表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんなクソゲー(異世界)は間違っている!  作者: うえぽん
これはリッチですか? はい、ただのドMです
7/80

ヒロイン登場? (3)

その日は結局、アイリスはオレの話を全く聞かなくなってしまったのでとりあえず諦めてやった。


オレは、金なし家なしな為、今日は人生初の野宿をすることになった。



そして翌日



「頼む!オレと組んでくれアイリス!」


「お断りします。」


……即答。


オレは朝早くにギルドに行くと、すでに何故かアイリスがいたので、早速パーティ勧誘を行っていた。


…って言うかオレ、こいつに対して全く緊張しないんだよなぁ。


何というか、同族ぼっちに対しては上から目線で行ける。


今までのオレなら、こんだけ断られてたらすでに心が折れてるが、同族ぼっちに対してはどこまでもいけそう。


「なぁ頼むよアイリス。人助けだと思って」


「お断りします。大体何で私が、名前も知らない様な男を助けなきゃいけないんですか。」


「あれ、言ってなかったっけ?」


そう言えば名乗ってなかったっけ。


「オレはクリハラユウキ。よろしくな。ほら、コレでオレとお前は友達だ。友達は助けるものだろう?アイリス」


オレがそう言うとアイリスは『友達』と言う言葉に少し反応し(さすがぼっち)


「何で私があなたと友達なんですか。ただ自己紹介しただけでしょうに。」


と、口では言ってるが少しニヤついている(さすがぼっち、チョロい)


「大体何で私なんですか!他にも冒険者はたくさんいます。私は忙しいのでもう構わないで下さい」


そう言いアイリスはギルドを出て行く。


確かにオレだって本当はアイリス何かそんなに誘いたくない(だってぼっちだし)


けどオレは、ここにいる他の冒険者に声をかけられるほどのコミュ力がない(自分で言ってて少し悲しいが)


だからアイリス、オレにはお前しかいないのだ!


オレはそう心の中で、決意するとアイリスの後を追いかけギルドを出て行く。



流石に金銭的にも食料的にもヤバイのでオレはなりふり構わずアイリスに話しかけた。


それはアイリスが朝ごはんを食ってる時でも


それはアイリスが街を出歩いてる時も


それはアイリスが昼食を摂っている時も


それはアイリスが昼寝で草むらに寝ている時も


それはアイリスが夕食を摂っている時も


それはアイリスがギルドの近くの温泉で風呂に入ろうとして「グハッ!」いる時は無理だった。


って言うか気づけばもう夜じゃん!


アイリスを誘うのに夢中で、飯1度も食ってなかったわ!


…いや。まず金がないんだった。


さすがにアイリスのあの態度と、オレの生活的問題で諦めようとしてるとしている時だった。



「よぉ姉ちゃん、オレたちと少し飲んでいこうぜ。」


それは広場の外れの裏通りから聞こえてくる声だった。


うわぁ…何というかいかにもって感じの、3人の男たちが1人の女性に声をかけている。


しかしその女性はついて行く気がないようで男達から逃げようとしているが、男達はそれを許さない。


こういう時、主人公ならカッコよく


「その手を離せ!」


とか言えるのだろうが、コミュ障のオレには当然無理だ。


触らぬ神になんとやら。


オレはそう思い、その場を立ち去ろうして気づく。


あの女性、何か見たことあるぞ。


いや気のせいだ。


と言うか気のせいにしよう。


大体こういう時のオチは見えてるんだ。


見るなクリハラユウキ。


見ずに立ち去るんだ。


そう思いながらも、視線は自然とその女性に行ってしまい




…やはり、その女性はアイリスだった。




どうしよう。


ココは声をかけずに立ち去るのが吉だろう。


当たり前だ。オレには何の能力ちからもないことが昨日わかったんだ。


オレがあの男達に声をかけてもオチがみえてる。


いや、最悪ここ異世界だし、ボコられて終わりどころか殺されるかもな。


なんかあの人たち


すでに何人もってます。


って感じの顔つきだったし


そうだクリハラユウキ。


また明日声をかければいい。


もしかしたらアイリスは、この件で深く心に傷を負い、オレがアイリスの心の傷をケアしていくことでアイリスはオレに…。


と言う展開もあるかもしれないんだ。


だから気にするなクリハラユウキ。


オレは悪くない。こんな無力なオレをこの世界に送った奴が悪い。


オレは頭の中で何度もそう言い訳をするが足が動かない。


くそ!あんな奴に声をかけなきゃよかった。


知り合いじゃなかったなら遠慮なく見捨てられたのに


オレが迷っていると、アイリスは男達に無理やり連れて行かれそうになっている。


アイリスは助けを求めるかの様に周りを見渡し、オレと目が合い…


「……!」


声を上げようと口を開くがすぐに口を閉じる。


くそ!何だよ!どうせなら


「助けなさいよ!そこの男!」


とか言ってくれれば、そんな最低な奴は助ける価値なしと思えて見捨てられるのに。


あんな風な態度取られたら余計に見捨てづらくなるじゃないか!


