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伊達成美

伊達成美は不幸たった。

この世で最も神にと言ってよいrあ。

父親の光輝は成美を決して愛さなかった。

いや、愛せなかったのだ、愛を知らず育ったが故に。

光輝は休暇は趣味の釣りに打ち込み、家庭を顧みなかった。

ある日のことだ。リビングあでくつろぐ光輝は、釣りの仕掛け作りにいそしんでいた。

その隣でゲームに勤しむ成美。

母親の美晴は光輝にいつもの小言を言っていた。

成美は光輝に懐き、そんな成美に対して美晴は密かに嫉妬していた。

「それであなた、今度の父親参観だけど、仕事を休んで行ってほしいの。いいわね?」

 光輝は答えて言った。

「無理だな。外せない太客との接待がある」

「あなた¥¥aらそれでも父親なの!? いったいいつになったら成美に父親らしいことをしてくれるのよ!休みといえば釣り! 家でも成美の話をまるで聞かない! それでも父親!?」

 光輝は手を止めて、晴海に言った。

「成美の面倒はちゃんと見てるだろう? お前に似ずに、成美は無駄口を叩かない。そもそもだ、父親になる? 男は女と違う。俺の仕事はお前を孕ませることだ。いつ父親になる? 卵子が受精したときか? 初めて成美を抱き上げた時か?」

 晴海は語気を荒げて言う。

「何なのよ! その言い分は! わたしは成美にあなたみたいになって欲しくないの! 成美、お父さんをどう思う?」

 成美は嬉々として言った。

「お父さん! 怒らないから」

 そんな成美にみはるは思わず手を挙げた。

 成美は冷たい表情で母を見る。光輝も晴海を見ている。死んだような魚の目で。

「手を挙げるのがお前の愛か? 行こう、成美。お父さんの部屋でゲームをしなさい。見ていてあげるから」

 成美は笑顔で答えた。

「うん。でもゲームじゃなくて、成美を『見て』欲しいな!」

 そういうと成美は光輝と二階に上がって行った。残された美晴の嗚咽を聞きながら。

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