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入学 それは○○の始まり

 そして無事に高専への入学が決まった僕はいま、あと少しの中学校生活を謳歌している。

 周りは受験勉強!

 俺はもう何もない!


 というのも高専というのは国立の学校だから公立よりも入学試験が1ヶ月半位も早い。たぶん全国で…うちの県だけじゃないと思う…

 そういうわけで僕と、もうひとりの同級生はいち早く合格したおかげで勉強とは遠く離れた毎日!


 正直、ほんとに勉強しなくて大丈夫なんだろうか…という心配もあったが中学生ってやっぱ目先の楽しみに囚われて遊んじゃうわけですよ。

 実はこれでも、夏までは部活ガチ勢だったんですよ!

 ソフトボールを週6で練習して、中国大会まで進出しましたから。

 ソフトボールやってるって言うとたまに言われるのが

「なんでソフトやるん?野球でよくない?」

「殺すぞ」

 もう、何もわかってないやつに余計なこと言われたくないんだよ!


 その部活も夏を迎えて卒部になり、受験勉強からも卒業し、あとは卒業を迎えるのみだったわけ。

 「お前らええなぁ勉強あんませんでええし…」

 「今までしてたんだよ、その分今楽しているだけだよ」


 まあ嘘なんだけどさ。

 

 そんなバカンスのような春休みを過ごした僕は数日後、高専の学校入学説明会に向かった。

 これが高専か…。

 そこに広がっていたのは…

 「まあ普通の高校って感じやな」


 いたって普通の高校だった。

 大学というには狭すぎるし、かと言って高校よりは少しでかいし車で登校している人だっているから高校っていう感じもしない。

 まあそうは言っても学校の全校人数はそこまで多いわけでもない。

 高専を知らない人のために少し説明しておこう。


 高専は国立高専機構によって運営されている。

 学年は1~5年までという普通の高校よりも2年間長い。

 そして学科に普通科はない。

 さらに高専と一口に言っても学校ごとに学科にも特色が有り、建築系に特化した学校、造船系に特化した学校、さらには情報系に特化した学校など地域地域での特色によって学科が変わっている。

 ちなみに僕は情報系の学科なので主にPCや通信、システムなどについて学習している。これは現在進行形です。


 という風に職業教育に特化した学校だからこそ、私は来たのだ!

 そしてここから私の「声優を目指す人生」は始まるのであるさ!


 という私幻想は数分後打ち砕かられた。


 説明会が始まった。

 最初はこの学校の教育理念から始まり、一部の教員紹介。指定制服、教科書の販売日の説明。

 そして…カリキュラム説明。


 「赤点は60点以下で、成績が60点以下で落単なります。一定数の単位を取っていれば進級でき、そうでなければ留年となります」


 は?60点?


 一般的な知識として赤点は30点ぐらいとか聞いてたのに…

 それの倍なんて聞いてないですよ…


 ちなみに今四年なのですがこの前「電子回路」というテストの平均が44点でしたから赤点が50人中35人近くらしいですよ…。ちなみに僕は15点!


 「普通科高校では各先生の判断などで点数を補填することも多いですが、高専ではJABEEによる監査を行っておりますのでそのようなことはできにくいです」


 JABEE!?

 なにその鬼のような集団!?

 

 「これはより優秀なエンジニアを生み出すためであり…なんちゃら」


 もう無理や、わしこの学校卒業できるきせん…。

 だって中学校でも3年の時のテスト70点くらいとったら満足してたのに、高校の勉強コンスタントに60以上取れとか無茶やん。


 私の一番の失敗ですこれは。

 「声優になろう!」という目的をもって保険に入学した学校がまさかの人生一番の大きな壁になろうとは…

 ただ、このくらい越えられないと声優なんて出来るわけないのでしょう!


 「やってみせますよ!私は打ち勝ってみせますよ!」

 むしろ逆境に奮い立つタイプでよかったです。

 ただ根拠のない自信を持つタイプなのはたまに傷ですがね。


 その晩、説明会で配られた「入学前課題」というのに取り組んでみました。

 はい、意味わからん。

 なんやねん配列にデータを入れたらどうたらこうたらって。

 2進数ってなんやんねん、10進数ってなんやねん。

 こういう専門的な勉強って普通入学してからしかしないんじゃないのかよ…中学セだぞこっちは…

 「仕方ない、情報科らしく解決するか…」

 手に入れたばかりにピカピカのスマートフォンで宿題の写真を撮り、ツイッターにUPする俺氏。

 「わかる人おしえてくださ~い!」


 意外にも早くリプは帰ってきた。

 「ヒントあげるから自分で解いてみて!」

 いやいや!ヒントもクソもねぇーんだよ!!!

 そもそも問題が何言ってんのか全く意味わかねぇぇんだよ!!!


 考えてみてください。

 中学生に「ラプラス変換の基本形を使ってラプラス変換せよ」なんて言われたからラプラス変換の基本形を教えてもそもそもラプラス変換ってなんやねん!ってなりますやろ?

 まあ正直なところ4年になっても、ラプラス変換はからっきしなんですけど(この前のテスト20点でしたし)


 こんなんでホントに卒業できるのか?

 というかそもそも高専卒業!が一番の目的じゃないのにそれが目的になりかけてないかこれ…

 つーかホントにこの過程必要だったのか!?

 普通科に行って演劇部で演劇してたほうが近道だったんじゃないか!?

 そんな思考をよそに、入学はもう決定してしまっているのだからどうしようもない。


 ちなみにこの頃から実際に声優になるための作戦がスタートした。

 最初はとりあえず養成所のパンフレットを取り寄せてみる作戦!


 いろんなパンフレットを取り寄せましたよ。

 東京の養成所から、声優専門学校。

 近くの県になる演劇の専門学校だったり、音楽レーベル。


 このころはまだオーディションとかに応募したりはしたことなかったですね。

 といってもまだ今でも一回しか応募したことはないんですけれど…


 こうすることにより、正面向かって言えないけどパンフレットが届いて置いていることにより家族に伝えるという作戦。

 正面向かってそんなこと言えない時点でどうなの?という人もいるけれどそれはやっぱりそれぞれのコンタクト方法だったり、スタンスがあると思うんですよね。

 それで成功した人だっているはずなんですから。

 いなければ自分がなればいい。

 高専卒の声優がほとんどいなければ私がなればいいじゃないか。


 あなたの後ろに道はできる。

 

 誰かが通ったから道がある。


 あなたはだれかの道しるべになれるから。

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