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転生チートはマシマシで  作者: 生木
プロローグ
8/9

番外編 寮のサンタさん

本日更新分3/3

本編よりしばらく時間が進んだ後の話なので番外編とします

「夢はサンタさんに何頼むの?」

「うん?」


リビングで寛いでいると、雪姉がそう聞いてくる


「サンタさん?」

「うん、サンタさん。あれ、もしかしてクリスマス知らない?」

「いや、クリスマスは知ってるけど」


あ、そうかもうすぐクリスマスか

こっちにもあるんだな、クリスマス

そういえばなんか最近いろんな家がチカチカしてると思ってたなぁ。前世ではクリスマスなんてあってないようなものだったから忘れてたよ


「そうだねぇ~。もうそろそろお手紙出さないと間に合わないんじゃないかなぁ。」


そう言いながらキッチンから、首璃姉が出てくる


「お手紙?」

「うん、サンタさんにお手紙出して、欲しいプレゼントを教えるの。でないとサンタさん来てくれないよ~」


サンタさんかぁ

僕くらいの歳だとやっぱみんなサンタさん信じてるんだよなぁ

でもなぁ、実年齢的はサンタさんではしゃぐような歳でもないんだよなぁ。前世での嫌な思い出も多いし

雪姉も流石にサンタさん正体には気づいてるだろうしなぁ

でもここはやっぱ皆みたいにはしゃいだ方がいいのかな?


「今年は何だっけ?テレポートでくるって声明があったんだっけ?」

「テレポート!?」


ソリで来るんじゃないの!?


「ええ、去年は一族全員で空飛んできたけど今年はテレポートみたいよ?」

「サンタさんって何者なの!?」

「え………。あ、そういえば夢はサンタさんのこと詳しく知らないのかな?サンタさんはね、北の方に住んでるサンタクロースって言う珍しい種族なの。で、いろいろ不思議な力を持っていて毎年一族全員で世界中のいい子にプレゼントを配るのよ。でも早く手紙出さないとクリスマスまでに届かないよ~」

「私はもう、出したよ?」

「夢も早く手紙書かないとね~」


え!?

もしかしてこの世界ってサンタさん実在する種族なの!?

そりゃ僕の右腕みたいなのがあるんだから不思議な力くらいあってもおかしくないかもしれないけど!?

もうそろそろこの世界にも慣れたかなって思ってたけどやっぱ元の世界とは似てても全然違うなぁ


………っは、つまり!


「うん!急いで書く!!」


子供のころあこがれたサンタに会えるってことじゃないか!!!



♢♦♢♦♢



よしっ、待ちに待ったクリスマスイブ!!!

手紙も出した!

飾り付けもした!

普段ダラダラしてるから万が一悪い子認定されないために寮の手伝いも出来るだけした!


後は、夜を待つのみ!!!


「おやすみなさい!!!」

「は~い、おやすみ~。」


さあ、いつでも来いっ、サンタさん!!!



♢♦♢♦♢



カチッコチッと時計の音だけが真っ暗の部屋の中に反射する………


………暇だ

今日はいつもよりも相当多く昼寝したからまだ大丈夫とはいえさすがにこう暇だとやっていけない

しかも気を抜くと寝ちゃいそうになるし

くそ、今日に限ってはこのいつでもダラダラ寝れる体が恨めしい


時計を見てもまだ夜の9時半

僕以外の誰もベッドに入っていないような時間だ

昨日テレビでやってた現地のサンタの一族から届いたビデオメッセージによると夜0時前後に眠っている子供のところに来ると言っていた

異国の地で地面が氷でできているような場所で撮ったサンタからのメッセージだ

重要なサンタの顔が映っていなかったのはやはり夢を与える存在の顔が見られたらまずいのだろう

テレビが子供をだますためにそこまでのやらせをする事はないだろうし、実際に来たものだろうから、信憑性は高い

それまで待てば、サンタに会えるというわけだ

ああ………暇だ………



♢♦♢♦♢



………っは!

いかん、いつの間にか眠っていた!!

今は何時だ!?


………夜11時半

周りを見渡してもまだプレゼントは無い

あ、危ない

寝落ちして会えなかったとなると後悔してもしきれないぞ………


さて、そろそろかな?

この寮は皆基本的に夜8時には帰ってきて12時には完全に寝てるというようなことを聞いたことがあるのでもうみんなベッドに入った頃だろう

サンタさんが来るのはもうそろそろに違いない!!!


………と、何か外からガサゴソと聞こえる


………来たか?

いや、テレポートで来るなら外からは来ないか?

