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こんなクソゲー(異世界)は間違っている!  作者: うえぽん
これはリッチですか? はい、ただのドMです
9/80

初めての冒険 (2)


「うん。この辺でいいですね。」


そう言いながらアイリスは荷物をおろす。


オレ達はエレメンタリーの街から歩いて10分の野原にいた。


アイリスいわく、強いモンスターは知性があり街に近づきたがらないらしく、逆に弱いモンスターは強いモンスターから逃れるため、街の近くに住むらしい


「しかし、すげーな。本当にキレイな景色だ」


オレはこの景色に軽く感動していた。今の日本じゃほとんど見られない見渡す限りの野原という景色に。


「そうですか?これくらい普通じゃないですか?」


とアイリスが言ってくる


「いや、オレのいた所だとこんな景色なかなか見られないよ。」


「へぇ、そういえばユウキはどこから来たんですか?」


とアイリスは何気なく聞いてくる


「え、どこから来た?そうだなぁ。オレはこのエレメンタリーの街からずっと遠くの方にある日本ってとこから来たんだ。」


「ニホン?聞いたことのない街ですね。そこでユウキは何をしてたんですか?」


「オレ?オレはだなぁ。そこでは家族の帰る場所を守ってたんだ。日々、自己のレベルアップを怠らず生活リズムをわざと変え不審者などが多発しやすい夜などをわざと起きて朝は寝るという生活をし、なるべく人との接触を避け、そのせいか誰にも評価をされない生活をしていたよ」


「な、なぜでしょう。この明らかに嘘っぽい話なのに全然嘘を話してる様に見えないのは」


「あぁ、懐かしいよ。あの頃はよく『ドラゴンソードマスターのYUKI』と呼ばれオレを知らない人間の方が少なかったんだぜ。」


アイリスがオレに疑いの目を向けてくるが気にしない。だって嘘ついてないもん


そんなこんなで、アイリスと適当な会話をしていると


「あ!いました!。スライムです。ユウキ、行きますよ!」


とアイリス言ってくる


アイリスが見ている方を向くと、何やら遠くの方でうにょうにょうごめいている。


オレはアイリスから貰った短剣を持ちスライムに向かって走っていく。


そして


「うげっ!何だこれ。オレの想像してたスライムと違う!」


それは、半径60㎝ほどの大きさの水たまりで真ん中らへんに人の顔の様なものが写っていた。


てかスライム怖っ!オレはドラ○エみたいな可愛い奴を想像してたのに!


「何してるんですか!このクエストは金儲けとあなたのレベル上げ目的で来てるんですからあなたが戦わないと意味ないんですよ!」


そうだったんだ!オレのレベル上げ目的も一応考えてくれてたんだ。

アイリスって何だかんだ言って優しいんだな


オレはアイリスに少し感動しながら短剣を構える


初めての異世界バトルに少し緊張しているのかオレは短剣を持つ手に力が入る


落ち着け、ゲームの世界ではこんなのやり何倍も強い奴と戦ってきたんだ。オレならいける


オレは覚悟を決め、スライムに切り掛かる


「オラァ!」


予想していたよりも案外簡単に斬れ、スライムが真っ二つになる


「よっしゃ!みたかアイリス!オレにかかればこんなもんよ!」


とオレがアイリスに言うと


「ば、ばか!まだ倒してないですよ!」


アイリスが叫んでくる


いや、でも今真っ二つにしたし

もしかしてコイツ見てなかったのか?


とオレが考えてると


ベチャ


オレの右手に水の様な物が着いてきた。


「な、なんだ!」


よく見るとそれは先ほど倒したスライムだった


「な、何してるんですか!早く引き剥がさないと」


引き剥がさないと?どうなるの?


オレのそんな疑問に答えるかのように青かったスライムが徐々に赤くなる


「ん?コイツ。急に赤く…。ってアッツ!熱い熱い熱い痛だだだだだだ!」


スライムが真っ赤になり、物凄い熱湯になった!


「熱い熱い熱い!アイリス!アイリス様!助けて下さい!!!!」


「だから言ったのに!コレでも食らえ!」


アイリスはリュックから何かの丸い玉を投げたしオレの右腕のスライムに当てる


その丸い玉はオレの右腕のスライム当たると破裂し黄色い煙を出し…。って臭っ!この煙臭いんですけど!


