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7話:控えめな子も幼馴染の前では強気である

 



 翌日、俺とアマネは再びギルドへ来ていた。

 当然だが、昨日はちゃんと隣の部屋を契約させた。最後まで駄々を捏ねていたがんなもん知るか。プライバシーを守りやがれ。

 ちなみに服装は昨日買ってやったやつだ。まだ忍装束の修復ができていないらしい。一応タイラントスパイダーの糸は届いたが、色染に時間が掛かるそうだ。


「あ、ゼニスさん。こんにちは」


 適当なとこにでも座ろうかと思っていると、サラがいた。ついでに一緒に座らせてもらうとしよう。


「おう、サラか。昨日はどうだった?」


「たくさん覚える事が多くて大変でした……あっ、でも、野草の種類を覚えるのは楽しかったです!」


「そりゃ良かった。おっと、サラは会ったことなかったよな。こいつは昨日から一緒のパーティを組んでるアマネだ」


「主様の忍のアマネです」


「あ、あるじ? しのび??」


 よくわからないのか疑問符が頭に大量に浮かんでいた。


「あー、あれだ。極東って所にいる戦うメイドみたいなもんって認識で良い。」


「はぁ……なんだか変わっているんですね」


「むう……主様。やはり変わっているんでしょうか?」


「ま、こっちと極東の文化の違いってやつだな。」


「なるほど……」


 納得してなさそうな顔で頷く。


「俺も極東の飯が食いたいもんだ」


「知っているんですか?」


「ん?ああまあ、醤油とか味噌汁、米。食いたいもんだ」


「やっぱり詳しいですね」


「まあ、ちょっとな」


「そのちょっとを聞きたいんですけど……」


「残念。まだ好感度が足らねえな」


「むう……」


「ショーユ? ミソ? コメ?」


「極東の食材だな。米は極東の主食だ。ちっこくて固い粒をお湯で炊き上げたらもちもちで甘みが出んだよ。味噌ってのは大豆を発酵させて……あー、ペーストにしたみたいな? 醤油は大豆から出た、塩っ辛い出汁みたいなもんだな。全部美味いんだぞ」


「わぁ〜……! ゼニスさんは物知りなんですね!」


「まっ、俺くらいになるとこんくらい当然だ。知ってるか? その醤油を生の魚の切り身。刺身ってのに付けて食うと美味いんだ」


「生のお魚にですか? なんだか怖いですね……」


「慣れりゃ問題ねぇよ。まあ最初は抵抗あるかもな。チャレンジだ、チャレンジ」


「なるほど……!」


 うーん、なんて素直。これだから原作でNTRれるんだぞ。温かい目をしながら頭に手を乗せると頭を傾げた。


「あ、そういえばクロムはどこに行ったんだ?」


「えっと……昨日の勉強のテストでダメで……」


「あー……再履修かぁ」


「その、あんまり勉強得意じゃないから……」


「だろうなぁ……」


 元々ゲームでも頭良くなかったし、賢さの数値も低かったもんなぁ……。

 物理ばっかの脳筋キャラだ。

 それとバランスを取るようにサラは頭が良く。賢さの数値が高く設定されていた。

 魔法攻撃や支援、回復の出来る万能キャラだ。

 そのせいでというか、序盤にしっかり育成しておかないとNTRれた後で苦労する。


「う……あぁ……」


 指導室が開いたと思えばフラフラした足取りのクロムが出てきた。


「あ!クロム、どうだった?」


「な、なんとか合格できた……!」


「良かったぁ……じゃあ今日から2人で6級だね!早速クエスト見に行こ!」


「ま、待って……や、休ませ──」


 クロムの懇願を無視してサラがクエストボードに向かって行った。


「……まあ、女の子の言うこと聞いてやるのも男の務めって事で頑張れ」


「そんなぁ……」


「主様!ご飯をお持ちしました!」


「お前、別にライムとかが持ってきてくれんだから大人しく待っときゃいいのに……まあ、いいや。サンキュ」


「ほら、受けてきたから行くよ!ゼニスさん、アマネさん、いってきまーす!」


「ま、まっ──」


「おー、いってらっしゃーい」


「お気を付けてー」


 クエストに向かう2人を見送って、俺達は酒を傾けた。悪いな、俺達は休養日なんだ。





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