27話:スライムの倒し方(連携編)
「おー、でっけーな。新記録じゃねぇの?」
こんなでかいスライムとか見た事ない。人と同じかそれよりも少し大きい程度が大体だと思ってたが、いる所にはいるもんだ。
「お前ら、特にシフォンは気を付けろよ。取り込まれたら一瞬で丸裸にされて身体の隅々まで弄られっからな」
「あ、あたしは今回は遠慮しておくにゃ……えっと、相性? ってのが良くないと思うし……」
なるほど、確かに相性は最悪だな。自分の身体で戦うシフォンと触れた相手に絡みついて装備を剥ぎ取るリムーバースライムだ。俺も普段なら戦わせないだろうな。”普段”なら
「はっはっはっ! ダメ」
「にゃにゃ!?」
「今回は一応連携を出来るようにってのが主題だからな」
「主様、戦えないのでは連携もないのでは?」
「いや、あるさ。それなはだな……」
「「それは……?」」
「囮だ。そら行けっ!」
「んにゃあぁぁ!?」
シフォンの尻を蹴飛ばして前に出すと、ポーンと軽く飛ばされてリムーバースライムの前に出た。
「にゃ、にゃはは……あ、あたし達、仲良くできない?」
引き攣った笑顔を浮かべたシフォンを前に、リムーバースライムが広範囲に拡散してシフォンを囲おうとした。
「にゃあ〜〜!?」
「よし、今のうちに削ってくぞ」
「あの、大丈夫でしょうか……?」
「あいつだって2級だ。簡単にやられるかよ」
今も必死こいてスライムから逃れようと縦横無尽に動き回っている。悲鳴も聞こえるが……まあ、冒険者だ。その程度の苦難は乗り越えろ。それに、捕まっても助けてやっからな。
「それよりもあいつをどう倒すかだ。今回は連携だから俺が1人で高火力で倒すのはナシだぞ。俺とアマネ、2人で攻撃してあいつを倒すんだ。」
「わかりました。では、私は風の刃で外側を削ってみます!」
そう言ってアマネは飛び出すと、刀に風を纏わせてスライムの外側を削ぐように斬り、こちらに飛ばしてきた。
「なぁ〜るほど」
飛んできたスライムの欠片を炎で消し飛ばす。ぶっちゃけアマネの負担が大きくないか? と思うが、本人は結構楽しそうにしているからいいか。
細かい作業とか好きそうだもんなぁ。そう思っているとスライムはアマネの方が脅威だと気付いたのか、アマネの方を向き……向き? まあ、向いて、体を触手のように動かし、捕らえようとする。アマネもなんとか対処しているが、物量に押されて1本の触手がアマネを捕らえようとしていた。
「んにゃーーーー!!!」
しかしそれを下から飛んできたシフォンがかっ攫う事で回避した。
「おー、よくやったな」
「ゼェーッ……ゼェーッ……あたしばっかり大変だにゃ!」
「そりゃまあ、戦えないなら囮として使う方が便利だしな」
「ぐぬぬ……」
理解は出来るのかシフォンが不満そうに俺を睨む。仕方ねぇ、後でおやつを買ってやろう。
「助かりました、シフォンさん。流石の速さですね」
「……むふんっ! 当然だにゃ!」
……やっぱいらないかもな。
「それで、なんかいい方法は思い付いたか?」
「主様は既に思い付いているのでは?」
「そりゃ思い付いてるけど、アマネも一緒に考えりゃ思い付く数は倍になるだろうがよ」
「その、シフォンさんは?」
「論外だ」
直情的で感覚で動くこいつがあれこれ考えられるとは到底思えねぇ。俺も感覚派ではあるが、シフォン程では無い。
「ほら、言えって」
「は、はい。正直、一番早いのは主様の炎で消し飛ばす事です」
「そうだな」
「しかし、それでは連携とは言えません。なので、シフォンさんに撹乱してもらい、主様と私で連携して魔法を発動する事で火力を上げ、倒します」
「スライムならそれが妥当か」
他の物理的に触れるモンスターならもっとちゃんとしたやりようがあったんだがなぁ。
「んじゃ、シフォン頼んだぞ」
「んにゃ!? い、嫌に決まってるにゃ!」
「……肉、いつもより良いのにしてやる」
「頑張るにゃ!」
チョロいもんだぜ。




