが増えたこの国に幸があることを祈ります。



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