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ライブリハ

久しぶりにKANA視点です。

 今日は須藤のおすすめコーラスメンバーとしてリハーサルに入り込んだ。


 何もコーラスでなくても裏方のスタッフに扮することもできただろう。しかし、一緒にステージに立つことで、観客側からではわからない、メンバーの関係性が見えてくるのではないかと考えた。もちろん、リハーサルに入ることができたのは須藤の手回しがあってのことで、コーラスグループとして潜入するために、数日間、夜をボーカルトレーニングについやした。


 リハーサルの雰囲気を久しぶりに味わう。


 昔から、観客のいないライブハウスの冷たい空気が、リハーサル中に徐々に温度が上がってくるのが好きだった。そこは自分が生きる世界そのものだった。


 事実上の活動休止から、ライブハウスにはごくたまにしか行がなかった。医師の仕事が想像以上に忙しかったため、自分で歌うことはもちろん、観客としてもライブハウスに行くことはほとんどなかった。ライブに行ったのは、医師として体調が良くない患者(クライアント)の付き添いくらいだ。


 今日は歌を歌いつつ、林田さんがなぜ歌えなくなるのか、体調不良の原因をつかむことに集中する必要があった。ライブハウスの空気感を味わいつつ、グループの歌と動きを観察し、スタッフやマネージャー、照明や音声などにも変わったことがないが、観察した。


 ダンス講師のMARINA先生にはミュージックビデオのダンスを振りつけてもらったことがあり、面識がある。数少ない、私の素顔を知っているスタッフの一人だった。

 始めは厳しかったが、私が踊れるようになってからは、コーチというよりは友達のような感覚で、当時一緒に何度かクラブに踊りに行ったこともある。MARINAさんの連絡先は今も携帯に残っていた。


 活動休止からは何年と連絡を取っていなかった。最後にあったのはいつだったろう。また今度仕事かプライベートで会おう、と話したのが最後だった気がする。休業のあいさつにも行かなかったから、不義理だったかもしれない。


 私を覚えていても、顔を見て思い出すことはないと思う。仕事では顔を出していなかったし、プライベートでは今と全然違うメイクで合っていた・・・でも歌を聞いたら、思い出すかもしれない。


 そういえば須藤には、MARINAさんと面識があることを伝えていなかった。歌の話はしていたが、今日のダンス講師がMARINAさんだということを、ステージに上がる直前に須藤から聞いて、その後すぐに須藤が打ち合わせに呼ばれていったから、話す時間が取れなかった。


 休憩時間にそっと伝えよう。

読んでいただき、ありがとうございます。

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