すると、アイリスのその態度に男達も気づき辺りを見渡しオレに気づいた様で


「おい兄ちゃん。こっち見てないで早く帰って寝てな。」


と男は言う


そうだ、帰って寝ればいい


明日になったらアイリスに謝ればいい。


アイリスもオレが助けるなんて期待はしてないだろ。許してはくれないだろうが、責められもしないだろう。



………。



「…んかねーよ。」


オレは小さい声で言うが夜だからか男達にも聞こえた様で


「あ?何だって?」


そう言い1人の男が近づいてくる。


あぁもういいや。もしオレがここで死んだらこの世界にオレを送った奴、呪ってやる!


「金がねーから帰る家も何もねぇって言ったんだよ!この三下共がぁ!」




そう叫びながらオレは男達に殴りかかった。




目が覚めるとそこは見知らぬ天井だった。


「あ、目が覚めましたか」


そう声がし、そちらを見ると、アイリスがいた。


そうだオレ、殴りかかったはいいが、喧嘩なんて人生初のオレはすぐに男達に袋叩きにされたんだ。


「ってアイリス!お前は大丈夫なのか!?」


オレが気絶したとなると、あの後アイリスはどうなったんだ。


オレがそう声をかけるとアイリスは少し俯きながら


「自分の事よりも人の心配ですか?」


と少し嬉しそうに言う


いやまぁそりゃ、殴りかかったはいいが結局アイリスは男達に連れ去られ…


何て事になったらオレの完全に殴られ損じゃん


「私は大丈夫ですよ。あの後、騒ぎを聞きつけた警官達がすぐにきてくれてーー」


とアイリスは説明してくれる


どうやらオレが気絶した後、すぐに警官達が来て男達は逃げ出したそうだ。


…もう少し早く来いよ警官。


「って言うか何でオレ怪我1つないんだ?」


そう、オレはアレだけ袋叩きにされたのにかすり傷1つもないのだ。


「あぁ、それはですね。私、職業が『ヒーラー』なんですよ。アレくらいの傷なら下位の職業とはいえ治せます。」


そうアイリスが言ってくる


「そっか、ありがとな」


オレがアイリスにお礼を言うと


「って言うか何で私なんかを助けたんですか?あんなに昼間あなたに失礼な態度を取っていたのに」


アイリスは少し俯きながら言ってくる


何で…か。何でだろう。まぁ何というか


「何となく?」


オレがそう言うとアイリスはクスりと笑いながら


「何ですか?それ」


と言ってくる


アレ!?なんかいい雰囲気じゃね


これってあれか?惚れられちゃったか?


オレがそんな事を考えてるとアイリスは


「間違ってもあなたに惚れてないので大丈夫ですよ」


冷たい声で急に言ってくる


「べべ別に惚れられた何て思ってねぇから!そっちこそ勘違いすんなし!」


くそ!こいつなんでオレの考えてることがわかったんだ。


「そうですか、私の勘違いですか。私は少しあなたの事が気になってたんですが」


アイリスは少し残念そうに言ってくる。


あれ?やっぱり惚れてね?これ


「いやまぁ何?オレもお前の事そんなに嫌いじゃ「まぁ。冗談ですが」ない……は?」


「何ですか?さっき言ったことは冗談ですよ?勘違いしましたか?」


こ、この女…殺す!


オレがアイリスに殴りかかろうとして


「ちなみに私は喧嘩に強いのであまり怒らせるような事はやめたほうがいいですよ?」


…振り上げた腕を下ろした。


もうやだ…たかが女の子にビビるオレの人生

恥ずかしい!


「しかし私はコレであなたに借りを作ってしまいましたね。私は例えどんな借りであっても必ず返すのです。どうしましょうか…」


そうアイリスは言いこちらを見つめてくる


なに?なにが言いたいの?この女


「そうですね。決めました!『何でも言う事1つ聞く』と言うのはどうでしょうか?」


な、何でも?


ゴクリと唾を飲み込む。


何でもってアレですか!あんなことやこんなことも叶えてもらえるんでしょうか!


オレがそんな事を思っているのを見透かすように、アイリスはこちらをニヤニヤしながら見てくる。


…いや、と言うかあれだな。この目は


%

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