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第24話:見納め

更新遅れました↓↓…ってのも、訳がありましてっ(o>ロ<)o実は食中毒で寝込んでたのです!いやぁ、辛かった…もぉ元気ですケドね☆また、更新頑張ります(・∀≦)皆さん応援していただけたら嬉しいです!感想なんかもいただけたら…お願いします!!

緊張で頭がどうにかなってしまいそうだ。かづみと繋いでいた手は、じっとりと汗ばんでいた。

「そんなに強く握んなくても離さないから。」

かづみはそう言って笑顔を見せてくれた。…心ちゃんを見たいけど、見るのが怖い。びくびくしながら、一度も仕事場に顔を向けず、ただかづみが導いてくれる道を歩いた。

「ちょっと!見つかるから!」

あたしがあまりにびくびく歩いていたせいか、かづみはあたしの手をおもいっきり引っ張りながら、そう言った。だって、思うように足が動かないんだ。あたしが悪いんじゃないよ?

「ここら辺から見れば、大丈夫じゃない?」

ここなら調度よく木とか看板で隠れられる。

ここからこっそり覗くのかぁ…ストーカーみたい。ちょっと気が引けたけど、あたしはそっと仕事場を覗いた。心ちゃんの姿はすぐに目に入った。どんなに遠くにいたって、どんな人込みの中にいたって、あたしは必ず1番に心ちゃんを見つけられる自信があるから。例えこの目が見えなくなっても…感じるんだ、心ちゃんの呼吸。

「いた?」

隣から同じ様に覗いているかづみに、あたしは

「うん。」

とだけ言った。心ちゃんは髪の毛を思い切り短く切っていた。心ちゃんのあんな髪型を見たのは初めてだった。…短いのも、よく似合うんだね。

少し痩せたかな?髪型のせい?ぼーっとしてる…元気ないのかな。心ちゃん、今どんな毎日を送ってるの?ちゃんと幸せ?笑って過ごしてる?やっぱりあたしには心ちゃんが全てだから、心ちゃんが幸せじゃないと悲しいよ。今のあたしには、心ちゃんを幸せにする力なんてとてもないけれど。

…声が聞きたい。心ちゃんに触りたい。好きって言いたい。抱きしめてもらいたい。嘘でもいいからなんて思わない。…もう一度愛してるって言ってほしい。

見ちゃいけなかったのかもしれない。また一層好きになった気がする。思い出した…心ちゃんの荒れた手や、子供に話しかけるみたいな優しい声のトーン。あたしを見つめる目。今でもこんなに愛しいよ。心ちゃんの全てが愛しいよ…。

あたしは何の為にここに来たんだろう。

どうして、諦めが鈍るようなことするの?好きだと、今でも愛していると、そう確認するだけだとわかっていたのに。

こんなの全然前に進めない。

でも…会いたかった。

会いたくて会いたくてしょうがなかったの。毎日苦しかったの。愛してる人を見ていたい気持ちは、誰にだってあるでしょ?それを我慢するのはすごく辛いんだ。…本当は、これから諦めなきゃいけない人間は、この欲求に打ち勝たなくちゃいけないんだよね。違う道を歩いていくために。悲しいけどそれが現実なんだよね。これが見納め…かな。

力が抜けて座り込むあたしの頭を、かづみはずっと撫でてくれた。

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