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1話

 

 この人はどんなセックスをするのだろう。


 経験人数が年齢を上回ったというのに、藤田世斗は行きつけのBarで一人飲む男を見て初めてそう思った。

 良く言えば“絵になる男”

 悪く言えば“様子のおかしい男”

 これが佐々原賢治という男の第一印象である。


 ―――――― 


 酒に酔っている声と男に酔っている声は総じて似ている。

 ここはホストクラブが軒を連ねる歓楽街。


 帽子を目深に被った藤田世斗は日付が変わっても賑やかな街を足早に過ぎる。

 ホストにしなだれかかりながら歩く女性もいれば、まるで大事件が起きたように騒ぎ立てている子もいた。この街は理想郷だ。だから夜が長い。


 ついさっきまでシャンパンタワーをやっていた余韻なのか、まだ頭の中でコールが再生されている。世斗は喧騒から離れるように通りを歩く。二つ三つ交差点を過ぎるにつれてその人だかりも落ち着いていき、さらに大通りから一本路地へ入るとほとんど人の気配がなくなった。


 そのまま進んでいた世斗は雑居ビルの前で足を止める。

 エドと書かれた看板を目でなぞりながら、壁に手をついて地下に続く階段を降りた。その先にある重たいドアの前は世斗がさっきまでいた喧騒とは無縁。

 ゆっくりそのドアを押すとカランコロンと音が鳴る。いつも通り店内に足を踏み入れた世斗の足が止まった。珍しくと言えば店主に失礼だがこれほどまで賑わっている店は初めてだ。


 入口で立ち尽くしていた世斗は、自分を手招く店主を見つけようやく足を動かす。満席かと思われたが、いつも座っているカウンターの右端の席は空いていた。


「おかえり世斗」

「ただいま。っていうかこの人たちどうしたの?こんなに混んでいるの初めてじゃない?」

 まるで自宅に帰ったかのように挨拶をして、テーブルに肘をついた世斗は店内を振り返る。

「この辺りにSNSで話題になった店があるんだよ。その店が満席で入店を断られたお客さんが来てくれたってわけ」

「なるほど志騎さんにとっては棚ボタだね」

「たしかにそうだね。売上的にはしばらく休んでもいいかもしれないな」

「えっ、それは俺が困る」

「冗談だ」


 ちょうどカラフルな飲み物を作り終えた店主の志騎は悪戯っぽく笑いながら、世斗の前にガラス皿を差しだした。つまみにしてはずいぶん可愛らしい見た目。照明に反射してきらめく色とりどりの小さな粒を指でつまむ。口に含み舌先で転がすと口内に甘味が広がっていった。


「金平糖なんて久々に食べた」

「近くに専門店が出来たんだよ」

「ふぅん」

 色々な専門店があるもんだなと今度は三、四粒まとめて口に放り込む。

「今注文が立て込んでいるから少し待てるか?」

「もちろん。ここ空けといてくれただけで助かるし」

「ここは世斗の特等席だから」


 軽やかに笑った志騎は他の客のドリンクを作りにいった。

 世斗は特別扱いを好まない。ただ志騎相手だとこうした軽口を楽しめる。リップサービスだと分かっていても素直に嬉しい。


 金平糖を舌の上で転がしていた世斗は、一人になった途端遠慮のない視線を感じた。頬杖をついたままさりげなく店内を見渡す。ナンバーワンには程遠いが世斗もホストだ。見た目の良さは自覚している。値踏みされているだけなら分かるがそれだけじゃない。案の定好意的とはいえない視線を送る客の目星がついた。さらりとその視線をかわした世斗は金平糖をつまむ。


 この店は志騎目当ての客も多い。さっきから親しげに志騎と話していた世斗をライバルだと思っているのだろうか。

 がりっと金平糖を噛み砕いて世斗は含み笑った。


 ここはいわゆる同性愛者が集まるバー。


 この通りはそういったお店がほとんどだ。初めて店に来た人が多いといっても、この店がどういう場所かは知っているはず。ふらりと入った店のマスターを気に入ったとしても不思議じゃなかった。

