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58消えた海賊ボネットの夢

 技量のなさからエドワード・ティーチに船の指揮権を譲り、配下となっていた海賊ボネット。しかし彼は見事にエドワード・ティーチに裏切られます。海賊共和国の終焉を語る一人目は海賊ボネット。「48話 ”黒ひげ”の脅威」と関連します。時系列が前後しますがご容赦ください。


 オクラコークを訪問したヴェインたちと1週間ほど酒を酌み交わしたエドワード・ティーチ。それまでに彼は船と指揮権を差し出したボネットを裏切り、置き去りにしている。(48話 ”黒ひげの権威”)

 

 

 裕福な地主の出身でバルバドス民兵隊でも地位のある立場だったボネットだったが、船長としての技量は高くなく、部下はエドワードティーチの配下になることを選んだ。ノースカロライナ州のバスにてイーデン総督からティーチとともに恩赦を受けたものの、ティーチは裏切り、船の物資を奪っただけでなくボネットの配下の手下を多数引き連れて逃げてしまった。ボネットは手足をもがれたも同然である。


「これが海賊の流儀ってやつか?だからと言って許さないぞ!」

 ボネットは怒り心頭だった。あのまま裕福な地主として暮らしていればこのような惨めなことにあわなかっただろう。

 1718年7月。再びリベンジ号の指揮を執ることになったボネットは復讐と恩赦の無効を考え、海賊化の準備を始める。


 失った多くの手下の代わりを見つけなければ船を動かすことはできない。ところが幸運なことにボネットは乗員たちを確保することができた。エドワード・ティーチはオクラコークの入り江へ向かう際、25人もの手下を陸地いほど近いトップセール島の砂州へ置き去りにしており、偶然にも通りがかったボネットが救出したのである。

 

「ティーチ船長は何を考えているかわからないぞ。ありゃ頭がどうかしちまってるんだ。ほんとによ、今までティーチ船長を信頼して働いてきたのにこんな仕打ちってありゃしねえ。あんたたちが助けに来てくれなかったら俺たちは役人に捕まっていたところだ」

 ほっとしたのか口々にティーチの悪口を言う手下たち。砂州という陸地にほど近い状況で置き去りにされたのだが、そこは海賊がいると知れば役人に限らず誰でもすぐに来ることができる地理的環境だった。手下たちは捕らわれるかもしれないという不安でいっぱいだったところに見覚えのあるリベンジ号が通りかかったのだ。

 この置き去りは猜疑心がティーチの判断を狂わせたものと思われたのだが、それが梅毒の進行によるものかはわからない。しかしエドワード・ティーチは常にこの悪しき病によって自分が乗っ取られる恐怖に(さいな)まれていたのである。また、それだけの人数を置き去りにしたのは単に謀反を働こうとしたという嫌疑だけでなく、略奪品の分配の割合を考えていたこともあろう。


「陸地を目の前にしたここへ置き去りにするとは、すぐにでも捕らわれてしまえということだろう。俺も同じく奴に裏切られた身だ。どうだ、俺についてこないか」

 ボネットが問いかけると置き去りにされていた者たちは次々とボネットの支持を訴える。こうしてリベンジ号の乗員不足は難なく解決することができた。

 

「船長、俺たちを裏切った奴をこのまま生かしておくのは腹の虫がおさまらねえ。奴はオクラコークの入り江にいる。復讐しましょうや」

 かつてのエドワード・ティーチの手下たちがボネットを取り囲み落とし前をつけるべきだと訴える。ボネットも同じ気持ちであった。

 

