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7th Sense  作者: freeman
第二章:弐頭龍、襲来
42/64

第三十九話:捕食

-午後6時46分、教室棟2階廊下-

「・・・・何で・・・お前が・・?」

カッターシャツの襟元を掴まれて宙吊りに体を持ち上げられている世良拓弥は呆然とした様子で言葉を発した。

「ん?・・・“借り”を返しに来たんだよ、さっきの“借り”を」

それに対して、大して太くもない右腕で拓弥の体を持ち上げている雅式はあっけらかんとした口調で答える。


「――――なっ!?」

(―――ば、馬鹿な――ッ!)

少年たちから数メートル離れたところにいる、白いチャイナドレスの女、メイシェンは彼の登場に驚きを隠せない。

(―――そんな・・・有り得ないっ―――!なぜまだ生きているっ―――!?)

あの少年は15分以上も前に、放電系を取り込んだ弾丸型イミテーション、『SB-21』を体内に撃ち込まれたはずだ。

(着弾してから電流が全身に回るまでにかかる時間は2分未満―――2分経てば確実に感電死しているはず―――)

近くに転がっている、首のない黒ずんだ死体に視線を向ける。

(―――彼にアレを撃ち込み、自身もそれで自害したあの男のように―――)

だが、目の前にいる少年は平生へいぜいと佇んでいる。着ているカッターは真っ赤に染まり、所々が裂けているが負傷を負っているようには見えない。

(イミテーションの誤作動?―――いや、そんな都合のいいタイミングで故障など考えられない・・・)

混乱の中、考えを巡らせるが、答えは出てこない。

(―――それに、あの手・・・は一体―――)

瀕死状態の少年のカッターの襟元を掴んでいる右手――――その手は煙のように蠢いている、黒炎のようなものを纏っている。


すると、拓弥の体を持ち上げている式は―――

「へぇ、臓器型イミテーションか・・・通りでまだ息があるわけだ・・・」

拓弥の左胸にある、大きく開いた傷口を一瞥してそう呟くと―――

パッ

突然、襟元を掴んでいた右手を放した。

ドサッ

「―――うっ、痛ッ―――!・・・」

床に尻餅をつき、苦痛に表情を歪める拓弥。

「―――つっても出血が酷すぎる。このままじゃ、あと数分も持たないな」

淡々とした口調で言うと―――

―――スッ

床に片膝をついて、正面から拓弥の顔を見据え―――


「まぁそういうワケだから―――悪く思うなよ、拓弥」


グシャアッ

「―――ッ!」

直後、拓弥の瞳孔が大きく見開き―――

「―――があ――――っ!」

彼の悲鳴に近い叫び声が廊下に響き渡った。

「―――なっ!?」

同時にその光景を目にしたメイシェンも衝撃を受けている。なぜなら―――

グチャア・・・・

黒炎を纏った右手が、抉るように彼の傷口に突き刺さっているのだ。

ブシャーッ

傷口の隙間から勢いよく飛び散る鮮血。

「・・・ぐ・・・がぁ・・・」

そして、小さく呻き声を上げながら、ダラリと力を失った拓弥は死人のように動かなくなった。

―――グシャアッ

すると、傷口から右手は引き抜かれた。黒炎を纏っているせいで、その手に拓弥の血が付着しているのかどうかは確認できない。

また、手を引き抜かれた拓弥の傷口から、あの黒炎が湧き出て不気味に揺れ動いている。

ゴト

式は動かなくなった拓弥を仰向けに寝かせると

「―――さて」

―――スタッ

立ち上がって正面の女を見据える。

「・・・ん?」

すると何かに気づいたのか、キョトンとした表情を浮かべている。

「なんか左半分が歪んでるが・・・お前、下の階にいたヤツと顔がそっくりだな」

「・・・私と姉さんは一卵性双生児の姉妹ですから」

「・・・あのアホみたいな日本語を話してた方が姉かよ・・・どう考えても逆だろ」

「雅式・・・ここに来たということは・・・あなた、姉さんを・・・」

「いや、ダッシュでアイツから逃げてきた」

「・・・なるほど、そういうことですか・・・」

(・・・まったく、使用を禁じていた炎矢えんしを使っておいて、取り逃がすとは・・・)

「―――あ・・・つかソイツ・・・、死んでるな・・・ま、殺す手間が省けたからいいか」

15分ほど前に自身を撃った、首と胴体が繋がっていない男の黒ずんだ死体を見て飄々ひょうひょうとした口調で言う。

「・・・話に聞いた通り、“悪魔”ですね・・・」

(・・・まさか、味方を手にかけるとは思いませんでした)

女はピクリとも動かなくなった拓弥を一瞥して呟いた。

「よく言われる。つかお前のその顔、コイツにやられたのか?」

女の顔は、捻じれたように左半分が歪んでる。

「―――えぇ」

女は忌々しげに自身の左頬をさすりながら答える。

「へぇ・・・拓弥のヤツ、詰め・・が甘いな、詰め・・が―――」

そう言って一呼吸おくと―――

「―――どうせやるなら、そんな中途半端・・・・にしないで、丸ごと潰した方が早いだろ」

そして女の目を見て言葉を投げ掛けた。


「お前もその方が諦め・・がつくだろ?」


ゾオ――――ッ!

