第8話
しばらく歩きまわった後、外が暗くなってきたので途中にあった料理屋で夕食を済ませて、少し話した後、そろそろ帰ろうと思って店を出て少し歩いていると、前から見るからにガラの悪そうな三人組の冒険者がこちらに向かってやってきた。
「よーそこの姉ちゃん、俺たちこれから遊びに行こ〜ぜ〜。俺たちが楽しましてやるからよぉ〜。なぁ〜いいよな。坊主。」
「そーだぜ、俺たちとこれからいいことしようぜ〜、なぁ〜。」
「今ならまだ痛い目見ずに済むぜ〜。早めに決めろよ。ギャッハッハッハッハ。」
(リョータさん、彼らは態度が悪いので有名なんですけどCランクの実力があってギルドでも対処の仕方に困ってる人達なんです。三人相手だと危険ですのでここは何とかしてにげましょう。)
(大丈夫ですよ、アリアさん。まー見ててくださいよ。こんなやつらには負けませんよ。)
そう二人で小さな声で話し合った後、もう一度相手の方を見て鑑定眼を使った。
================================================
名前:ゴーリア(人族)
年齢:28
職業:拳闘士
ランク:C
レベル:30
HP:480/480
MP:100/100
ATK:270(180)
DEF:240(160)
MATK:100
MDEF:100
VIT:200(100)
スキル:拳闘術(C級)、無属性魔法(D級)
名前:ダルシャ(人族)
年齢:29
職業:剣士
ランク:C
レベル:27
HP:450/450
MP:80/80
ATK:225(150)
DEF:200(100)
MATK:100
MDEF:120
VIT:150
スキル:剣術(D級)、無属性魔法(D級)
名前:ケビン(人族)
年齢:28
職業:魔法士
ランク:C
レベル:27
HP:380/380
MP:200/200
ATK:120
DEF:100
MATK:240(160)
MDEF:210(140)
VIT:150
スキル:火属性魔法(D級)、無属性魔法(D級)
================================================
(うーん、ステータスを見る限りぎりぎり勝てそうって感じかな。最悪魔法を使えばどうにかなるだろーし。対人戦闘の訓練にもなるしやってみるか。)
「おい、何ごちゃごちゃ話してんだよ。さっさとしろよ。」
と言われたのでそろそろこっちからも言うか。
「おめーらみたいなやつに渡すかよ。さっさと失せろ、クズども。」
「なんだとコラ、そんじゃーお望みどうりいたぶってやるよ。泣いて謝っても許さねーからな。やれ。」
そう言ったとたんにケビンが魔法の詠唱をし始め、ダルシャが剣をこっちに向かって切りかかってきたので、それを避けながら顎に一発、腹に一発ずつ掌底を打ち込んでぶっ飛ばした。詠唱が終わり、こっちにファイアボールを放ってきたのでこっちもウォーターボールで相殺し、すかさず接近して蹴り飛ばした。
「オーどうしたその程度か。クズども。もっと本気で来いよ。」
「っくそ。本気でやってやるぜ。身体強化」
そう叫んだ瞬間、奴の体が魔力で纏われこっちに向かって殴りかかった。何とか避けることができたがあったったらやばそうなほどの威力だった。
(あぶねー。そんなこともできるのかよ。知らなかったぜ。こっちも使ってみるか。)
「身体強化」
そうしたら俺の体にゴーリアの倍ほどの魔力を纏ったので、次の相手のパンチを片手で受け止め握り潰し、そのまま顎を蹴り飛ばした。
(見よう見まねで使ってみたけど意外にいけたな。これは便利だし今後も使っていくか。)
そんなことを思っていると、
「リョータさん、どうして喧嘩なんて売るんですか。おまけに一瞬で倒しちゃいますし。同ランクですよ。普通はもっと殴り合いみたいな感じになるんですよ。なのに圧勝しちゃうなんて。って、聞いてますか?」
「聞いてる、聞きてる。俺ももっと殴り合う感じかなーと思ったけど、予想以上に弱かったみたい。てへ。」
「てへ、じゃないですよ。相手が弱いんじゃなくてリョータさんが強いんですよ。...はー、もっと言いたいことありますけど、今日は助けていただいてありがとうございました。」
「いいですよ別に。俺もアリアさんとかいものできてよかったです。それじゃーまた明日。」
「ええ、また明日、さようなら。」
そう言って二人が帰った後に、3人は町の兵士に捕らえられた。