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7th Sense  作者: freeman
第一章:学園入口
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第二十話:監視と手紙の主

修正部分をお知らせします。十九話の習熟度テスト結果のことについてめぐみ先生が話す部分と結衣が事件の回想をする部分です。

少し記憶がごちゃごちゃになっちゃってました、すみません。

―――昼休み―――

「あ、あの雅君!」

「ん?」

突然声を掛けられた。隣の席の高坂弥だ。栗色の肩まである髪に、身長は綾と同じほどでまだ幼さが抜けていない顔つきの小動物っぽい、可愛らしい印象の少女だ。

「何、高坂さん?」

「え、えっとその・・・さっきの数学の時間、代わりに答えてくれてありがとう」

落ち着きのない様子で礼を述べる弥。

(・・・ああ、あの時か・・・)

「そんなこと言う必要ないよ。元はといえば俺が寝てたせいで高坂さんが当てられたんだから。迷惑かけて悪かった」

そう言って頭を下げる式。それを見た弥が慌てた様子で言う。

「そ、そんな、迷惑だなんて思ってないから謝らないで!」

式のような大物に頭を下げられて混乱しているようだ。

「・・・そう言ってもらえると助かるよ。今度また寝てたら容赦なく起こして構わないから」

(・・・居眠りはやめないんだ・・・)

そうツッコミたくなった弥だが、それは心に留めておくことにした。

「それにしても雅君ってやっぱりスゴイんだねっ!あんな難しい問題を暗算で解いちゃうなんて、普通できないよっ!」

興奮した口調で尊敬の眼差しを式へ向ける弥。

「まぁ・・・計算は得意な方だから・・・」

「昨日のテストも転入してきたばっかりで3位とかホントにスゴイよっ!え、えっと・・それでねっ、雅君にお願いがあるんだけど・・・・」

どこか不安そうな表情でたずねてくる弥。

「何?」

「あ、あの・・・今度、分からない問題とかあったら教えてもらえませんか?」

上目づかいで式を見てくる。

「あ、そんなこと?別にいいけど・・・」

「ホントっ!?ありがとうございますっ!」

嬉しそうに表情をぱぁと明るくし、バッと頭を下げる弥。

(いや、綾がいつも要求してくることに比べれば―――あ・・・)

「それじゃあ、俺これから用があるから」

「え?う、うん。じゃあまたね」

そう言って教室を出て行った式。

「―――よしっ!」

その後ろ姿を見ていた弥は喜びを抑えきれず、その場でガッツポーズをした。

「「「・・・・」」」

そしてその様子を数名の女子生徒が羨ましそうに見ていた。



「もぉ!遅いよお兄ちゃん!」

「ゴメンゴメン、美紀も待たせてすまない」

「い、いや!私は全然大丈夫だからっ!」

手をブンブンと振る美紀。

現在、3人は屋上に繋がっているドアの前にいる。

今日も3人で屋上で食べることになっていたのだが、教室まで迎えに行くと何かと注目を浴びてしまうのでここに集合することになった。

先ほどの弥との雑談でどうやら二人を待たせてしまったようだ。

「お兄ちゃん聞いてっ!私昨日のテスト11番だったんだよっ!」

嬉しそうな表情で綾が話してくる。

(ほぉ・・・)

綾もアメリカでは学校に通っていないが、英語はマスターしているし、式が暇なときにたまに勉強を教えていたので、補習を受けることはないとは思っていたが、20番以内に入っていたとは正直予想していなかった。

