忸怩
なんか唾飲むとめっちゃごきゅってなる。
娘が男を連れてきた。
顔を見た瞬間、この男とは合わないと思った。
男は娘と同じ大学の四年生で今年卒業らしい。
娘を二階に行かせ、男と向き合った。
「私がこんなことをいうのもあれだが、あんな大学に行っているような男と付き合わせられない」
俺は小さい頃から娘を甘やかしてきた。これではいけないと、ここ数年は厳しくしているつもりだが状況はなにも変わらない。
娘は、俺が仕事が忙しくなり遅くに帰宅するようになった中学二年生の頃から、友達の家に泊まることが増えた。高校では遊んでばかりで学校に行かない日も多かった。そんな娘をなんとか説得して、半ば無理やり大学に行かせた。受かったのはいわゆるFラン大学だけだった。
「今四年なんだろ? そろそろ内定が出始める頃だ。それなりのところに就職するなら付き合っても構わない」
俺はこの男と娘を付き合わせるつもりなどなかった。それなりなんて曖昧な言葉を使って、どこに就職しても納得しないはずだった。
男は一枚の封筒を俺に差し出す。A社の内定通知だった。
思わず「これは本物か?」なんて馬鹿げたことを言った。A社は名の知れた大企業である。
男は「はい」とだけ言った。
俺はしばらく机の上の内定通知を眺めていた。
男が家に来てから三ヶ月が経った頃、初めて男と酒を飲んだ。彼は酒はそれなりに強く、気分が良くなった俺は遅くまで彼と飲み続けた。久しぶりの酒は極上で喉に染みた。
それから男は二週間置きに家に来るようになった。その度に彼を誘っては酒を飲んだ。
ある日初めて男から酒に誘われた。いつもは家で飲んでいたが、連れられて来たのは駅前の居酒屋。そこは娘が生まれる前に、俺がよく通っていた場所だった。
男はいつもよりハイペースでハイボールをあおって、案の定早々に酔った。彼は人前で酔うことが嫌いだったので、俺はかなり驚いた。
男の家を知らないので、俺は自宅へ向かった。肩を貸しながら街灯のない真っ暗な道を道路の端から端へふらふらと歩いた。
ようやく家についてポケットから鍵を取り出して鍵穴に挿した。
鍵を捻ろうとしたが、俺はしばらく出来ないでいた。
今更になって、彼女が如何に自分にとって価値のある存在だったか再認識させられる。
大丈夫、大丈夫と震える手で自分に言い聞かせて、男を見た。
嬉しい気持ちと寂しい気持ちが、質量を持って溢れた。
批判してほしい。
ハイボール煽るって変だったかな。
だ、た、で終わる文が多い気がするが違和感がない気もする。教えて読み慣れてる人!
あとジャンルってなににすりゃええのん?純文学覗いてきたけどあれは純文学なんか?