でも万が一配る相手を間違えてないか表札を確認するくらいはするかもしれないから油断はできない

この寮はいつも夜は完全に締め切っているので外から中に入るには合鍵を持っているか扉をけ破るくらいしか方法がない

どちらにしても窓や玄関の扉から音がするので気が付く

それがなければ、テレポートしたということに間違いない!


と、急に部屋の扉が開く


!?

誰だ!?誰かまだ寝てない人がいたのか!?


いや、違う!

入ってきたのは暗くてよく分からないが、赤い服を着て、白いひげを生やし、小太りしている

うちの寮の人にこんな体型の人はいない!

誰かの変装というわけでもない

まさか………

本物のこの人がサンタさん!!!

そうだ、だって今外にいたのに急に部屋に入ってきたんだからテレポートしたに違いない!!!


こ、これはもっと間近で見るしかない!


一歩一歩、そろりそろりとサンタさんが近づいてくる

そして、僕の頭の付近にそっと何かの箱を置いた

チャンス!ここで目を開けて確認するんだ!!!

と、身を乗り出して顔を確認しようとし………


………ベッドから転げ落ちる


「!?」


しまった!気づかれた!!!

くそ、身を乗り出しすぎたせいでベッドから転げ落ちるとは、一生の不覚!


起き上がろうとした瞬間、サンタさんが急いで部屋から逃げ出す


「あ!待って!!」


急いで僕はそれを追いかける

よし、それほど足は速くない

しかもそこの曲がり角を曲がった先は物置しかない行き止まりだ!

覚悟しろ!!!


そう意気込んでサンタさんが曲がった後、僕も曲がって………


「………な」


絶句する

なぜなら、曲がった先には()()()()

っ《・》()から


まさか、ここでテレポートしたのか!?

さっきまでは近所の人とかに頼んでサンタのふりをしてもらったのかとか疑ってたけどこれはもう間違いない

サンタさんは、実在した!!!



♢♦♢♦♢



「ホントだよ!昨日サンタさん見たの!!!」

「へ~、そうなんだぁ~」

「こう、曲がり角をガッて行ったらね、もう居なくなってたの!あそこでテレポートしたんだよ!!!」

「すごいなぁ~、私はサンタさんみたことないからなぁ」


腐蘭姉はそう言って僕に笑顔を向ける


このすごい経験を、もっといろいろな人に知ってもらわなければ!!!



♢♦♢♦♢



「危ないわねぇ、姿見られてんじゃない。バレたらどうすんのよ」

「うるせえ。雪の方は完全に寝てたから油断しただけだ。腹にあんだけ詰め物したら誰だってまともに走れんわ」

「でも本当に危なかったねぇ。ちゃんと変装しててよかったじゃない」

「お前が外で変な音出したから起きたんじゃないか?」

「こっちだっていろいろ準備してんのよ。最後のトリックの準備ギリギリまでかかったんだから」

「でもホントにこの辺りのクリスマスはすごいですよね。ローカルテレビでサンタの声明とか子供に見せるのこの辺だけですよ?」

「町内会で子供が起きてた時用の変装とかトリックとか配るもんねぇ」

「消えたように見えるミラートリックセットを全家庭分とかどんだけ金使ってんのよ」

「去年は空を飛んだように見せるためのセットとか配られたもんね」

「私もそのせいで去年まで本気でサンタさん信じてたんだよ?」

「高校入るときにばらされたときの顔は今でも忘れられねえよ」

「うるさいわ糞ニート」

「たまに周りの子よりも大人っぽいと思ってたけどやっぱり夢も子供だねぇ。こんなにサンタさんではしゃげるんだもん」

「そう?普段から割とこんなもんじゃない?」

「う~ん、たまに変に物知りなのよねぇあの子。ちょっと学校通い始めたりしたときに浮いたりしないか心配だったけど、大丈夫よね」

「大丈夫でしょ、同年代で仲いい子もいるんでしょ?心配性だね、首璃姉は」

「そうね。じゃ、そろそろ遅いし、寝ましょうか。おやすみなさい」

「「「「おやすみなさい」」」」」

この小説自体クリスマスにどうしてもこの話が書きたくて急ぎで設定考えて作った小説なのでむしろこの話が本編です

この話を最終回にしようとしたんですけど書くの楽しくなってきて新キャラの伏線も入れてしまったんでまだしばらく投稿続けます

お気に入り登録0を覚悟でプロットもなしに急ぎで書いたのに割と見てくださる人がいてとてもうれしいです

でも、ストック切れてそろそろもう一個の小説の方も書きたいんで次回更新は未定です

感想などいつでも待ってます


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