「そうか、えらいな」

そう言って綾の頭を優しくなでる式。

「えへへっ///」

すると頬を赤らめ、恍惚な表情をして式を見上げる綾。

「・・・・」

すると黙っていた美紀が声を掛けてきた。

「し、式君・・・わ、私も頑張ったんだよ・・・」

どこか落ち着きのない様子で美紀が言ってきた。

「へぇ、美紀はどのくらいの順位だったんだ?」

「さ、3位だよっ」

指を三本立てて美紀が言った。

「へぇ、俺と同じだな」

「え?式君も?」

「ああ、でも国語は補習対象者だけどな」

「そ、そうなんだ・・・式君も3位なんだ・・・なんだか私たち、“同じ(運命)”だね///」

どこか嬉しそうな表情の美紀。

「ああ、同じ(3位)だな」

「うんっ///」

そう返すと、美紀は満面の笑みを向けてきた。

直後―――

「―――ッ!!痛ッ!!」

式の腕に思いっきり綾のきれいな形をした爪が食い込み、今にも血が滲み出てきそうになっていた。

「・・・早くご飯食べよ、お兄ちゃん」

いつもと変わらぬ口調だが、不機嫌になっていることは見て取れる。

「あ、ああ・・・そうだな」

そう言ってドアに向かって手をかざして“力”を使おうとした時だった。

「・・・・どうやら今日は先客・・がいるようだな」

そう言うと手をおろし、そのままドアノブに手を掛ける式。その様子を綾と美香の二人が?を浮かべた様子で見ている。

―――ガチャッ

すると閉まっているはずのドアが開いた。

そしてドアを開けると広がっている屋上の中央には、こちらに視線を向けている二人の男女がいた。



「はじめまして、2年3組の世良拓弥せら たくみと言います」

式と同じくらいの身長で、式より少し短めの黒髪の男子生徒がはっきりとした口調で話しかけてきた。

「2年2組の明石央乃あかし ひさのです」

そして彼の隣にいる、長めの黒髪を一つにまとめている、どこか冷たい印象を感じさせる女子生徒。

「・・・2年1組の雅式だ。なにか用でも?」

相手が名乗ってきたので一応こちらも名乗る式。綾と美紀は少し不安そうに彼の後ろにくっついている。

「先日の『壮爪カパン・タイト』からの人質奪還作戦、近くで拝見させてもらいました。さすがアメリカ本部の序列第三位、お見事でした」

世良と名乗った男子生徒が温厚そうな表情で賞賛の言葉を述べる。だが式にはそんなこと、どうでもよかった。

「お前ら―――日本支部の人間か」

「「―――ッ!?」」

その言葉を聞いて驚いた様子の綾と美紀。

「もうバレてしまいましたか・・・おっしゃる通り、我々二人は日本支部の職員です。」

さらっと認めた世良。

「で、その職員が俺に何か用なのか?悪いんだけど、まだ飯食ってないから死にそうなんだ」

「ハハハッ、工藤さんの言ってた通り面白い方ですね。食事をとってもらいながらで構わないので少しお話をよろしいですか?」

「・・・二人とも、いいか?」

「うん、お兄ちゃんと食べられるならいいよ」

「私も式君と食べられるなら・・・」

「そうか、悪いな」

そういうわけで話を聞きながら昼食をとることになった。



「―――要するに、お前らは俺が学校にいる間、俺の監視を任されたってことだよな?」

「はい、そういうことです」

敬語口調で世良が答える。

「でもなんでそんなこと、わざわざ俺に言うんだ?言ったら監視の意味ないだろ?」

「監視と言ってもそこまで張りつめたものではありません。だた学校生活で不審な行動をとらないか見ていてほしいと上から指示が降りただけですので」

「そんなことするわけないだろ」

「―――例えば“校内で勝手に第七感を使わないか”見張っていてほしい―――とか」

そこで明石という女生徒が口を開いた。

「・・・・確かに使ったのは認めるが、俺も好きで使ったわけじゃない」

「単なる言い訳ですね」

「・・・・・」

鋭い言葉に言い返すことができない式。

「・・・それ以上お兄ちゃんをイジメたら怒りますよ」

そこへ今まで黙っていた綾が声を発した。それはいつも兄に対して発する愛らしいものとは正反対の声色だ。

(いや、別にいじめられてるわけじゃ・・・)

式は心の中でツッコんだ。

「お兄ちゃんは他の場所だと周りが騒がしいから、たちが食べづらいだろうと思って、屋上で食べようって言ってくれたんです。そんなやさしいお兄ちゃんをイジメるなんて―――許しません」