「――――ッ!!」

カタ・・・カタカタ・・・

(―――な、何だ・・・コレは・・・)

体中にゾクッと寒気のような震えが走る。

(・・・体が・・・動かない・・・)

まるで何か・・によって支配されたかのように自由が効かない。

同時に、抑えようもないくらい、ある感情・・・・が湧きあがってきた。


――恐怖――


「恐怖を感じて震えがとまらないだろ?」

そんな女の様子を見るまでもないといった口調で式は口を開いた。

「周囲にいる人間に脅威・・を植え付ける力場―――それが俺の第七感ちから狂闇ディメントの制御外発動力場だ」

「・・・ディメ・・ント・・・」

(―――なんて性質たちの悪い・・・―――ッ!いや、それ以前に―――)

小刻みに体を震わせながら話を聞くのがやっとのメイシェン。同時に女は、ある引っ掛かり・・・・・・を覚えた。

すると―――

「しかも俺はこの力場を自分の意志でコントロールすることができる。例えば、全く感じないように抑えたり―――」

直後―――

―――フッ

「―――ッ!?」

(・・・震えが・・止まった・・・)

だが次の瞬間―――

「立ってられないほど解放したり―――」

ゴオォ―――ッ

「―――ッ!?」

ガッ

女は倒れるように両膝を床につけると、跪くように両手をついた。

ジャキ―――ッ

女が左手に纏っている、氷の鉤爪の先がウレタン樹脂製の廊下に食い込む。

(・・・か、体がっ・・・!)

まるで、何か巨大なものに踏みつけられている感覚。

「まぁ分かりやすく説明すると、一種の殺気・・といったところだ」

淡々とした口調で式は言う。

一方、顔を上げることすらできず、床を見つめているメイシェンの頭の中には、先ほどからある引っ掛かり・・・・・・が駆け巡っていた。

(―――くっ・・・なぜですか・・・なぜ―――っ!)

――なぜ彼は第七感ちからを使えるのだ――

(話が違うじゃありませんかっ、“ベロッキオ”―――ッ!お前が『彼は今、第七感ちからを使えない』と明言したから、私たちはこの暗殺計画に加担した―――っ!)

そんな保険・・でもない限り、たった二人で“原石を相手取る”などといった愚行・・を行うわけがない。

「―――ッ!」

(・・・まさかあの“道化師”・・・私たちをめたのかっ!)

奥底から抑えようのない怒りが込み上げる。

・・・ブル、ブルブル・・・

その震えは恐怖から怒りによるものによって塗り替えられ、床についている右手の甲の血管が浮き出ている。

ギリッ―――

右の奥歯を強く噛みしめて歯ぎしりを鳴らす。

「・・・さない・・・さない・・・さない―――」

女は床に視線を落としたまま、ブツブツと何か呟き始めた。そして―――

「・・・さない・・・さない―――許さないっ!あ゛ー・・・があ゛―――っ!!」

怒り狂った叫び声を発すると―――

―――ガッ

「・・・はぁ・・はぁ、はぁ・・・」

式の放つ制御外発動力場に抗って立ち上がった。血走ったその目がギロリと彼を睨みつけている。

「おぉー、こりゃ驚いた・・・これだけの力場を受けて立ち上がったヤツは久しぶりだ―――」

スッ

そしていきなり、黒炎を纏った右手を女の方へと翳すと―――


「―――お前、喰ったら美味そうだな」


―――ズルッ

右端の口元を吊り上げ、舌なめずりをしながら化物は言った。

直後―――

グン―――ッ

「―――ッ!?」

女の体は何か見えない力・・・・・に引き寄せられ―――

ブンッ

「―――ッ!!」

抗うことすらできず、前方に吹っ飛んでいき―――

ガシッ

「―――がぁっ!」

グラッ

黒炎を纏った右手に首を掴まれ、宙吊りの状態にされている。

斜め上に腕を上げ、軽々と女を持ち上げている式―――その平凡な体格のどこに、こんな化物染みた力があるのか、その表情は涼しげだ。

「どこで聞いたか知らんが、お前たちは俺が空間支配ヴォイド・ルールを使えないことを知ってるみたいだな」

「・・・ぐっ・・がぁ・・」

呼吸ができず、苦しそうに呻き声を発しているメイシェン。その口元からツーと唾液が流れる。

「確かに俺は今アレを使うことができない―――アレは色々・・と訳ありだからな―――」

女の顔を見上げながら少年は話を続ける。

「―――だがな、だからといって俺が狂闇ちからを使えない理由にはならない―――アレは狂闇ディメントのコードの内の1つに過ぎない」

「―――ッ!」

(・・・やはり・・・)

