七話 誘い
数日後、俺は城に呼ばれた。両親と一緒にだ。今は謁見の間で頭を下げて王様の言葉を待っている。
「皆、楽にせよ。」
「ありがとうございます。」
王様を見ると目が合った。王様の隣には王妃様とリリィが座っている。
「ルカ・レイラよ。リリィと親しくしてくれているのだろう?感謝する。」
「勿体無い御言葉、ありがとうございます。」
「さて、本題といこうか。お主は聖獣ではないか?知能が高く、白き獣は古くから聖獣と言われておる。聖獣は国を災厄から護ったこともある、神の御使いとされる存在だ。どうかこの国を護ってはくれないか?」
そんなこと聞いていない。いや、俺が聞かなかったのか。契約者を護った結果、国を護ることになったとも考えられるか。
「護りますよ。家族がいるので。」
「ではっ…」
「ですが、王家の方と契約をしてくれという話でしたら、今はお断りさせて頂きます。申し訳ありません。」
王様の言葉を遮ってしまった。両親は驚愕の表情を浮かべている。
「っ!?何故?」
「まだ私が未熟者であるからです。」
俺は身体の力を抜いた。すると、見える世界が低くなった。聖獣の姿になったんだ。俺の姿を見て両親の表情が更に驚愕なものになった。
「今、身体の力を抜きました。これだけで人間の姿を保てなくなるのです。このような未熟者に契約をする資格はありません。ですので、今は契約を誰とも出来ないのです。」
「なるほど。それならば仕方あるまい。」
「ご理解ありがとうございます。」