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77/80

ありがとう

「KANA食べてないじゃない、少しは食べなよ。」


 MARINAさんがお母さんのように、私にキッシュとローストビーフを勧めてきた。


「自分の分は取り分けてありますよ。」


 私は自分で取り分けていたサラダを言い訳のように食べ始めた。


「おいしいです。」


「でしょ。このお店は私のお気に入りなんだから、店長さんとも今は仲良しで、よく来るのよ。」


 カラフルな野菜とジューシーなドレッシングのサラダだ。このドレッシングは何を使っているのだろう。そんなことを考えているときに、


「新川先生。今日は無理を聞いて頂いてありがとうございました。」


 林田さんがあいさつに来た。その後ろには『プラス plus』のメンバーもいた。


「まさか、ゆきのが受診しているお医者さんがあのKANA3001だったなんて、びっくりです。衝撃でした。女医で歌手ってすごくないですか。サインください。」


 いつの間にか、さなが手帳とペンを持って隣に迫ってきていた。


「・・・もう今はほとんど活動していないから。」


 私は仕事で使う、大人の微笑みでかわそうとしたが


「そんな、何言っているんですか、この前の新曲の投稿見ましたよ。私もう歌覚えました。」


 さなの目は前に須藤を見ていた時と同じように、きらきらと輝き、私をロックオンした感じになっていた。そんなさなを抑えるようにリリアさん会話に入ってきた。


「KANAさん、先日は教えていただき、ありがとうございました。」


「あの時は名前も言わずに、言いたいこと言ってごめんなさいね。」


「そんなことないです。わ、私、まだまだ頑張れるんだって分かりました。」


 リリアさんが噛むのはキャラではない。


「そうだよ、リリアはKANAさんに教えてもらったんだよね。それから・・・すごく良くなったよね。」


 会話に割り込んできたさなに、まほが釘を刺すよに会話に入ってきた。


「KANAさん、ゆきののことも、リリアのこともありがとうございます。さな、そんなにぐいぐい前に行くと、KANAさんも引いているよ。」


 私は苦笑して


「まほさん、大丈夫よ。ありがとう。」


 私の声をきいて、まほさんはすこし照れたように顔を赤くした。


「・・・私こそ、ありがとうございます。ゆきのが元気になって良かったです。」



 最後は言葉にならなかった。まほの瞳から大粒の涙が零れ落ちたから。



サブタイトルからエピローグをとりました。エピローグが延々と続いてしまったので、改めてエピローグを最後に記載します。

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