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1、主人公、異世界に行く。

 お久しぶりです。


 設定が多すぎたため、一話から書きなおしを行いました。大筋は変えないつもりですが、登場キャラは必要最小限にとどめます。細部はかなり変更がありますので、読んでいただかないと話がつながらないかと思います。

「ち、遅刻するーーー!!」


 初めまして。わたしは篠原(シノハラ) 早綾(サアヤ)、十九歳。あること(・・・・)を除けば、ごくごく普通の花の女子大生(JD)です!

 ただいま街中で、大学に向かって脇目もふらずに爆走しています。二時間も前に家を出たはずなのですが……あれっ、おかしいですね?


 突然ですが、愚痴ってもいいですか?


 どうやらわたしは、神様から運を与えられなかったようです。


 ひとたび歩けばバナナの皮で滑って転び、水たまりがあれば転んで洋服を汚すなんてしょっちゅうですよ。何度化粧が落ちてお化けになったことかっ!


 そんな訳で、男性と付き合うこともしませんでした。わたしの運の悪さが、誰かに影響を与えたら……と思うと怖くて仕方がなかったからです。


 本当に神様がいたら、うらみつらみを書き込んだ、怨念が渦巻く暗黒(?)ノートを読み上げてやります!! ネチネチネチネチと!


 そんなわたしにつけられたあだ名は、〝死神〟〝口先女〟です。前者はともかく後者のあだ名を考えた奴は誰ですか!? さてはわたしに喧嘩を売っていますね?


「なんだか嫌な予感がするなぁ……」


 わたしの持つ特殊能力――第六感がそう告げています。あっ、中二病じゃないですよ?!

 これのおかげで一度はトラック事故に巻き込まれずに済んだのです! 馬鹿にはできません。


 そんな訳で、走ることをやめますね。ただでさえ遅刻なのに、ここで何かが起きるのなら走る意味がありませんから。


「うーん、今日もいい天気!」


 青い空は晴れ渡り、白い雲がゆるやかに流れています。

 ゆっくりと歩きながら周囲を見渡すと、犬の散歩をしている人や会社員の人たちとすれ違います。時間的にも、まだ車の通りが多い時間です。


 そして少し歩いていると、同年代くらいの美しい黒髪の女性が子猫を助けようとしています。赤信号なのに道路の上を走って行ってしまいました。危ないですよ!


「もう大丈夫だよ」


 その女性は白い子猫を腕に抱えて、こちら側に戻ってこようとします。


「危ない!」


 女性のいる所に交差点を曲がってきたトラックが突っ込んできてしまいました! 近くで女性を見守っていた人たちは、わたしと同時に、悲鳴をあげました。


 距離的にブレーキはもう間に合いません! このままでは……。


 わたしはとっさに女性に駆け寄り、反対方向に突き飛ばしました。人生で一番早く走れたと思います。自己新記録ですね!

 突き飛ばされた女性は、驚いたような顔をしています。


「これでいい! わたしならたぶん死なない」


 わたしの目の前にはトラックが……。運転手のおじさんがひきつった顔をしていますね。


 人生二度目のトラック事故です。

 わたしの頭の中で人生が走馬灯(そうまとう)のように流れていきました。

 不幸なことばっかりでしたね。でも楽しいこともありました。


 でもまだ……死にたくない!


 そう思った時、突如として、強烈な光が襲ってきました。


 ――わたしは目を閉じ、そして――



 

「!?」


 いつの間にかわたしは、ローブをまとっていて顔が見えない人たちや、白衣に似たものを着ている人たちに囲まれて、座り込んでいました。その部屋の壁と床は、古そうな石組みでできていて、床には黒い字で魔法陣らしきものが書いてあります。

 年季が入った、かなり古そうな建物です。若干、カビくさい匂いがしています。


 あの~、すみません。


 ……ここ、どこですか!?


 正直、パニック状態です。


「大丈夫か?」


 目の前に王子様がいて、手を差し伸べてくれています。……これは何の乙女ゲームですか?


 ただわたしの場合は麗しい顔の方々って、違う世界の住人だと思うのですよ。実際に乙女ゲームに出てくるような男性は、いない訳ですし。


 ……それにしてもわたしの目がおかしくなったのでしょうか? 目をこすっても何も変化しませんね。これは眼科に行った方がいいみたいですね! 私の視力は1.5ですけど!


 思わず、自分の服装を見直しておかしな所がないかを調べ、次に体に異常がないか確認しました。


 服装はトラックに轢かれた時と同じく、ジーンズジャケットを羽織っていて、胸元と袖口にフリルがつき、腰元にはリボンがついている青いワンピースを着ています。ちなみに靴は青色のパンプスです。


 どうやら全身に怪我はなく、おかしな点もありませんね! 服に血がついておらず、破れている箇所もないようです。良かった!!


 ちなみに王子様のようなその男性は、二十代前半くらいで、金髪碧眼の王子様のような人です。

 首元にはクラヴァットが巻かれ、袖口にフリルが付いた白いシャツに、黒いズボンと同色のブーツを履いています。

 声も完璧にストライクゾーンです! ザ、イケメンボイス!


 でも、あれっ? 良く見たら王冠をかぶって……?


 王子様の背後には騎士の格好をした人たちが、一糸乱れぬ様で立っています。その内の一人が王子様の近くにまで歩み寄ってきました。その人はその場に膝をついて片手を左胸の上にあてます。


「無礼を承知で言わせていただきます。国王様自らが、その者に御手を差し伸べる必要などございません!」


 青い甲冑を身に纏った痩せた男性が声を荒げます。……えっ、今なんて言いました?


「分かっている。だがこの場合は、こちらから呼び出したのだぞ? これぐらいはしておいた方が良かろう」


 王子様は隙のない鋭い眼光で甲冑を身に纏った男性の方を見て、射すくめます。甲冑を身に纏った男性は、仕方なく食い下がってその場に控えました。


 王子様は何もなかったかのように破壊力のある笑顔を浮かべながら、わたし手を優しく掴んで、立ちあがらせました。

 これ、イケメンビームって呼んでもいいですよね?


 どうやら今のわたしは、現実逃避していないと、容量限界キャパシティーオーバーしてしまうレベルみたいですね……。


「我が名はフランシス・ウェーバー・ジュダス。ここ、ジュダス国の国王をしている」


「……こ、国王様!?」


 それを聞いたわたしは急速に意識が薄れてしまい、その場に崩れ落ちそうになりました。けれど誰かがわたしを支えてくれたようです。



 ――わたし、これからどうなっちゃうのですか!?


 書き直したものです。1話が以前の1話と2話の最初くらいにあたります。ギャグがちょっと少ないですね……。


2013/08/22 誤字脱字を訂正

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