【短編版】超有名人の私、同じ事務所の先輩女性配信者さんを好きになってしまった〜実は好きな先輩は内閣総理大臣の一人娘〜
好評につき、連載を開始しました。
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『本当に可愛いから!!!』
私の名前は【南 波】、都内住みの女子大学生。
ただの大学生ではなく、実は《meTube》という配信サイトの登録者数が200万人を超えている、世間一般的では有名人に分類される側の人間。
配信アカウントでは【伊豆波 南】として活動している。
そして、今私は密かに恋をしている。
同じ事務所《MINA》に所属している女性配信者。
【入江 奈々美】さんに。
彼女は事務所の看板配信者としても有名で、登録者は私の5倍の1000万人。
日本人口の12人に一人は登録している計算。
知らない人はいないぐらいの、超有名配信者であり、イラストを動かして配信する《VTuber》という配信の仕方をしている。
『じゃあ、また今度ね〜!』
コメント欄には『ばいば〜い』のコメントで埋められた。
そして、配信を切るとぼーっと天井を見上げる。
前々からは気づいていたけど、ここまでとはなぁ、、、。
私は《バイセクシャル》というタイプの人間。
なので、どうしても先輩のことを恋愛的にも性的にも見てしまう面がある。
事務所であったことがあるけど、総理大臣の娘さんぐらい可愛いい。ていうか、激似!
「あぁ、私もあんなに可愛かったらなぁ、、、」
一応、美容には気を使っているし、ちゃんと寝ている日は寝ている。
配信で稼いだお金は、美容関係に回すことが多い。
ポテンシャル、、、なのかな、、、。
鏡を見るたびに絶望してしまう。
胸もCで、特別大きいって程でもないし、顔もみんなから平均的ってディスられるし。
ブーブー。
その時、電話が来た。
彼氏の【鈴宮 七雄】からだった。
最悪のタイミングとモチベーションの状態でスマホを手にした。
彼氏こそが一番の心の拠り所だった。
七雄は私のことを大切にしてくる。
でも少し、最近、、、。
『今日の夜の話?予定できたなら仕方ないよ!うん、じゃあ』
ドタキャンされてしまった。
最近はこんなことが多々ある。
まぁ、予定あるんだから仕方ないよね、、、?
「今日は本社に行くんだから!気合い入れないと!」
今日は年に一度の事務所に入っている配信者全員が集まるイベントに参加する予定。
そう、今日は先輩に会える大切な日なのであった。
★☆★☆★☆★
本社へは家から徒歩10分ほど。
事務所にお薦めされた、最近流行りの防音室付きの物件。
配信とかしていると、嬉しみのあまり、叫んでしまうことは配信者あるあると言っても過言ではない。
壁ドンとかされたら、精神的にきてしまう。
「10分前には着いておきたいし、早めに出ておこっかな〜」
私は家を出て、本社へと向かう。
《グランドローレル》というビルの、最上階である35階にある本社は全面ガラス張りの高所恐怖症殺しとして有名なビルの一つ。
「南ちゃん!久しぶり〜」
「お久しぶりです!菜花先輩!」
【春風 菜花】、私の一つ上の先輩で、3期生である私より一年早く入った、2期生のメンバーの一人。
Vの姿だったら、猫耳の女の子。
リアルでもちっちゃくて、可愛い。
胸もめちゃくちゃ大きいし。
やっぱり、先輩可愛い〜!!
「あ、おはようございます」
「奈々美先輩!おはようございます!」
黒髪ロングの超真面目系キャラクター。
ツンケンしているのが特徴の先輩。
どこか、私たち庶民とはかけ離れたオーラを放っている、超人気配信者。
ちなみに奈々美先輩は0期生と呼ばれる、会社が設立された当初からのメンバーの一人であり、社長とも仲が良い。
「社長、今日は予定があるので途中で抜けます」
「了解!もしかして男か〜?」
「そういうのじゃないですから、、、」
「はっはっはっ!」
豪快に笑う社長に苦笑い見せる3人。
ぞろぞろと所属している配信者さんが本社へ入ってくる。
そこから10分が経ち、社長が前にある司会席に座り、司会進行をしていた。
あの人、こういう時はしっかりするんだよな〜。
そして、新プロジェクトのムービーが流れた。
それに合わせ、周りの配信者達がざわめきを起こす。
プロジェクト内容は、オフラインイベントをやるということ。
事務所に所属している配信者全員が、一応歌が上手いとされている人達。
つまり、ライブを開催するということだった。
ステージに立ち、各期生ごとにオリジナルソングを歌う。
他の事務所ではよくあることらしいが、この事務所では初の試みだそう。
「佳奈波様、お迎えに参りました」
「かなn、、、え?あ、じゃあ、先輩また今度ですね」
「南も頑張ってね。あと、その名前では呼ばないで」
「失礼しました、かなn、入江様」
「せいッ!!!!」
「うぐぅぅぅぅぅ、、、」
その場でうずくまる黒服の男。
というか、今、南って呼ばれた!南って呼ばれた!
あまりの嬉しさに、その場でぴょんぴょん飛び跳ねる私。
それを不思議そうに見る菜花。
そういえば、予定ってなんだろう、、、?
《今日、アメリカ大統領が日本に来日しました。1時間後、これからの方針についてを話し合う予定です》
事務所にある小さなテレビから、一つのニュースが流れた。
★☆★☆★☆★
その後、普通に飲み会が始まった。
男性部門の配信者さんとも軽く話し、これからのことや、コラボの話などを軽くして、私はそそくさと家に帰った。
菜花先輩が「もう帰るの!?」と言っていたけど「予定があるので〜」なんて言ったら、帰らせてくれた。
先輩、嘘ついてすいません!
家に帰ると、不意にテレビをつけた。
すると【佳奈波 文屋】総理大臣が写っていた。
一人用のソファに座り、アメリカ大統領と会談をしている。
佳奈波、、、どこかで聞いたことがある、、、。
後ろには通訳らしき人が座っていた。
「奈々美先輩!?」
1時間前に会った、奈々美がそこにはいた。
スーツ姿で総理大臣の後ろで通訳をしていた。
「そういえば、総理の専属通訳は娘さんがやるって、、、」
通訳の声は、奈々美と一致しており、いつも見ているオーラとはまた別のオーラを放っていた。
「か、かっこいい!!!!!!」
私の好きな人は、総理大臣の一人娘であり、多才で超人気配信者なのでした。
連載版→https://ncode.syosetu.com/n7878if/