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第1話:願い

あれから3年が過ぎたね。

ねぇ、心ちゃん。あたしは今でも心ちゃんが好きだよ。



今日11月5日はあたしにとって、凄く大切な記念日。きっとあたしの人生で、たった1度キリの運命の恋が実った日だから。でも、今日はその恋に終止符を打つために、思い出の場所に来た。3年前隣にいてくれた心ちゃんは、今日をどんな気持ちで過ごしてるのかな…。あたしは、今すごく悲しい。でも、涙はもう流さないんだ。だって、あたしの涙を拭ってくれる心ちゃんの手がここにないから。

心ちゃんと付き合って1年目の記念日にここに来て、あたしは初めて綺麗な夜景を見たんだ。別に19歳になるまで夜景を見たことがなかったわけじゃない。ただ、夜景を綺麗だと思ったのはその時が初めてだったの。大好きな人と一緒に見る景色は綺麗に見えるし、一緒にすることは楽しく感じる。そういうことだよね?

あたしは、心ちゃんが最初で最後の恋だと思ってた。

もちろん心ちゃんに出会う前に、それなりに色んな人と付き合ってきた。

その時は本気で好きだとか言ってたけど、心ちゃんに出会ってどれも本気じゃなかったことに気付いたんだ。

心ちゃんと付き合って、初めて気付いた感情が沢山あったから。だから、あたしには心ちゃんが最後だったんだよ?『もしも別れたら…』なんて考えたことなかったの。3年も一緒にいたし、離れることはないだろうって安心が心のどっかにあった。でも、どんなに長く一緒にいたって離れることはあるんだよね。

今でもまだ夢を見るよ。心ちゃんがまたあたしの傍にいてくれる夢。別れたあの日からずっと、同じことだけ願い続けてた。

でも、もう3年が経っちゃったね。そろそろ潮時かなって思ってる。気付くのが遅すぎるくらいだよね。

あと5分で今日が終わっちゃう。このままもう止まってしまえばいいのに…。

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