少年の言葉で女は確信した。

―彼があの空間転移のコードの他にも何らかのコードを有していることを―

そして、そのコードの正体・・が―――

(・・・この・・黒い・・)

今自分の首を掴んでいる少年の右手が纏っている、この不気味な黒炎。

恐らく何らかの力で対象物を引き寄せる性質があるのだろう。

現に自分はその力に抗うこともできず、この様だ。

(・・・ですが、この状況―――)

ジャキッ―――シュッ

女は目にも止まらぬ速さで氷の鉤爪を振るった。

加速系を物体作用から身体作用に切り替えた女にとって、この状況は危機であると同時に好機チャンスでもあった。


―――ザシュッ


ブシャアーッ

切断面から勢いよく鮮血を散らす右腕。

「―――なっ・・・」

少年の右腕の肘から下が斬り落され―――

―――ボトッ

女の首を掴んでいた、黒炎を纏っている右手が鈍い音をたてて床に落ちた。

タンッ

その右手から解放され、床に着地した女は―――

ヒュンッ

風切り音をたてながら赤く染まった氷の鉤爪を振るう。

(―――取った!)

ザシュッ

「―――ぐっ、がぁっ―――」

氷の手刀が少年の胸元に突き刺さった。

グシャ・・・バキバキッ・・・

氷刃が肉と骨に食い込む音が響く。

ブシャアッ―――ポタポタ・・・

勢いを失うことなく手刀は少年の胸を貫き、その鋭利な先から血が下垂れ落ちる。

―――グシャアッ

―――スタッ

女は手刀を引き抜くと素早く後方に下がった。

「・・・う゛・・・ごぷっ―――」

ビチャッ

吐血して口元を真っ赤に染める式、そして―――

「―――がっ・・・」

バタッ

その場に倒れて動かなくなった。

「―――かっは・・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・」

返り血を浴びて顔が真っ赤になっている女は咳き込みながら首に手を当て、少年を見下ろす。

ツゥー

動かなくなった式を中心に、床が赤く染まっていく。

「・・・はぁ・・はぁ・・あまりに無防備すぎる・・・『殺してくれ』と言ってるようなものですよ」

(確実に心臓を潰した・・・終わりですね)

「この程度ですか、“赤い悪魔”・・・」

「・・・・・」

「あっけないものですね。あの少年の方がまだ骨がありましたよ」

「・・・・・」

「原石といえど、所詮は子供というわけですか・・・」

吐き捨てるようにそう言ったが、その表情は口元を吊り上げて笑みを浮かべている。

(倒した・・・あの“赤い悪魔”を倒したっ!)

「・・・フ、フフフフッ―――」

高揚感に酔いしれた女は笑いを堪える様に肩を震わせると

「―――フフフフッ・・・・アッハハハ―――ッ!」

狂ったように高らかに笑い始めた。


「―――おい、何がそんなにおかしいんだ?」


「――――ッ!?」

耳に入ってきたのは、たった今殺したはずの少年の声。

「・・・・」

視線を床に向けると―――

「あー、痛って・・・一回・・死んだか・・・」

ビチャ・・・

赤い水たまりに倒れていた少年がゆっくりと立ち上がる。

「―――なっ・・・!」

女は言葉を失った。

「ペッ―――こりゃ、日本こっちに来て平和ボケしたな・・・」

ピチャッ

赤い唾を吐くと、右腕のない少年は自身に呆れた口調で吐き捨てた。

カツ、カツ・・・

「・・・な、なぜ・・なぜ生きてる―――!?確かに心臓を潰したのにっ!」

女はおぼつかない足取りで数歩後ずさり、取り乱した様子で声をあげる。

「そうだな・・・確かにたった今俺は、お前に殺された。だがな―――」

―――カッ

突然、その瞳から赤い光を放って言った。


「―――化物・・ってのはな、一回殺したくらいじゃ、くたばらないんだよ」


スゥー

すると、床に落ちている彼の右腕を黒炎が包み込んでいき、完全に全体を覆い尽くすと―――

―――スッ

黒炎と共に右腕が消滅した。

「―――来い、“陰喰いんが”―――」

シュー

少年が言葉を発した途端、右腕の切断面から黒炎が出現し、それが見る見るうちに腕の形へと収束していく。

―――シュンッ

そして霧散するように黒炎が消えると―――

「―――なっ!?」

(・・・う、腕が・・・)

斬り落されたはずの右腕がその姿を見せた。

「んー、やっぱ昔に比べると遅くなったか・・・」

再生した右手の指を動かしながら思い耽るように呟く式。

直後―――

―――ダンッ

女が一瞬で少年の眼前まで距離を詰め―――

「―――このっ、化物が―――ッ!」

ビュンッ

少年目掛けて氷の鉤爪を振るった。

だが―――

―――ガシッ

「―――なっ!?」

少年の黒炎を纏った右手によってその手首を掴まれた。

(・・・ば、馬鹿な・・・加速系の動きに―――!?)