 彼らは急いでオクラコークへ向かう。しかしすれ違いでエドワード・ティーチに会うことはできなかった。さらに捜索をしようとしたが彼等には問題があった。エドワード・ティーチはリベンジ号の食料や装備品を奪っている。何といっても当面の食料や装備品がなければ心許ない。現実を見れば、船倉に僅かの酒樽や豆が残されているだけだった。ボネットは当初、カリブ海にあるセントトーマス島へ出向き私掠としての許可を得る予定であったが、食料が尽きかけており航海は無理だった。また、時期的に春のハリケーンが襲来する季節でもあった。セントトーマス島周辺の海域は春の低気圧に始まり秋までハリケーンが襲来しやすい環境だ。わざわざハリケーンが来る海域へ航海をし命を落とすわけにいかない。どんな強い海賊であってもハリケーンに巻き込まれたら生き残るのは難しいだろう。

 

 何年か前に若くして短期間で稼いだ海賊がいた。ブラック・サムこと海賊ベラミーである。恋人との結婚を許してもらうために稼いでいたベラミーは皆の羨望の的となっていた。しかし春の低気圧による嵐に巻き込まれて海へ沈んでいったのである。(25話 ベラミーの終焉)

 ボネットはその伝説を思い出す。


 ふと空を見上げると雲の流れがはやく、黒い雲が見え隠れしている。この風は間違いなく船を困難に導くものだ。

「嵐が来るな……。こうなったら私掠免許を得るなんて悠長なことを言ってられない。……海賊化するのが手っ取り早いだろう」

 ボネットは甲板に手下たちを集めると海賊化することを宣言する。略奪することに何ら縛りはなく、存分に稼ぐことができるのだ。

 歓声を上げる手下たち。


「今から俺はボネットではなく海賊トーマスと名のる。ボネットという名で海賊化をしたら恩赦が取り消されるんだ。そしてこの船の名はリベンジ号でなくロイヤル・ジェームズ号と変わる。お前たち、間違えるなよ」

 このように船の名を変えたことはボネットの思惑があった。


 裕福な地主の出身であったボネットは、フランスへ亡命をしているジェームズ・エドワード・フランシス・スチュアートを国王に望むカトリックの一派ジャコバイト派の影響を受けていた。ロイヤル・ジェームズという名はジェームズ。スチュアートを国王としたい気持ちの表れであった。

 ボネットは文字の読み書きができただけでなく政治の流れを知っていたのだが、心のどこかでジャコバイト派の血が騒いでいたのだろう。そして手下たちと酒を酌み交わし、いつかジェームズ・エドワード・フランシス・スチュアートの健康を祝う。


 ボネット(偽名トーマス)はロイヤル・ジェームズ号と名を変えた船の安全を考え、エドワード・ティーチへの復讐に(はや)る気持ちを抑えながらハリケーンの時期が過ぎ去るのを待った。ここで焦って船を人員を失うわけにいかなかった。


 やがて7月となりボネット率いる海賊は北アメリカのデラウェア湾あたりまで北上していた。ティーチがいるらしいオクラコークよりも北に行っている。ボネットにとってティーチに戦いを挑んで復讐をするより、誰よりも稼いだ方が海賊としてリベンジできると考えたのだろう。

 トーマスという偽名を使っていることもあり、ボネットは何の縛りもなく海賊行為を続け、11隻の船を襲撃しては拿捕している。なかでも気にいったフランシス号とフォーチューン号は自分たちで使うこととした。この際に捕虜とした乗員の一部がボネットの下で海賊化をし、ボネットは人力が充実し船団を組んでデラウェア湾を南下することとなる。

 偽名を使うことはとても都合がよかった。自分たちを裏切ったエドワード・ティーチに動向を知られたくなかった。復讐よりも稼ぐ法を選んだのである。

 8月に入り、ロイヤル・ジェームズ号とフランシス号、フォーチューン号はデラウェア湾を通る船を襲撃しながら南下をしていく。民兵上がりのボネットは自分が海賊を始めたときから給与制をとっていたが、それをやめて他の海賊団のように決められた配分で戦利品を分配することにした。これまで分配は各船長によって配分に色付けされていたが、ボネットは仲間たちが不平等感を持たずに済むように配分率を守った。

