表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/80

診断名は

 林田さんの再診日はリハーサルの翌週の金曜日午前中だった。貧血の改善を見るため先に採血し、結果を待ってもらった。牧野マネージャーは、他の現場のヘルプに入っていたようで、診察の少し前に到着した。


「お待たせしました。」


 林田さんを診察室に呼び込んだ時には午前10時半を過ぎていた。


「よろしくお願いします。・・・新川先生、この前はお世話になりました。」


「こちらこそ、お騒がせしました。」


 林田さんはいたずらっぽい笑顔で話しかけてきた。


 診察介助についていた看護師の田島さんは、少し不思議そうな顔をしていた。牧野マネージャーは前回の診察中のやり取りのことと思ったのか、特に表情を変えずに、林田さんの後ろに立っていた。

 あのリハーサルのバックコーラスの一人が私だったとは考えてもいないだろう。


「その後は体調はいかがですか?。」

「特に異常ないです。調子悪くならずに、先週末のイベントも問題なく出演できました。」


 その言葉にゆっくりと頷いてから、一通りの身体診察をして、検査結果の説明を開始した。


「貧血も改善されて、血液中の鉄分も正常化しました。」


 データを見せながら説明すると、林田さんとマネージャーはその説明を頷きながら聞いていた。


「ところで。」


 私は一呼吸間をおいて、林田さんとマネージャーに向き合い、にっこりと微笑みながら

「林田さんの症状の原因が分かりました。」


 えっ、


 と林田さんとマネージャーが小さく声を上げた。

「・・・病気が分かったんですか。」


 林田さんの言葉にかぶるように


「病気だったんですか?。」


 と、マネージャーが私に聞いてきた。


 私はゆっくり話し出した。

「ええ。まだ、最終診断ではありませんが、林田さんの症状はオーラル・アラジー・シンドロームによるものだと思います。」



 私のその言葉に林田さんはきょとんとしていた。マネージャーがも分からない・・・という顔をして、

「オーラル・アラジー・・・とは、なんですか?」


「つまり、食物アレルギーの一種です。」

診断までにずいぶん時間がかかり、申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