表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
届かぬ調べに、心が響き合い  作者: 相沢蒼依


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/114

第五章 恋の鼓動と開く心28

***


 陽太の荷物と自分の荷物を両手に、指定されていた部屋に到着。すでに布団が敷かれていて、各々好きな場所で寝ることになった。


「月岡は西野の隣で大丈夫?」


 成田くんが、離れたところから問いかけた。


「俺は大丈夫だけど陽太の寝るところ、班長として動きやすい壁側のほうがいいかなぁ」

「月岡、心配するところはそこじゃないって」


 別の班員が口にした意味がわからず、首を傾げてしまった。


「西野の好きな相手が隣にいるのって、危険度がマックスだろ」

「陽太はそんなことをしないよ」


 俺が即答すると、班員それぞれが困惑の表情を浮かべて目配せする。


「西野を信頼してる月岡には悪いけど、こればっかりは大丈夫って言えない」

「成田くん?」

「今日一日、いつも以上に密着されてるのを見ているし、その勢いのままに布団に入られたら、月岡はしっかり拒否れる?」


 注がれる成田くんの視線にきちんと合わせて、明瞭な口調で告げる。


「嫌なことは口にして、ちゃんと陽太に伝えてる。ああ見えても彼は、ある一定のラインを決めて守っていたよ」


 手を繋ぐ以上の接触は、一切おこなっていない。口では腕を組みたいなんて言ってたのに、それをする素振りすら俺に見せなかった。


「陽太は俺に嫌われることは、絶対にしない。だから隣でも大丈夫」

「まぁなぁ。俺らもいるし、変なコトをしないとは思いたいけどさあ」

「俺は陽太を信じてる。みんなも陽太を信じてくれないかな?」


 一人ひとりの顔を見ながら、お願いしてみた。


「西野はテストのヤマ張りしたり、体育祭でも応援団長やったりして、B組に貢献してるヤツだけどさ」


 ほかにも陽太を称賛する言葉を告げたので、このタイミングでそれに乗っからなければと、嬉々としてみんなに語りかけた。


「今回の中間テストのヤマ張りを一緒にして、改めて陽太はすごいなって思ったんだよ。自分の勉強時間を割いて、クラスのために無償でやっていることだからね」

「まぁ確かにな。これまで小テストもさりげなく知らせてくれただけじゃなく、ヤマ張りもしていたわけだし」


 誰かがボソッと告げたセリフに、俺は声を大にして答えた。


「そうそう! しかも陽太は、部活をやってるのにだよ。しかも中間テストは全教科だしね。実際に手がけてみたら、すごーく大変だったんだ」

「でも今回は、月岡と佐伯が手伝ったって聞いたけど」

「うん。実は佐伯と俺、アルファの陽太の実力が知りたくて、ちょっとした(かせ)を彼につけてしまったんだ。その関係でヤマ張りを手伝ったんだよ」

(かせ)ってどんなこと?」


 俺の言葉に反応した班員が、興味津々な表情を浮かべて傍に集まってしまった。


「あ、えーっと……」

「あの佐伯がっていうのが、すげぇ気になるよな」

「ほんとそれ! ふたり揃って、西野になにをやらせたんだか」


 早く白状してしまえという熱気が、雰囲気になって伝わってきた。大変なことになってしまったのを肌で感じて、あわあわしてしまう。


「とっとと言わないとここにいる全員で、月岡をくすぐってしまうかもしれないよ?」


 なぁんて信じられないことを成田くんが告げると、息を合わせたみたいに班員のみんなが両手をあげて、指先を空中でもちょもちょ動かす。


「ちょっと待って。言うから、みんな手をおろしてよ!」


 俺からのお願いに、みんなが含み笑いで目配せして、両手を静かに膝の上に置いてくれた。


「その……陽太の中間テストの結果が学年5位以内になったら、俺が恋の指南を受けるっていう(かせ)――」

「キツっ! なんだその(かせ)、絶対に無理だろ」

「さすがは、佐伯って感じのお願いだな」

「それを受ける西野もすげぇよ」


 俺が吐露した途端に、みんなが驚愕の表情を浮かべて、口々に感想を述べていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