ライブに一緒に行くのは
すみません。あまりにもエピローグとしては長くなったので、エピローグ外します。2020年8月2日1時20分
『プラス plus』のライブの予定はGW明けの週末だった。
席は関係者席であり、ステージの最前列に近いところだった。誕生祭は熱心なファンが前に来るので、一人で行くよりは誰かを誘ったほうがいいと思った。
スケジュールの開いていた武藤先生を誘い、一緒に行くことにした。
4月最後の月曜日のカンファレンスの後、着替えるためにロッカーに入ろうとした時に武藤先生が声をかけてきた。武藤先生はもう私服に着替えていて、私が来るのを待っていたようだった。
「新川先生、本当に僕が一緒に行っていいんですか?。その・・・彼氏さんとか・・・。」
ああ、武藤先生はそのことを気にしていたんだ。東城さんはステージ裏に入るので、一緒には行けない。
私は最後の曲のバックコーラスに入る予定だから、途中から裏に回ればいい。
「ライブのこと?この前も言ったように、仕事の一環だと思っていいのよ。だから、武藤先生のほうが適任。」
武藤先生はふーんといいながら、何かを考えているようだった。ふいに、私の耳元に口を寄せて、ささやくように話した。
「KANAだって分かったら、目立って、騒ぎになりませんかね。」
私はふふふと笑って、
「ああ、それをずっとかんがえていたの、もうKANAのことは誰も覚えていないよ。」
武藤先生はためらいがちに、
「先月、1週間前に久しぶりの新曲動画をあげたら、5日で50万再生までいった、って言っていたじゃないですか?。先生が思うよりも覚えている人はいるのかもしれないですよ。」
私はまあ・・・といいながら、
「KANAは顔出ししてないから、顔でバレることはないと思うよ。」
その時、不意にパタパタと私の後ろに近づく足音が聞こえてきた。
「新川先生と武藤先生!!私も行けるなんて嬉しいです。」
「野中さん講習会の日取りが変わってよかったね。。」
私服に着替えた野中さんはにっこりと微笑んでいた。ロングスカートをはているのに、あのパタパタ早足で近づいてきたのか。
ライブの日は、言語聴覚士の講習会の日だったが、会場の都合で1週間延期となった。そのため、野中さんもライブに誘うことにした。
「嬉しいです!かわいいではないですか!誕生祭ですよー。」
はしゃぐ野中さんを、私と武藤先生はいさめながら、待ち合わせ場所などを決めた。
ライブの途中で私がバックコーラスでステージに立つと話した時も
野中さんはすごい!と興奮し、
武藤先生はKANAだってバレちゃいますと笑っていた。
私はリハなしで当日のバックコーラスに入り込むので、これからしばらく練習する必要があった。今日も家に帰って、ネット上で須藤にトレーニングを受ける予定だった。
「新川先生、無理しないでくださいね。」
武藤先生がまるで葉山先生のように、私を労ってくれた。