 ただそんな目で相手を見ているだけの甲斐性なしは志騎の話し相手にもならない。世斗は皿に残った金平糖を鷲掴みして口に放り込んだ。

 店主を口説くことは咎められているわけじゃない。本人にその気があるかどうかだけ。早速世斗との会話が一区切りついたのを見て、志騎は他のお客さんから声をかけられていた。

 志騎さんモテるからなぁとその様子を眺めつつ、がりがりと一気に噛み砕く。


「ご一緒しても?」

 突然声をかけられ振り返ると、爽やかそうな男がグラスを片手に世斗を見て微笑んでいた。

 見た目は合格。

 身に着けているものも悪くない。

 パッと値踏みをした世斗が「いいよ」と返事をすると、男は隣にやってきた。


「お兄さんここ初めて?」

「ああ、店自体は前から気になっていたんだけどね。俺は陽太って言うんだ。よろしく」

「よろしく。俺は世斗」

「世斗?格好いい名前だね」

「ありがとう」

 

 会話のテンポもちょうどいい。

 ふわふわとした当たり障りのない会話をしていると陽太が少し体を寄せてきた。


「そういえばマスターとずいぶん親しげにしているけど、世斗くんは彼のお気に入りかい?」

 他のお客さんに聞こえないように声を潜めた男を世斗はけらけらと笑い飛ばす。

「ただの常連客だよ。俺そういう相手は作らないんだ」

 世斗が答えると陽太はさらっと腰に手を回してきた。

 手が早い男だが悪くない。お互い目的が一致しているのなら尚更だ。

「それならよかった。俺も同じ考えだよ」

 耳元で熱っぽく囁かれてくすぐったさに身をよじる。

 躊躇う必要はない。可愛く頷けばそれで目的は達成される。頭では分かっているのに世斗の悪い癖が心の中で疼きだした。


(おい馬鹿。折角のチャンスを無駄にするのか)


 やめろ、と叫ぶ心の声を無視して軽く頬を染めた世斗は陽太の耳元に顔を寄せる。

「お誘いありがと……でも、俺がタチだって言ったら陽太さんはどうする?」

 顔を離してにっこりと笑ってみせると、見るからに相手の顔色が変わった。腰に回された手がさりげなく離れていく。

「……え、っとそれは冗談じゃなくて?」

「どうでしょう?」

 少し唇の端を上げて笑って見せると口ごもった陽太は世斗と距離を取った。

「そ、そうか。それじゃ悪いが、また」

「ご期待に沿えなくてごめんねー!」

 逃げるようにその場を離れていく陽太に明るく声をかける。遠くの席に戻っていったのを見届けた世斗は、男が置いていったカクテルを一気に煽った。


「おい。そういう飲み方はするな」

 目の前に戻ってきていた志騎に窘められるが今は許してほしい。陽太はずいぶん強い酒を飲んでいたのか一気に飲み干すと胸の奥が一気に熱くなる。すぐに水が入ったコップが置かれ、有り難くコップに口をつけると志騎が呆れた顔をしていた。


「またあんなこと言って」

「分かってるって。でも志騎さんだって知っているだろ。俺は面倒な奴なの。あーあ、それにしても俺そんなに可愛いかな」

「うん。可愛いんじゃない?」

「志騎さんの言葉は軽いんだよなぁ」

「嘘じゃないって。とりあえずこれでも飲んで」


 口を尖らせた世斗の前に淡いピンク色のカクテルが置かれた。

 言われるがままグラスに口をつけると、さっぱりとした飲み口をしている。アルコールもさっき飲んだものよりかなり弱い。仕事先でお酒を飲んでくる世斗用の軽くて美味しいカクテルだ。

 

