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ドレッシング

 


「・・・ずっと心配だったから。ゆきの、辛そうだったし。」


 しっかりもののまほが泣いていることで、会場が一瞬静まり返る。


「まほ、心配してくれてありがとう。」


 林田さんもまほの涙にもらい泣きして、さなも気が付いたら、泣いていた。


 リリアは


 はあ


 とため息をついた。、


「ほらほら、誕生祭で、須藤先生とかKANAさんとかいる前で泣いている場合じゃないでしょう?。」


 お姉さんのような優しい声で皆に泣き止むように促す。


 それからゆっくりとリリアさんは私にまっすぐ向き直った。


「須藤先生とKANAさんの指導の後から、『プラス plus』の何かが変わったと思います。そして私も。」


 そう言ってリリアは私に近づくと


「向き合おうと思います。今の自分の仕事に、『プラス plus』に。」


 耳元で囁いたその言葉は、周りには聞こえなかっただろう。


 まだ泣いている『プラス plus』のメンバーを牧野マネージャーが慰めて、またパーティーが続いていく。


「KANAちゃんに助けられたよ。そうだ、ちゃんと食べている?。」


 MARINAさんがいろんなお肉の盛り合わせのプレートを渡してきた。


 私は笑顔で受け取ってローストビーフを一口食べた。その後にサラダを食べようとして、思い出す。


「そうだ、林田さん。サラダ食べた?。」


 私の言葉に、すでに泣き止んでいたゆきのさんが振り返った。


「ここのサラダ、すごくおいしいです。」


 林田さんはサラダとキッシュをお皿に盛りつけて、美味しそうに食べていた。


「喉、おかしくない?。」


「今は特に問題ないと思います・・・。」

 私の持っている危機感を察したのか、林田さんはその皿をテーブルに上に置いた。


 私はスタッフを呼んだ。


「サラダのドレッシングの材料、分かりますか?。」


「ドレッシングですか?シェフを呼んできます。」



 ほどなくして奥からシェフが出てきた。


「何か、お気づきの点がありますか。きまぐれサラダ用のドレッシングで、オリジナルです。」


「・・・果物が中に入っていると思うのですが・・・。」


「ああ。確かに今回作ったドレッシングは風味づけに果物が入っています。アレルギーが桃、りんごとなっていたので、ビワのドレッシングです。」


「ビワの・・・ドレッシング・・・。」


 私はもう一度林田さんを見たときには彼女は2-3回咳をしていた。

 そして、


「声が・・・でにくくなってきましたね。」


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