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第5話 浅川と羽川の出会い

 私(浅川結衣)はいろいろ考えた。勉強についての認識、考え方を改めるにはどうすればよいか。今の認識を是とする社会を変えることが必要だ。社会を変えるにはどうすればいいか。社会の仕組みをつくるのは国会である。国会に参加するのは選挙によって選ばれた代表者である。彼らのほとんどは”政党”という集団に所属し、政党の方針に拘束されている。その代わりに有名な政党であれば票が集まりやすい。一方で、自分の意見だけでは行動できなくなる。私は議員には向いていないと思う。自分が正しいと感じたことを実行したい。無所属で当選なんてこのご時世、不可能である。みんな選挙運動が優勢なところへ入れようとするからだ。政策を気にしている人なんてほんの一握りであろうよ。だから私はそういう受け身の社会風潮を払拭したいのだ。国民ひとりひとりが自主的に政治に関わることができる社会。その社会をつくるためには選挙制度というものは向いていないのではないか。今の社会に何が足りないか。そう、意見を言う機会が選挙しかないのだ。国勢調査や内閣支持率なんかでは別に政治方針の大きな転換なんて起こりえない。インターネットが普及した現代なら直接民主主義を行えるのではないか。私はこう提案したい。それが無理ならば小さな地域ごとに直接投票してもよいのではないだろうか。私は新たな政治制度の想像を膨らませながら街を歩いていた。

 ふと駅前で足が止まった。いや、立ち止まってみたくなった。今まで演説なんてものに惹かれたことはなかった。なぜなら私が共感できるものがなかったから。でもこれは違う。間違いない。私の考える社会への不満を、ありのままを訴えている。私は彼に近付いてみた。名前は羽川五太郎というらしい。彼は今、駅前でさっきまで私が考えていた不満を、そのまま訴えていた。

「今の社会は学歴学歴とうるさい。勉強勉強とうるさい。受験受験とうるさい。私はひとりひとりが学びたいことをとことん学べる社会にしたい。入試制度を変えたい。学びたい分野が強い大学に行けたらいいな、学びたいことだけ学びたいな。それでいいじゃないですか。」

聴衆はとても多かった。学校のステージほどのスペースの狭い駅前なのに軽く200人は超えていたと思う。私と同じ考えの人がいる、それだけでなんだか胸が熱くなった。

 演説終了後、私は彼に声をかけてみた。彼と私は場所を移し、彼の仕事場で長く語り合った。熱く語り合った。すっかり意気投合して今後の活動を一緒にやろうということになった。私はとてもうれしかった。これからいよいよ社会を変えるという大きな目標を掲げて行動していくのだ。重圧と不安と希望を胸に、私たちは大きな一歩を踏み出した。

 どうも、読んでいただきありがとうございます。つづきの投稿まで日にちがあいてしまって申し訳ありませんでした。かなり多くの方が読んでくださっていることを知り、感謝の気持ちでいっぱいです。


 浅川さんは社会への不満を、暴力等ではなく改革を目指して行動することで表していますね。私自身は社会に不満があるというわけではないのですが、選挙という自分の意見を言う、貴重な機会を捨てている若者が多い(若者の投票率が低い)というニュースに首をかしげています。また、同時に、選挙だけでは国民の意見を十分に反映できていないのではと考えています。議員も政党も、聞き取り調査や意見募集などをしてくださっていますが…。


 上記のことは私の独り言ですので、お気になさらず。この作品では「勉強は何のためにするのか」、「現代の常識を変えたい」という2つの柱でお送りしていきます。今後とも読んでいただければ幸いです。それではまた、次回もお楽しみに。

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