第6話・行動開始1
「ねぇ、聞いた?ここ学校の生徒が殺されたって話。」
「うそぉ〜怖いねぇ〜」朝の通学路ではこの話題でいっぱいだった。
いつも朝早く来ている祐哉は、この話題にウンザリしていた。最初は自分が殺したことをすぐにバレないかと心配したが、そんな心配は数時間で消え、内心では(結局、こいつらは自分が殺されなくて良かったとか、あいつウザかったから死んでくれて良かったとかしか思ってないんだろうな)などと考えていた。その時
「祐哉、おはよー!」
と後ろから声を掛けられて、祐哉はハッとした。いつの間にか、学校に登校してから20分たっていた。
「なんだ、夕蘭か。」
「なんだとは何よ。失礼ね。そっちこそ、ボーっとして、どうしたのよ。そうやって、ボーっとしてるから、か・彼女と別れるんだよ。」
夕蘭は、珍しく反論した。何故なら、聞きたい事があったからだ。
「俺に彼女なんかいねぇよ。それに、いつもボーっとなんかしてねぇよ。」
「あーそ。ねぇ、1つ聞いていい?」
夕蘭が訊ねた。
「一回100円でな。」
「誰も払わないよ!・・・ねぇ、この学校、アクセサリー禁止で見つかったら、罰として1ヶ月掃除なのに、どうして祐哉がつけている、その腕輪って誰も気にしてみればないの?それに、その腕輪、変な感じがするの。こう・・・うなじの辺りがピリピリするような・・・。」
祐哉は少なからず驚いた。
「お前ッ。これが見えるのか?」
「えぇ。やっぱりそれ、私にだけ見えるってことは、この世の物じゃないわね。実は、私の先祖はね、陰陽道をやっていて、霊感があったの。その血を、私は受け継いでいて、この世の物じゃない物まで見えるの。もしもあなたがそれを拾っただけならば、すぐに捨てた方がいいわよ。」
夕蘭が言い終えたのを見計らってか、その時放送が流れた。
《えー、あーマイクのテストです。えー、皆さん緊急集会があります。至急二階の体育館にお集まり下さい。繰り返します・・・》
裕哉は、これ幸いと話題を変えた。
「おい、集会だぞ。」
「話逸らさないでよ!」「ハァ。これは、友達からお守りとして貰ったものだ。気にするな。集会行くぞ。」
そういって、祐哉は夕蘭を置いてさっさと体育館に向かった。
「皆さん。今回は小田竜二君が亡くなってしまい・・・」
集会では、校長先生が、昨日の事件を長々と話始めた。
(祐哉、どうしたんだろう・・・腕輪の事に触れたら急にイライラし始めて。それに、祐哉があの腕輪をつけてから次の日に竜二君が殺されて・・・何かつながりがあるのかなぁ。)
集会の間夕蘭はずっと考えてていた。
(チッ。うかつだった。死神を呼び寄せるために腕輪をはめていたのに。まさか、あいつがこの腕輪が見えるなんてな。まぁ、あいつなら大丈夫だろ。結構鈍感だし。それよりも問題なのは・・・この学校は、悪の巣窟か?さっきから俺と同じ腕輪の奴が結構いるんだけど。) などと考えていた。集会が終わると祐哉は、友達数人と教室に戻って行った途中まで付いてきた何か言いたそうな夕蘭を無視して。
教室では不思議なことが起こっていた。
「なぁ、あの竜二ってやつ、本当は結構いいやつみたいだったんだぜ。」
「マジ?」
「例えばさ・・・。」
なぜならそこでは、殺された竜二のいい話で持ちきりになっていたのだ。
祐哉は不思議に思った。(俺は、いらない奴を消してやったんだぞ。どーしてみんなヤッターとかいわねぇんだ?まぁ、いいか。)
そう思い、今日は誰を狩ろうか考え始めた。