 ちびちびと飲みながら、また注文を受けた志騎が目の前から離れていく姿をなんとなく見送って世斗は大きなため息をつく。

 もう月末だというのに、今月は一度も相手が見つかっていない。

 そういえば先月もそうだった。自分で自分を慰める方法ばかりになっている。そもそもさっきだって、別にタチと断言はしていないのだから「それでもいい!」と求めてくれれば良かったんだ。


 それか少しでも考える素振りを見せてくれたなら一緒に行ったのに。


 正直どっちでも構わないのだ。

 気持ちが良ければなんでもいい。

 それなのに簡単な相手と思われるのも嫌なんて、我ながらなんて面倒臭い。実際ネコをするときのほうが多いし本質的には完全にネコだ。

 相手に言われるがまま行為をしていた頃もあったがそれは昔の黒歴史。いろいろ経た今は、一度相手を試してしまう浅ましい自分だけが残ってしまった。


 さっきの男もけっこうタイプだったから素直に抱かれてみても良かったのに。今更後悔しても仕方がないが世斗はグラスの水滴を指でなぞる。はぁともう一度ため息をつくと、突然がしゃんとグラスの割れる音が響いた。


「す、すいませんっ」

「大丈夫ですよ。怪我はないですか?」

 一瞬店内は静まり返るがすぐに賑わいを取り戻す。

 割った本人は恐縮しているがすぐに駆け付けてきた志騎のフォローに、目がハートになっているような気がした。

 だめだめ。志騎さんはどんなイケメンがきたってなびかないよ、そう教えたくなるがグッと堪える。

 

片付けをしている志騎の手元を見つめていた世斗がなんとなく視線をあげる。まるで何かに惹きつけられるように。世斗は壁際の席に座る一人の男に釘付けになった。

 

二人席に一人で座っている男性は今同じ店内にいるとは思えない。その場だけ時が止まっているように見える。遠くからでも独特なオーラを感じた世斗は彼の顔を凝視した。横顔の美しさは芸能人レベルのように思える。ゆっくり店内を見渡してみるが、明らかにこの中で一番だろう。それなのに彼の正面には誰も座っていない。


 芸術品のような美しさ。

 耽美な人とでもいうべきか。


 あの空間だけどう見ても異質だった。男から目が離せなくなる。なんでこんないい男が一人でいるのだろうか。


 机には一つしかグラスが置かれておらず、連れがいるようにも見えない。

 楽しくお酒を飲むBarの雰囲気に似合わないかっちりとしたスーツ姿からは真面目な印象を受ける。職業を聞いたら「銀行員です」とでも言いそうだ。姿勢だって背中に板でも入っているかのようにピンと張っている。


 ごくりと喉を鳴らした世斗は席を立った。

 滅多に自分から声をかけることはないが、逃せないと本能が言う。男は世斗が近づいてきても微動だにせず、姿勢を正したままじっと虚空を見つめていた。


「お兄さんこのお店初めて?」


 声をかけると少し間があった後、その瞳がゆっくりと世斗に向けられた。

 見透かされるような鋭い視線に肌が粟立つ。独特な緊張感にどこか心許無い気持ちになりながらも、世斗は表情を崩さない。にっこりと笑っていると男が口を開いた。


「君は……俺に話しかけているのか?」

「えっ。そうだよ。他に人いないだろ?」

「そ、そうか」


 男は急に立ち上がりまた椅子に座りなおす。その一瞬でスタイルがいいことも分かった。ますます好みだと思った矢先、男はぎこちない手つきで前の椅子を指さして「それならここに座るといい」と言う。