 

 こうして順調のように見えた航海だったが、肝心のロイヤル・ジェームズ号に大きな問題が生じた。もともとリベンジ号として使っていたこの船はボネットが海賊を始めたときに購入したものであり、新しいものでなかったうえに手入れがなされていなかった。ナッソーのホーニゴールドも自身の船がフナクイムシにやられたように、フナクイムシや海藻・貝など船の敵は身分に関係なく船乗りたちを悩ませた。それはロイヤル・ジェームズ号も例外でなかった。

 

()()()()船長、また新たに浸水が起きてる!この水漏れの調子じゃもっと被害区域が広がってしまう。航海は難しいんじゃねえか」

 手下のひとりが昇降階段を駆け上がって報告をする。他にも浸水箇所があり、危機感を持った手下たちが口々に話し出す。

 浸水は船の沈没を引き起こす。そうなれば海賊として戦わずして海の藻屑と化すだろう。

 ボネット(偽名トーマス)はケープファイア川河口付近までリベンジ号を南下させると小さな入り江に船を停泊させた。ハリケーンの時期はまだ終わっていない。陸地から近いうちに何とか修理をしなければならなかった。

 彼は拿捕した船の捕虜を集める。

「お前たちに仕事を与えよう。ロイヤル・ジェームズ号は水漏れがあちこちで起きている。つまりお前たちも修理をしなければ一緒に海へ沈んでしまうということだ。命が惜しければ修理を手伝え。協力しないものは置き去りの刑だ」

 そうして脅すと捕虜たちは震えあがって修理作業を手伝うことを始める。ロイヤル・ジェームズ号の水漏れは深刻な状況であり、とても短期間で修理できるものでなく、なんと入り江に1か月半もとどまって修理に専念しなければならなかった。陸地からほど近い場所で犯罪人である海賊船がとどまっていることの危険を知りながらもそのように選択をしなければならないほど彼らは追い込まれていたのである。

「ハリケーンの発生時期がおわるまであと少しの辛抱だ。修理を終えたらちょうど航海ができる時期になるだろう。それまで役人に捕らわれないようにちゃんと見張っておけよ」

 ボネット(偽名トーマス)はそのように甲板長や掌帆長を呼ぶと見張りの徹底を命じた。彼らは交代で部下たちに見張りをさせながら修理を進める。もうすぐ秋である。ハリケーンの時期が過ぎ去ればまた稼ぐことができるだろう。



 しかしロイヤル・ジェームズ号の修理と海賊()()()()の噂は、長くその場にとどまっていたこともあり、じきにサウスカロライナ州のロバート・ジョンソン総督の下へ情報が入ることとなる。これまで民営植民地であるノースカロライナ州のイーデン総督がエドワード・ティーチと取引をしたため、周辺海域では合法的に略奪をされる被害が絶えなかった。ロバート・ジョンソン総督は何としても海賊を討伐しなければ植民地運営の大問題だと考えた。

「我々はいつまでも無法者たちを野放しにするわけにはいかない。海賊()()()()の脅威は植民地運営上の脅威なのだ。ケープファイアの河口付近に長期にわたって係留しているこの機会を逃さず、奴らを捕えてくるのだ。必ず奴らを処刑台に送り込め」

 ロバート・ジョンソン総督はウィリアム・レット大佐に海賊討伐の権限を与える。

「承知しました。この機会を逃さず無法者を捕えてまいります」

 レット大佐は重大な責務であると感じると一呼吸した。ここで命令通りに海賊を討伐すれば名誉であり、自分の名を残すことができるだろう。それは願ってもないことだった。


 レット大佐の船団は2隻のスループ船シーニンフ号とヘンリー号からなり、戦時中のような大編成ではなかった。それは少しでも小回りが効くことを優先させたのかもしれない。

 そのかわり、130人ほどの民兵を乗せていた。民兵は機動力であり,数にいわせた人力という攻撃力は存分に発揮される。


 9月26日、レット大佐の船団はケープファイア河口へ到着する。しかし順調な滑り出しをみせたはずが、河口という環境の罠にはまってしまう。

 なんとヘンリー号が座礁してしまったのである。

「自力で脱出はできない。潮が満ちて来るのを待つしかない!」

 不運を嘆いても始まらない。レット大佐は地団駄を踏んだ。

 

