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魔力無しは聖獣となる  作者: 林十-りんと-
第二章 聖獣
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五話 人間ではない

 他の先生達と軍人数人がやって来た。誰か逃げて助けを呼んでくれていたのだろう。俺は獣の姿のままだ。

「聖獣だ。」

 大人の誰かがそう言った。そして俺を見て警戒する人、驚愕する人がいた。そんな中、リリィが俺に近付いて来る。それを止めようとする大人に大丈夫と言って、更に近付いて止まった。

「ルカなんだよね?」

「そうだよ。」

 話せるとは思わなかったが、話せるものなんだな。


 人間の姿に戻っ…なった方が良いだろうか。念じてみる。…なったのかな。見える世界が高くなった。違和感も獣の姿より強くなった。

 大人全員は驚愕、クラスメイトは安堵の表情を浮かべていた。

「戻ってる?」

 もう俺の中では戻るとは違うのだが、敢えて使う。

「うん。」

 リリィは優しい笑顔、だけど複雑な表情を浮かべていた。

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