17歳の葛藤
社会のルールもまだよく知らない歳の頃
ただ悲しんでる姿を見たくなくて
自分が自分である事を一旦捨てるだけで
それが少しでも緩和するなら
そんな単純な動機で
小さな夢の数々に蓋をした。
飛び込んだ大人の世界は
予想よりも淡々と時間が流れていて
歯車の一部というのは間違いではなくて
むしろそれよりもっと簡単なパーツな気さえした。
対価について深く考える程の頭も
言葉の裏を考えて傷つく程の精神も
全てが未熟なままで
毎朝決まった時間に乗るバスで
きっと同じ歳ほどの人たちと肩を並べた。
次の講義の話や
別の学科の友人の話や
サークル活動についての話
とてもキラキラして見えている事に
気づいてしまった時には遅くて
ドロドロ自分の中の何かが溶けていった。
幸せを願って蓋をした気持ちが
ガタガタと蓋をこじ開けそうなほど
暴れ始めた頃には
淡々とした作業がより一層毒となっていた。
そうして得られた幸せは
ほんの一瞬の出来事で
たった1人の小さな努力では
変えられない現実が広がり続け
また1つ生きて生き辛さを覚えて
目を開ける力がより一層弱まるには十分だった。