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わがまま陛下と龍神 閣議

 それから一月経った城では、乱で壊れた物の復興具合や、戸籍作りの作業の進み具合を確認するための閣議が行われていた。どうやら、どちらも順調なようだ。

 壊れた物の修復や戸籍作りにかかる費用のために、景華は自分の宝飾品や城の装飾品をかなり売った。彼女が手元に残したのは、父母の形見のかんざし一本ずつと、柳鏡がくれた珊瑚の首飾りのみ。そうしてできた費用を、ある物は建物の建築資材に、またある物は役人がその地に滞在するための費用として使った。

「それから、大臣たちに一つ提案があります」

 報告を聞き、それぞれに指示を出した景華がそう言った。彼は、城の守護を行う近衛隊の隊長としてこの閣議に出席している。

「今残っている直系の王族は、私のみです。つまり、私にもしものことがあれば直系の血筋が絶えてしまうことになります」

「私どもも、常々それは案じておりました。陛下には、一刻も早く良い夫君を迎えられ、お子様を持っていただく必要があります」

 そう答えたのは彼の父、清龍族の長、龍連瑛。

「そこで、大臣たちに提案したいのです。私の人選には、既に信頼をなくしていらっしゃることでしょう……」

 景華の言葉に、何人かの顔が下を向く。図星、といったところだろう。虎神族の長は、かなり苦い表情をしている。

「ですから、大会を開こうと思います」

「大会、ですか?」

 あちこちから、驚きの声がざわざわと上がった。連瑛も明鈴も、もちろん、彼も目を丸くしている。

「一体、どういうことですか?」

 そう問ったのは虎神族の長、虎秦扇だ。趙雨の、父の……。

「ですから、私と結婚してこの国を支えて下さる方を、皆様にも納得していただけるように公正な勝負で決めたいと思います」

 誰もが、彼女の言葉に聞き入っている。

「もちろん、その人が王位に就くことはありません。法を改正しましたからね。でも、その子供は次代の王となります。つまり次の王にはその部族の血が流れるのですから、十分に魅力的な地位だと言えるでしょう」

 そこで一度、景華が言葉を切った。皆が続きを待っていることを確認してから、さらに口を開く。

「各部族から一人ずつ、優秀で、なおかつ私との結婚でも納得してくれる若者を代表として出して下さい。その際、決して無理強いをすることのないように。彼らにいくつかの競技で競ってもらって、結果を出したいと思います。よろしいですか? 代表がいなければ、それでも構いません」

 各部族長が、礼をして去って行った。他の人もその後に続く。柳鏡だけが、静かになった閣議室に残った。

ここまでお読み下さっている皆様、ありがとうございます。

大波乱の予感(?)ですが、どうぞ今後もお付き合い下さいませ。

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