 この間に船団を商船と思い込んだボネットの手下たちが近づいてきた。そしてヘンリー号の装備や人員などを偵察すると、彼らが海賊を討伐するために来ていることを理解してすぐさまボネットに報告をする。


「ほう……。俺たちは神様とやらに守られているようだな。お前たちの中に昼寝してわざわざ首を奴らに差し出すような間抜けはおるまい?もし寝ていたら銃で叩き起こせ」

 ボネットは手下たちに3隻の船に分散するよう指示をし、朝を待ってレット大佐たちと戦うことにした。逃げる選択肢はなく、またもし逃げたら戦わなかった弱気な船長として解任されると思われたのだ。

 そしてロバート・ジョンソン総督にチャールズタウン港の船を襲撃するという脅迫文を送りつける。この強い意思決定は手下たちにとって頼もしいものだった。



 ヘンリー号が満潮により離礁できたころには辺りがすっかり暗くなっており、このまま海賊たちを探し出して戦うことは困難な状況だった。

「朝には戦いが始まる。諸君、今のうちに食べて体を休めておけ。我々は必ず奴らに勝利する」

 レット大佐はシーニンフ号側にも指示を出す。



 翌27日夜明け。ケープファイア川河口付近。

 3隻の船に分散したボネットたちはレット大佐の船団に向かい合い、先制攻撃をしかける。

「撃て!沈めてしまえ!」

 3隻の船から一斉に砲撃がなされる。

 ドーン!

 ドーン!

 ドーン!

 砲口から白煙とともに砲丸が撃たれ容赦なくレット大佐の船団を襲う。

 レット大佐はまずボネットがいるロイヤル・ジェームズ号をまず仕留めようとヘンリー号とシーニンフ号の2隻で夾叉(きょうさ)砲撃をするため、船を別れさせた。

 

 目標物に毎回確実に命中させることは波や潮の流れによる船の動きがあるため、困難が生じる。レット大佐は2隻でできる対応を選んだのである。

 ヘンリー号とシーニンフ号はロイヤル・ジェームズ2世を射程内に捉える。レット大佐は砲撃の中心がロイヤル・ジェームズ号の中心になるように指示を出す。

 敵船を超えた砲撃、敵船の手前の砲撃が幾度か繰り返される。


 ドーン!

 ドーン!

 ドーン!


夾叉(きょうさ)攻撃だ!船を待避させるぞ!」

 ボネットは川の西岸へ退避を命じる。

 

 ズズッ!ギギギ!


 突然、衝撃と共に動きを止めるロイヤル・ジェームズ号。なんと退避を焦るあまり座礁してしまったのである。

 そしてこともあろうに追っていたヘンリー号も同じように浅瀬に乗り上げた。しかもロイヤル・ジェームズ号の射程内だ。

「こんなときにまた座礁!この忌々しい河口め!」

 レット大佐は河口という環境を呪った。しかもヘンリー号はロイヤル・ジェームズ号側に甲板を向けて傾いており、腹という弱みを見せた犬猫のようだった。

「狙ってくるぞ!総員、武器をもって迎え!」

 レット大佐の声に乗員や民兵たちが銃を持ち攻撃に備える。戦況はそのまま何時間も膠着状態となった。

 

 ヘンリー号側の慌てように余裕を持ったボネットは勝ち目があると見込む。

「相手は動かない標的も同然だ。狙いを外すんじゃねえぞ!」

 ボネットは手下たちに銃撃を命令する。


 バーン!バーン!バーン!