だが、その煙のおかげでスライムはオレの右腕から離れ物凄いスピードでオレ達から逃げていく


「あ、ありがとうアイリス。って痛たたた。うわ!真っ赤だ」


オレの右腕はスライムの熱で火傷し真っ赤になっていた。


「ちょっと見せてください。あぁ、大丈夫ですよこのくらいなら。ヒール!」


アイリスはオレの右腕に両手をかざし呪文を唱えた。


すると右腕が緑色の光に覆われ…。


「おぉ!サンキュ、アイリス!」


火傷が治っていた。


「全く。スライムは体内にあるコアを破壊しない限り死なないって習わなかったんですか?」


とアイリスが言ってくる。


「悪い悪い。次からは気をつけるよ」


そうなんだ。スライムは核を壊さないといけないのか。めんどくさいな


と言うかこの世界のスライム強すぎだろ。

もっと楽だと思ってたわ


「なぁ、今日はもう引き上げない?続きはまた明日にしようぜ」


オレがスライムの強さにビビり撤退宣言を言うと


「私は別にいいですけど、ユウキはお金がないんですよね。今日のご飯や宿はどうするんですか?」


…そうだった


でも俺1人じゃなぁ


「なぁアイリスは何か他に技ないの?別に俺1人で戦うことなくない?」


とオレが言うと


「…残念ですが、私に攻撃魔法を覚えられないんですよ。《ヒーラー》だから」


とアイリスは少し落ち込みながら言う


そ、そうなんだ。


「ま、まぁ無いなら仕方ないじゃない?今度は慎重に行くからさ」


オレはアイリスに向かってそうフォローするとアイリスは


「…すみません。」


と申し訳なさそうに言った




「はぁ…疲れたー。」


オレ達はギルドの中の端にあるテーブルに座っていた。

…何か最近、ここが定位置になりつつあるな。


結局今日の戦果は4時間かけてスライム7体

まぁオレにしては頑張った方だろう


「7体と言うと10500Eですか。半々でいいんですよね?」


「あぁいいよ。アイリスもオレが傷ついた時に回復してくれたりしたからな。」


「では私が5000のユウキは5500ですね。」


「お、500Eはオレでいいのか?」


「まぁ流石に、倒したのはユウキの方ですしあまり私はお金に困ってないのでそのぐらいは別にいいですよ」


「サンキュ。って言うかアイリスって意外と金あるよな。なんで?」


そう、オレは結構気になっていた。

アイリスは今日の様子からしてそんなにクエストに行ってるという感じではなかったが、何故かコイツは結構お金を持っている


するとアイリスは


「秘密です。」


と小悪魔っぽく言ってきた。


まぁ何かしらあるのだろう。


しかし4時間で5500Eか

円で換算すると4時間で5500円

時給は1400円ぐらい。

こう言うと結構良いバイトの様に聞こえるが命をかけてるとなると話は別だろう。


「ところで、スライムを7体も倒したんですユウキのレベルはいくつになりました。」


とアイリスは尋ねてくる。


確かオレのレベルはプレイヤーカードに記載されてるんだよな?

ポケットからプレイヤーカードを出し見てみる


「おぉ!レベルが4になってる!」


スライム7体でレベルが3つ上がったらしい


「4ですか。ステータスはまぁまぁ上がってそうですね。何か付けそうですか?」


付けそうってのは職業のことだろう。


オレはプレイヤーカードの職業ってところをタッチする。


って言うか今気づいたがこのカードどうなってるんだ?やっぱりコレも魔法でできてるのかな?


「で、どうですか?」


アイリスはテーブルから体をこちらに乗り出し尋ねてくる。


「うーん、なさそうだなぁ。全部白字だ。」


白字だと適正資格ない。で黒字になると適正資格あり。だそうだ


「そうですか。ところでユウキはどんな職業に就きたいんですか?」


アイリスは軽い感じで聞いてくる


「そうだなぁ。魔法使いか剣士だな。」


やっぱり異世界なら魔法を使ってみたいだよなぁ。けど勇者と言えば剣士何だよなぁ。


「魔法使い良いですよねぇ。私も魔法使いになりたかったです。」


「へぇ、何でならなかったんだ。ステータスがダメだったの?」


「いえ、資格はあったんですが。色々ありまして」


「色々って?」


「色々は色々です。」


聞くなって事かな?


「ところで明日はどうします?また同じクエストでいいんですか?」


「そうだなぁ。いろんなモンスターを見てみたいんだよなぁ。けどオレらのレベルじゃなぁ。」


「パーティ募集でもします?」


「無職とヒーラーのパーティに誰が来るんだよ」


「ですよね」


言いながらアイリスは苦笑する


しっかしどうすっかなー。


オレが明日の予定について悩んでいると


「それなら俺らが手伝ってやろうか?」


オレの背後から声がかかった。


振り向くとそこにはいつかのアイリスをパーティに誘ってくれと頼んできた男達がいた。



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