チート使用者は死刑
その後もシンメトラでロームを繰り返しどうにか最終チェックポイントまで辿り着かれる前に防衛に成功した
【ローム】個人で動くこと、リスクは高いがその分味方に依存しない動きができる
「『防衛はなんとかなりましたが、攻撃は連携が大事なのでしっかりしましょう』」
どうせ返事なんて返って来ないと分かりつつもVCで呼びかける。するとドスの効いた声が返ってきた
「『オイ、お前。シンメトル使ってるお前。代行してんのか?まさかチートじゃないよな??どれにしても違法だぞ。今回は味方だからって俺は許さねえぞ。お前戦績と個人識別IDを開示しろ。この試合が終わったら国に鑑定に出させてもらう。』」
ルシウを使っていた味方から怒涛のVCが返ってきた。まだ完全には戻っていない記憶を思い出す。この世界ではサブ垢を作ることは不可能とされている。元の世界とどう分岐したのか不明だが、ゲームのランクが全ての世界だからだ。つまり地位も名誉も収入もランクに比例する。個人のアカウントは完全に個人と紐付けられている。
コーチング等も資格が無いとできない、代行は行った者も依頼した者も懲役。チートは死刑すらありえる。それがこの世界での常識なのである。
俺はどう返答すれば良いのか悩んでいた。スマーフのような状況になってはいるか、この世界にスマーフというモノは無い。元の世界で億万長者が全財産を全て捨て0から誰にも知られずにやり直すようなことをしないように、この世界で全てを捨ててトロール行為を繰り返してまでブロンズからやり直す人は居ない。トロール行為は社会的信用を失いマッチングしなくなっていくため誰もしない。
【トロール】わざと負けること、劣勢の試合を諦めて放棄することも含む。
「『代行じゃないですよ!!ほら!!これ俺の戦績です。個人識別IDの開示はあなたが先に開示していただけるのでしたら応じます。ほら、モイル専だったんですが、このままモイルだけ使ってても伸びしろないなー!って。シンメトルを使ってみた訳です!!上手く行って良かったーー!!』」
流石に苦しい言い訳かもしれない。防衛だけで34キル0デスはやりすぎたか……?