原因は何?
オーラル・アラジー・シンドロームとは、主にシラカバやヒノキの花粉などに感作されることによって、花粉との交差抗原性によってりんごや桃などの果物を接種後に唇や口腔内や喉にアレルギー反応が起こることをいう。もともと欧米ではシラカバの花粉症が多いこともあり知られていたが、最近は日本でも花粉症の有病率が増えていることから増加傾向である。
「林田さんは果物を食べた後に、喉がイガイガしたことはない?。」
林田さんは少し考えてから、
「・・・メロンとか食べると喉がかゆくなります。でも、学校の友達でも同じような子がいるし、特別なことではないような・・・。」
「やっぱり。」
私と、診察介助についていた田島さんが頷いたタイミングはほぼ同時だった。
「先日の採血検査にアレルギー検査を追加していましたが、その結果がこちらになります。」
私は電子カルテから、アレルギーの検査:RAST(radioallergosorbent test)の結果を印刷し、林田さんに手渡した。そしてそれを見ながら説明する。
「吸入花粉であるスギ、ヒノキに強い反応が出ています。シラカバ、ハンノキにも反応が強いですね。リンゴ、メロン、モモに軽度ですが反応があります。」
「・・・スギに比べると、反応が弱いと思うのですが・・・。」
確かにRASTによるアレルギーの数値は、スギがClass3なのに対して、リンゴ、メロン、モモの反応はclass1を示していた。
「食物アレルギーの中でも、オーラルアラジーシンドロームに伴う反応は、血液検査で陽性にならないこともあるので、しっかり反応がでていると思います。ただ、血液検査で反応が出ていても、実際には体に反応が出ない方もいますから、あくまでこれは参考です。」
林田さんは考え込むようにその結果を見ていた。
「焼肉店に食事に行ったとき、症状が出たことがあると林田さんから伺いました。」
私の言葉に、牧野マネージャがはっと顔を上げた。
「そうなの、ゆきの?。」
「前回の・・・食事会の時に・・・。」
私はタブレットに焼肉店で撮ってきた冷麺の写真を提示した。
「冷麺にリンゴとサクランボと梨が入っていました。果物の成分がスープに溶け込んで、それがアレルギー症状を起こしたと考えられます。」
「・・・そうですか。」
牧野マネージャーは力なくうなずいた。
「・・・でも。」
林田さんはよくわからない、という顔をして私を見ていた。
「ステージで喉がつまった感じがしたときは、別に何も食べていなかったです。なのにどうして・・・?」
首をひねる林田さんに私は、林田さんの公式ブログに載っていた写真をモニターに提示した。
「・・・デトックスウォーターです。」
「え・・・ああ。」
林田さんが思い出したように驚いた顔をした。
それ以上に、マネージャーが青い顔をして、会話に入ってきた。
「じゃあ・・・あの、私が用意していた、デトックスウォーターが原因?。」
「おそらくそうだと考えられます。」
「そんな・・・・。」
牧野マネージャーはふらふらと、診察ベッドの上に腰かけた。
やっと原因が分かりました。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。