鋭い視線で央乃を睨む綾。そこには明らかな敵意が含まれている。

「そ、そうです!確かに第七感を使ったのは問題かもしれませんが、式君はたちのためを思ってそうしてくれたんです。式君を責めないでください」

敵意とは違うが、どこか強い意志を感じさせる視線を美紀も央乃に向ける。

その二つの視線を受けている央乃は―――

「・・・随分と愛されていますね」

無表情で式に視線を向けてそう言った。

「・・・は?」

式には何のことかわからなかったが、その言葉を聞いた綾は「当然!」と言ったような様子だが、美紀は顔を真っ赤にしてあわあわとした様子だ。

「まぁ、今回のことは見逃しましょう・・・ですが今後一切、第七感の使用及び、屋上への立ち入りはご遠慮していただきます」

有無を言わさぬ口調で言う央乃。

「ならこれからどこで食えばいいんだ?騒がしい人ごみの中で食うなんて御免だぞ」

「それなら安心してください。他の生徒が来ない、昼食をとれる部屋を用意したので、明日から使ってもらって構いません」

そこへ拓弥が打開策を持ち出してきた。

「・・・まぁ、わざわざ部屋を用意してくれてるんなら、もう屋上へは出入しないよ。ただ俺から二つほど言いたいことがあるんだが、いいか?」

「何でしょう?」

「一つは学校では敬語口調はやめてくれ、同じ学年の人間に敬語口調で話されるのは変な気分だ」

「・・・分かったよ式。なら俺のことは拓弥と呼んでくれて構わない」

そう言って笑みを浮かべてきた拓弥。彼は割とフレンドリーな性格なのかもしれない。

「分かった、拓弥。それと・・・・」

言いかけてもう一人の方を向くと彼女は言った。

「“明石”と呼んで。よろしく、雅君」

名字の部分を強調して言ってきた。

「・・・分かった、明石さん」

少なくとも彼女には好かれていないようだ。だがそんなことは気にも止めていない様子の式。

「ところで式、2つ目は一体何なんだ?」

拓弥がたずねてきた。

「そうだったな、これはどっちかというと、単なる疑問なんだが―――」

そこまでは拓弥も央乃もまだ平常心を保っていた。続けて彼が言った次の言葉を聞くまでは―――


「何で俺に“第七感を使うな”って言ったお前らが今、イミテーションを持っているんだ?」


「「―――ッ!!」」

なんとか動揺を心の中で留めたが、返す言葉が見つからない二人。確かに服の中にイミテーションを所持しているが、なぜ気づかれたのか理解できない。

「・・・先日のテロ事件のことを踏まえて学内でも所持することが許可されたの」

動揺を悟られないように央乃が話す。

「ふぅん・・・そっか、ならいいんだが――――」

その言葉を聞いて安堵する央乃。しかし悪魔・・の言葉には続きがあった。


「――――それをに向けて使うのか、よく考えた方が身のためだぞ?」


ゾ―――ッ!!

一瞬、体に説明のつかない悪寒が走った。

(―――な、なに今のっ!?)

先ほどの雰囲気とはまるで別人だ。“次元”が違う。まるで巨大な化物・・・・・を目に前にしているようだ。

ガタガタガタガタ・・・

体の震えが止まらない。自分は本能的に目の前の少年に恐怖を抱いている。

すると―――

「・・・よし、綾、美紀そろそろ戻るか」

そう言って立ち上がると、式は二人を見下ろして言った。

「それじゃ、またな」

「―――えっ?あっ・・・」

動揺を隠しきれず、まともに返事を返すことができなかった。

気がつくと彼の雰囲気は元通り、普通の少年になっていた。さきほどの殺気に似たものを放ったのが嘘のようだ。

そして三人は屋上を後にした。

ガタ、ガタガタ・・・

(・・・まだ、体が震えている・・)

央乃の体は小刻みに震えていた。

今回二人がイミテーションの所持を許可された真の理由・・・・―――それはもし、雅式が校内で第七感を使い“なんらか”の問題を起こした際に対処するためだ。だが先ほどのただならぬ雰囲気を感じ取った央乃は“こんなもの”で彼に対処するのは不可能だと瞬時に悟った。

「・・・なんとなく分かったよ・・・・支部長が彼を危険視している理由が・・・確かに、アレは“人間”なんて言葉では説明できないな・・・」

そう呟いた拓弥の頬を一筋の汗が流れた。



―――放課後―――

教室にはまだ半分近くの生徒が残って談笑や雑談をしている。

「・・・あ・・」

帰り支度をしようとカバンの中を整理していると一通の手紙が目に留まった。

(そう言えば、まだ中身見てなかったな・・・・)

そう思い、その場で可愛らしいデザインの封筒をあけ、中の便箋に書いてある文章に目を向けた。


『放課後、お話があります。教室で待っていて頂けませんか?』


書いてある内容はそれだけだった。

(・・・帰るか・・)

生憎、名前も知らない相手の要求に応えるような義理も優しさも彼は持ち合わせていない。

そのまま教室を出ようと席を立った時だった。

「すみません・・・・失礼ですが、雅式さんですよね?」

「―――?」

正面に声の主と思われる女子生徒が立っていた。日頃から周りのことなど気にかけないためか、今まで全く気がつかなかった。

身長は式より10センチほど低く、腰のあたりまであるストレートの黒髪が小さく揺れている。

その立ち姿はどこか上品な雰囲気を感じさせ、非常に整った顔をしている。そして何か熱の籠った潤んだ瞳が上目づかいで式を見つめている。

着物を着たらよく似合いそうな、大和撫子を連想させるような美少女がそこ立っている。

(・・・どっかで見た顔のような・・・)

そんなことを考えていると、彼女が声を掛けてきた。

「あ、あの・・・・手紙は読んでいただけましたか?」

「手紙・・・?ああ、コレのこと?」

「は、はいっ!読んで頂けたんですねっ!」

すると嬉しそうな表情を浮かべる少女。

「あの・・・君は?」

「え?確か封筒の裏に名前を書いていたはずなんですが・・・」

急に不安になった様子で言う少女。

その言葉を聞いて封筒を裏返すと確かに書いてあった。


『立花華蓮』と


「・・・ホントだ。ごめん、見てなかった」

「良かった・・・てっきり書き忘れたのかと思いました」

それを見て安心した様子の立花という女子生徒。

「君が・・・立花さん?俺になにか用?」

「はいっ!私が1週間前、あなたにこの命を救って頂いた立花華蓮です」

満面の笑みを向けて少女は言った。

(・・・あ・・)

そこで式はやっと思い出した。彼女はテロリストに銃殺されそうになっていたところを彼が助けた少女だった。








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