カイナ
サビはわかりやすく、を心がけて。
脚をひきずらない風船が飛んでたのは
青空でもなく
バレーボールのひっかかった天井だった
蓋をされた宇宙に
プラネタリウムの射手座が笑う
やさしく微笑み返すうち夏は終わった
ちいさな上映会のような想い出話は
フィルムが尽きたって
からからと音を立てて廻ってる
このぼくの胸に飛び込んでこないきみを
絡めとってしまおうと指をのばすよ
理由にもならない言いわけで恋をあきらめたくない
いまはまだ さみしい季節を数えても
なんかままならない週末が溶けてくのは
日常でもなく
弱酸性でストローなしのサイダーだった
首をかしげたとたん
滅びたはずの巻貝に出逢う
地層をひっくり返しても戻らない過去
おおきな衝動買いのせいで部屋は埋まるけど
いつでもひとりぶん
がらがらのすきまだけはあけてある
はりさけた胸じゃ受け止めきれないきみを
柄にもなく包もうと腕をひろげた
幸せになれない結末で恋を終わらせたくない
いつかより たしかな季節を待ってるさ