 目は泳ぐし、様子がおかしい。

 良いのは見た目だけか。

 間違ったかなと首を傾げつつ勧められるがまま腰を下ろす。


 対峙してみると本当に整った顔立ちをしていた。やっぱり好みの顔だ。これは女にだって不自由をしないだろうに、お互い難儀な性を抱えている。

 いつもの癖で頭の先から服と手首につけている時計にまでサッと目でなぞると、ほぉとため息が出そうになった。


 髪形一つとってもいかにも真面目そう。オシャレには程遠いがこのビジュアルだからこれはこれでアリ。愛嬌がある世斗とは正反対の美しい綺麗な男はまさに大人の男という感じだった。座っているせいでズボンや靴は見えないが、ジャケットやシャツは安い量販店の物じゃない。それにあの時計は0の桁が恐ろしいほど並ぶものだ。おそらくすべてハイブランドでまとめられている。見た目だけでこれほどまで経済状況が伝わってくる相手もなかなかいない。

 男は何か思案した後おもむろに口を開いた。


「君はなぜ私に声をかけてきたんだ?」

「なぜって。お兄さん慣れてなさそうだけど、良い人がいたら一緒に飲みたいって思うでしょ。ここはそういう場所じゃん」

「そう言う場所……」


 言葉を反芻されてぎくりとする。

 もしかして本当にただふらっとやってきただけなのだろうか。ということはノンケの可能性も捨てきれない。世斗は最初に志騎が言っていた言葉を思い出した。“SNSで話題になった店から入店を断られたお客さん”というのは一般人も含んでいたのかもしれない。


 よく考えたら分かるはずなのに、この店に来ている人はみんな同性が好きなのだと思い込んでいた。

 特別な相手を作らずワンナイトを繰り返している世斗にとってノンケと関わるのは論外。気持ち悪がられるならまだしも話のネタにされるのはまっぴらだった。


「あ、えっと……全然普通に。ただ俺も一人で来ていたから、誰かと飲みたいなって思って」

 咄嗟にそんな言い訳を口にするが無理があるだろうか。内心焦る世斗をよそに、男は二度大きく瞬きをしたあと急に手を挙げて志騎を呼んだ。

「すまない。この子に何か飲み物を」

「かしこまりました」


 志騎はいつの間に席を移動した世斗に何も言わず、すぐにカウンターに戻っていった。そしてあっという間にカクテルを作って持ってきてくれる。机に置いてあるグラスはまだ半分ほどしか減っていない。汗のかいたそのグラスの向かいに新しいグラスが置かれる。薄い水色と、飲みかけの淡いグリーン色が綺麗に重なった。


「ここのマスターが作るの美味しいよね」

「ああ、そうだな。たしかに飲みやすい」


 余計なことを言わないように注意しながら慎重に言葉を選ぶ。ただそんな上っ面の会話は長続きせず、すぐに沈黙が広がった。世斗がグラスの水面を見つめていると男は少しだけ眉を下げる。


「すまない。せっかく声をかけてくれたのに。俺は会話があまり得意ではないようだ」


 明らかにこの場になれていない。

 やはり間違ってこの店に来て居た堪れないってところか。


 「そんなことないよ」と軽く笑ってカクテルを口に含む。さっぱりとした飲み口に、世斗は少しずつ冷静さを取り戻していた。


 むしろ突然男に誘われたら戸惑うのも無理はない。

 嫌悪感を出してくるわけでもなく、興味本位で色々聞きだそうともしない。それどころか自分が至らないと謝る男は多分人が良いのだろう。


「ごめんね。突然話しかけて驚かせちゃって。あ、これは自分で払うから大丈夫ですよ」

 好みの顔を近くて見られただけ良しとしよう。

 気を遣わせないようにあえて明るくそう言って立ち上がると、男はその場を去ろうとする世斗を引き留める素振りを見せた。

「あっ。いや、その……嫌じゃなければご馳走させてほしい」

「俺は嫌じゃないけど……」

 嫌がっているのは男の方だと思っていたが、どうやらこれも世斗の勘違いらしい。

「じゃあ、座ってくれ」

「あ、うん。それじゃ、今日はおにーさんの会話術でも向上させようか」


 今日は相手探しを諦めろ、と神のお告げかもしれない。

 世斗はノンケの男と会話を楽しむ方向にシフトチェンジした。会話が苦手というタイプは性別にかかわらず一定数いる。ホストはお客さんを楽しませる職業だ。世斗も例外ではない。こういう人を満足させる手腕は持ち合わせている。


