1話 エース編 1
ー10年後、季節は春、二人の男女は両端の森の木々に囲まれた砂利道を歩いている。
赤いブレザーに黒のズボン、黄色いブレザーにチェック柄の
白スカートにみを包んだ二人が、歩きながら穏やかな話をする。
ジェニファー「今日は緊張しますね、お兄様。」
エース「そうだな、ジェニファー。お前は何が楽しみだ?」
ジェニファー「もう色々楽しみです。それにしっかりと勉強したり、お友達を作っていきたいです!」
ジェニファーは慢心な笑顔でそう答えた。
エース「そうか、ジェニファーは強いな、それに比べて...」
ジェニファー「もう、そうやってお兄様は..!その発言は禁止です。」と弱気な兄に頬を膨らませながら一喝する。
エース「そうだな。俺も頑張らないとな!」
そうこう話している内に二人が目指していた目的地にたどり着く。
荘厳な感じの灰色の瓦礫の屏に挟まれた綺麗な銀色のアーティスティックなデザインの開けた門をくぐると目の前の景色に二人は、口が開けてしまうほど驚いた。
エース「おー、スゲー...。」
見ると、人の姿はあまり見えないが、城と見間違えるほどの殺風景で、雰囲気が豊か、煉瓦の建物、そして何より学園生活を送っていくにはとても良い条件だった。
エースがずっと眺め続けているとジェニファーが、ジェニファー「私、多目的室がどこにあるかを確認してきますわ。」といってエースと一旦別れていった。
エース「ふぁー春風が気持ちいい!」
エースは、満天の青空を見て両親のことを思い浮かべていた。
(...父さん、母さん、俺、無事にジェニファーと前向きに歩けているよ。俺、一生懸命頑張るから俺とジェニファーの人生を見守っててくれよ。)