 手下たちはマスカット銃を手にして動かない標的相手へ一斉に銃撃を仕掛ける。中にはボネットにとらえられた捕虜もおり、彼らは共に攻撃をしないと殺すなどとボネットに脅迫され、恐怖のあまり銃を手にしていた。それでも一部の捕虜は銃撃のどさくさに紛れてボネットの目から逃れていた。

 迎えるレット大佐側は民兵の数を武器に銃撃をするものの腹を見せた弱みだけはどうしようもない。

 銃撃の嵐の中で次々と倒れていく部下を目にしてレット大佐は好機を探る。

 ヘンリー号の位置を再度確認をするとロイヤル・ジェームズ号よりも海へ近い。対するロイヤル・ジェームズ号はほぼ河口付近だ。つまり先に離礁できるのはヘンリー号である。レット大佐は部下へ潮が満ちればすぐに離礁できるよう指示を出す。

「ヘンリー号に民兵が数多くいる以上、ロイヤル・ジェームズ号側が移乗してくる可能性は低い。何とか持ちこたえていくしかない」

 レット大佐は思わず天を仰いだ。

 

 

 攻撃で多くの死傷者をだしたが、戦況はレット大佐の読み通りになっていく。潮が満ちてきてヘンリー号が先に離礁したのである。

「今だ!乗り込むぞ」

 レット大佐の指示により数を言わせた民兵たちがロイヤル・ジェームズ号へ乗り込んでいく。人員数がはるかにボネット側よりも上回っており、離礁できないままのロイヤル・ジェームズ号の海賊たちをことごとく攻撃していった。

 レット大佐の部下は船へ乗り込んでいった中で、ボネットの手下が火薬庫を破壊しようとしているのを見つけた。同じ死ぬのなら道連れにしろとボネットが命じたのである。しかしこれはレット大佐の信頼できる部下によって阻止され、ロイヤル・ジェームズ号の破壊は免れた。


 こうして海賊ボネットとその手下たちはレット大佐に降伏をし捕らえられた。()()()()()()()()()()は確実に数を減らしていくのである。


 

 10月3日。チャールズタウンへ連行された海賊ボネットとその一味。ここまで来るとボネットが「トーマス」だと名乗っていてもそれを信用する者はいなかった。恩赦は無効となり、彼とその仲間は審理にかけられる。

 その後ボネットは数人の仲間と共に脱獄をするが、すぐに捕らえられた。手下たちのほとんどがすでに死刑の判決を受けており、いよいよもってボネットは追いつめられた。しかも手下のひとりがボネットの海賊行為について証言をしたため、ボネットがどのように反論しようが有罪は免れない状況となってしまった。


 その後ボネットは文字の読み書きができることを活かしてロバート・ジョンソン総督へ情状酌量を求める手紙を書くのだが、ボネットの海賊行為による罪状は決して軽くなく、許されるものでなかった。それはゴシップネタ好きな女性たちから同情され刑の執行が延期されるも逃れることはできなかったことから伺うことができる。


 

 1718年12月8日。チャールズタウンにある処刑台。

 目の前にぶら下がるのは最期の景色だ。もう明日の日の出はおろか今夜の星を見ることもできない。

 

(情けないがこれが結末だ……。くそ!ティーチを殴り飛ばしてやることができないまま死ぬなんて!)

 ボネットの心に悔しさが残ったままだが何をするにももう先がない。


 しばらくして絞首刑による海賊たちの死刑が執行された。

 

 裕福な地主、或いは優秀な民兵であり続けたならまた違う人生を歩んでいたかもしれないボネットは、海賊という罪人として人生を終えたのである。

例え命をかけてでも海賊として稼ぐ方が夢があったのでしょう。

それはお堅い仕事で一生安泰を望む人々を嘲笑するかのように。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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