 再び椅子に座った世斗に男はホッと息をついた。引き留めるために伸ばした手を引っ込めて姿勢を正す。いちいち真面目そうな男だ。からからと笑った世斗は場を和ませようと明るい口調で問いかけた。


「どうする?初対面の人との会話とか俺けっこう色々引き出し持ってるけど」


 お互い楽しかったという時間を過ごそうとそう提案すると、男は真剣な顔で世斗と目を合わせる。


「一つ聞きたいんだが」

「え……何?」

 改まった空気に世斗は思わず身構えた。

「さっき君は、良い人がいたらと言っていたが、それはその……。俺を、性的に見られるということだろうか」

「は?」


 突拍子もないことを言われ世斗は口をあんぐりと開けた。揶揄うわけでも馬鹿にしているわけでもなく、男は真剣な顔でさらに続ける。


「何か基準があるのだろうか?それともタイプということなのだろうか?そもそもいったいどういうことを指しているんだ?」


 間抜けな顔をしていることに気付き慌てて口を閉じる。返事をしようと思ったがなんて言っていいか分からず、とりあえずグラスをあおった。一気に喉を通っていった液体は気管支に入り、激しく咳き込み滲んだ視界を拭っていると気遣う声が聞こえる。


「大丈夫か?」

「ごほ、ごほっ。……いやいや、大丈夫か?じゃなくて何言ってんの?」

「すまない。きっと俺は変なことを言っているんだよな」


 いや“すまない”でもなくて。

 なんとか呼吸を整えた世斗はとりあえず椅子に座りなおした。

 決して冗談を言っている様子でもなく、真剣な顔で言うからこそ戸惑う。パッと目をそらしたが、この間も顔を上げれば自分をまっすぐ見つめてくる視線とぶつかる気がしてなかなか上げられない。


 見た目につられて変な人に関わってしまった。

 仕事柄色々な人と関わってきたがこういうタイプの人間は初めてだった。

 返事をしない世斗に男がぽつりと呟く。


「本当に揶揄うつもりも困らせるつもりもないんだ」

 あまりにも声色を落としてそう言う男に思わず顔を上げる。目が合うと眉尻を下げた男が自分のグラスを両手で包んだ。

「お詫び、ではないが君が向こうで飲んでいた分も払っておく」

「それは」

「声をかけてきてくれたこと嬉しかった。ありがとう」

 相手からそう言ってくれるのだから立ち去りやすい環境になった。それなのになぜか世斗の身体は動かない。


「あのさ」


 頭がキレる方だと思っていた。言葉にする前に一度考える。言っていいこと、悪いこと、さらに今言うべきことと、そうじゃないこと。空気を読み相手の気持ちを推し量ることも、察することも得意だ。


 それなのに、今世斗の頭には何も浮かんでこない。

 むしろさっきから世斗の心情を分かったように言う男に少しだけ苛つく。嫌だったら自分からこの場を離れる。気持ちだけが先走って世斗の口を動かした。


「別に俺困ってないから。そうやって勝手に決めつけるなよ」

「すまない」

「いや、謝ってほしいわけでもなくて。それに俺はさ。なんていうかお兄さんの話?聞きたいって思うんだけど、変かな?」

 男は目を大きく見開き首を傾げた。

「分からない。話を聞いてくれるなら俺にとっては有り難いが……本当に君はそれでいいのか?」

「なんだろうね。興味がわいちゃった。変な者同士仲良くしようよ」


 強張っていた身体から力が抜けていく。

 自然と笑って見せると男も少しだけ口角を上げてくれた。その顔の美しさに目を奪われてしまったのは、やっぱり顔が好みなのだろうか。




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