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23話:一軒家、風呂付き、護衛付き

 



「そういやシフォン。お前この街に来たばっかっつってたけど、どこ住むんだ?」


 甘いもん食いに行く事になり、その移動中に思い出した。

 アマネもそうだが、流れ者だからな。


「そんなの決めてる訳ないにゃ」


「まあ、そうか。それなら──」


「それならみんなで住みませんか!?」


 パンッ、と手を叩いたと同時にアマネがそんな事を提案してきた。


「……それなら俺とアマネの住んでるアパートにまだ空室が──」


「みんなで住みましょう!」


「…………空いてるはずだからその部屋に──」


「みんなで住むべきです!」


 ついに断定になりやがった。


「あー、一応聞くけど、なんで?」


「はい。そもそも同じ建物なのに別で契約するのは無駄ではありませんか?」


 なるほど、確かにそれは言えてるかもしれないな。


「一々部屋を尋ねて食事を誘う必要もなりますし、なんでしたら私が料理する事もできます。」


 ふぅむ、たまに作って持ってきてくれてる飯は美味いからな。悪くない。


「それに、大きな家でしたらお風呂も取り付けられるのでは?」


「む……」


 確かに、今までは大きい桶に水を汲んで俺の魔法で温めたお湯に半身浴程度だったからな。普通の風呂があるのは良いかもしれねぇな。


「更に、私が常に護衛として寝食を共に──」


「それはいいや」


「なぜ……!?」


「なぜもなにもあるかよ……」


 メリットもあるがデメリットもあるな……


「あたしはどっちでも良いから早く決めてほしいにゃあ……なんならゼニスの部屋でも良いにゃ」


「それはいくらなんでもテキトー過ぎるだろ……」


 獣人だからってそんなペットみたいな……


「百歩譲ってでかい家に住むのは良い」


「でしたらッ!」


「でも護衛はいらん」


「くっ……!」


 なんでそんな護衛に拘るんだよ。なんだ、形から入るタイプか? お前普通にもう忍だろ。


「俺の護衛って言い張りたいんなら、せめて俺よりも強くなってから言うんだな」


「強くなれば良いのですか!?」


「え、あ、うん」


「わかりました! これからはより一層精進します!」


「……頑張れよ」


「はいっ!」


 なんか気合入っちゃったよ……まあ、強くなる分にはいいかぁ。


「お、ここだ。着いたぞ」


 今日のご機嫌取りの場所。『陽だまりの家』だ。

 ポエマーな名前だが、ちゃんとしたカフェである。名前の通り陽当たりが良く、出てくるドリンクやスイーツも美味い。更に言えば──


「あーっ! ゼニスくん、いらっしゃーい!」


 パタパタと少女が駆け寄ってきた。


「どうも、リムさん」


「久し振りだねぇ。最近来てくれてなかったから寂しかったよ」


 ニコニコとした笑顔で話す彼女が店主のリム。見た目はこんなちみっこいが俺よりも歳上だ。なんたってエルフだからな。


「あ、今変な事思ったでしょ?」


「……年の功か」


「怒るよー?」


「ごめんごめん。今日は俺の仲間と後輩を連れてきたからさ、入れてくれよ」


「まあっ! ゼニスくんのお友達? どんな子かしら? 早く入って!」


 手招きされてみんなで入る。


「あら? あらあらあら? ゼニスくん、どういう事かしら?」


「どういう事って、何が?」


「女の子ばっかりじゃない! もう、いつからそんな子になっちゃったの!」


「別にリムさんに育てられた訳じゃねぇし……」


 そう言うとガーンッ、とショックを受けた。


「酷いわ酷いわ! クエスト漬けで倒れた時とか看病してあげたり、ご飯振舞ったりしてあげたのに!」


「いや、まあそれは感謝してるけど……」


 あの頃は強くなるのが楽しくてずっと仕事に明け暮れてたからなぁ。


「あ、あのぅ……」


 おずおずと後ろからサラが出てきた。


「む、なにかしら?」


「えっと、ゼニスさんを怒らないであげてください。私とこっちのクロムは命を助けてもらいましたし」


「本当に死ぬかもしれなかったんで……」


「私も、ある……ゼニスさんにはとてもお世話になっておりますので」


「あたしは今日からだぞ!」


「む、むむむむ、むむむむむむ……!」


 全員に目を向けた後に再度俺に目線を戻した。その時には既にぷんすかつり上がっていた目が元のタレ目に戻っていた。


「……ごめんなさいね。ちょっと女の子ばっかりだから、不安になっちゃって。ほら、痴情のもつれで解散しちゃうパーティってたくさんあるでしょ?」


 確かに割とよく見るな。


「でも、ゼニスくんならきっと大丈夫よね!」


「……おうよ!」


 下心めっちゃあります。


「さ、中に入って! 今日はゼニスくんがお友達を連れてきた記念だからお代は結構よ! 異論は認めないわ〜!」


 さあ忙しくなるわよっ! そう言ってリムさんはキッチンへと入っていった。





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