第5話・初めての狩り2
「じゃぁな。」
「あぁ。」
といって、ゲーセンで遊び終わった学校一の問題児・竜二とその友達は、店の前で別れた。そして、竜二は家へ向かって歩き出した。後ろから祐哉がついてきている事も知らずに・・。
竜二の家は、学校から歩いて80分の所にある。親は、離婚届がいつ出されてもいいような雰囲気でいつも夜遅くにしか帰って来ない。帰ってきてもケンカどころか、相手を空気のように接していて、そんな家にはあまり帰りたくないので、いつも家から遠いゲーセンにまで行って、歩いて帰るのだ。
太陽などとうに沈んで街頭が頼りなさげに光っている人通りのない道を竜二は1人であるいていた。(正確には2人なのだが。)
(簡単だな。こんなに無防備なら、すぐに殺れるぜ。しかし、問題はこの腕輪だ。ったく、どうやって武器化すんだよ。ま、一応外して手に持っとくか。)
と祐哉が外して、手に持ち、少しずつ目の前の獲物に近づいて行こうと歩き出したした、その時だった。急に、手に重りを付けたような感じがした祐哉は立ち止まり下を向いて手を確認した。そこにはなんと・・・腕輪が、溶け出して何かの形を作り出していった。(個人個人の強さによって変わって来るっていってたよな、あの悪魔。俺は、死神らしく鎌とかがいいな。)
と思いながら、獲物とあまり離れないようにさながら、手から目を離さないようにみていた。
そして、武器が出来た。・・・短剣二本だった。持つ部分は、腕輪の時の模様と同じで、刃は、とても鋭く尖っていた。
(チッ。もうちょっとマシなものを期待していたが。まぁいい。それじゃあ、あいつをさっさとかたずけるとするか。)
祐哉は、後一メートルというくらいまで近づくと、声をかけると同時に一つのナイフを両手でもち、竜二に向かっていった。
「おい、竜二。」
「!?、なんだ祐哉かよ。驚かすな・・・う゛ぐ。てめ、何を」
急に腹に違和感を感じた竜ニは、自分の腹に突き刺さったナイフをみて、竜二はびっくりしてもう一本のナイフが首に向かってきたのを見逃した。きずいたときにはもう、首の太い血管を切られていた。・・・そしてそのまま竜二の死体は崩れ落ちていった。
「フン、簡単だな。後はさっさとずらかるか。」
と小声呟くと、ナイフを引き抜いて持参したハンカチでナイフの刃を拭きながら走って行った。後には、竜二の死体とポツンと立っていた街頭だけが残っていた・・・。
そして次の日、出勤しようとその道を通ってきたサラリーマンが、惨い殺されかたをした学生の死体を見つけた。惨い殺されかたをした死体は(竜二の死体も合わせて)日本だけで、丁度100体目だった・・・。