「―――今頃気づいたのか?そうだよ、お前たちは化物・・に喧嘩を売ったんだ」

直後―――

―――ガシャンッ

氷の塊が落ちた音がその場に響いた。

「・・・・」

女が視線を下に落とすと―――

「―――ッ!!」

氷の鉤爪を纏った左手が、切断面から赤い液体を流して床に落ちていた。

「あ゛―――っ!」

女は奇声を上げながら左腕を押さえる。

ブシャーッ

獣に喰いちぎられたような切断面から鮮血が迸っている。

「―――手が・・・私の手がぁ―――っ!」

悲鳴を上げながら、ふらついた足取りで後ずさるメイシェン。

だが―――

「さっきみたく殺されるのはもう御免だ―――」

―――ブワッ

少年は更に、左手から黒炎を出現させると―――

「―――右手そっちも落としとくか」

ブンッ

「―――ッ!!」

黒炎を纏った手刀を振るい―――

―――グシャッ

「―――がぁっ」

―――ボトッ

黒炎に触れた部分が喰いちぎられたように消失し、白いグローブをはめた、女の右手が床に落ちた。

「・・・う゛ぅ゛・・・があ゛・・」

ガッ

両手を失った女は呻き声を発しながら、力なくその場に跪く。

「もうこれでイミテーションは使えないな」

「・・・あ゛ぁ゛・・・ぐっ・・・」

女は激痛に表情を歪め、少年を見上げる。

自分を見下ろしている赤い光を放っている瞳。

「・・・・・」

女は悟った。

こんな人の形をした化物・・・・・・・・を本気で殺そうとしていた自分の浅はかさと愚かさを―――

「―――さて、ならそろそろ頂く・・とするか」

―――スッ

黒炎を纏ったその右手を女に向けて翳すと―――

―――ブワッ

「―――ッ!?」

拡散するように大きくなっていく黒い炎。

その姿は不気味で、まるで意志を持った生物のように蠢いている。

「久しぶりの女の血肉だ。よく味わって喰えよ、“陰喰いんが”」

直後だった―――

ブワッ

「―――ッ!!」

突然、少年の手から解き放たれた黒い炎。肥大化したソレが覆い尽くす様に女の体を包み込むと―――

ブシャ―――ッ

「―――ッ、あ゛―――っ!」

女の体から勢いよく飛び散る赤い液体。

グシャッ―――バキバキッ

「―――がぁっ!」

肉が喰いちぎられ、骨がへし折られる音が廊下に響く。

「―――あ゛っ、がぁ――――っ!」

女の悲痛の叫び声と共に始まったのだ―――捕食が―――



「・・・・ん・・」

世良拓弥は朦朧とした意識の中、女の叫び声が聞こえたような気がした。

(・・・俺は・・)

目を開けると視界は霞んでいてよく見えないが、廊下に仰向けになっているようだ。

(・・・まだ、生きてる・・?)

ゆっくりと視線を下して、致命傷のある左胸を一瞥すると

(・・・何だ、これ・・・?)

傷口から湧き出るように黒いものが蠢いている。だが痛みは全く感じない。

「・・・・」

そしてぼんやりと周囲を見渡すと―――

(・・・式・・?)

数メートル向こうに立っている式と思われる人物。

そして彼の正面には“何か”を包み込んでいるような黒い塊がある。

―――ブワッ

すると黒い塊は霧のように拡散していき、空中を漂って、そこがあるべき居場所と言わんばかりに彼の右手に帰って来た。

(・・・アレは・・・)

視界が霞んでいるが、その光景を目にした拓弥は気がついた―――式が両手で蠢いている黒いソレは、自分の体に張り付いているものと同じだと。

そしてソレによって覆われていた“何か”は跡形も残さずになくなっていた。

―――スッ

すると少年の両手にある黒炎は霧散するように消えていった。

直後、拓弥は自分に背を向けている少年が満足げに言ったのを確かに聞いた。


「んー、やっぱ女の方が断然に美味いな」


「・・・・」

まぶたが自然と閉じていき、再び意識が遠のいていく。

(・・・式・・・お前は・・・)

薄れゆく意識の中、拓弥は心の中で呟いた。


―――お前は狂ってる―――














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